異色のキャラクター成長システム! チョコボとシドも初登場したファイナルファンタジー2
2017年1月20日 更新

異色のキャラクター成長システム! チョコボとシドも初登場したファイナルファンタジー2

1987年に第1作が発売された「ファイナルファンタジー」シリーズ。シリーズ全タイトルの出荷本数は世界累計で1億本を超えており、ドラゴンクエストシリーズと並んで、その名前を知らない人はいない超有名RPGです。 そのファイナルファンタジーシリーズの中でも、独特のキャラクター成長システムと重厚なストーリーで異彩を放つ「ファイナルファンタジー2」について、懐かしい画像や裏ワザなどとともに、まとめてみました。

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キャラの能力を上げる裏ワザ

このようなキャラクター成長システムにあわせて、当時、いろいろな能力アップの裏ワザが考え出されました。有名なところを挙げてみましょう。

〇わざと味方を攻撃する「パーティアタック」
  →意図的に味方のHPを減少させ、最大HPの上昇を狙う。
〇ゴブリンなどのザコ敵に「チェンジ」(敵と自分のHP・MPを入れ替える魔法)をかける
  →自分のHP・MPを一気に減少させ、最大HP・最大MPの上昇を狙う。
〇アンデッド系モンスターに「アスピル」(敵のMPを吸収する魔法)をかける
  →アンデッドの場合は逆にこちらのMPを吸い取られることを利用し、最大MPの上昇を狙う。
〇A・Bキャンセル
  →「たたかう」コマンドを選んだ後、Bボタンでキャンセルしても、熟練度が上がることを利用。
   A(選ぶ)・B(キャンセル)の連打を繰り返せば、熟練度を簡単に上げられる。
   ただし、4人目のキャラはキャンセルができないので、この技は上3人にしか使えない。

裏ワザの弊害

もっとも、パーティアタックなどで最大HPだけをやみくもに上げても、最重要パラメータである「回避率」はまったく上がりません。
むしろ、HPが高い→敵が逃げやすい→敵から攻撃を受ける回数が減る→回避率(回避レベル)が上がらない、という弊害を招くのです。

同様に、A・Bキャンセルによる熟練度アップについても、攻撃力がムダに高い→敵が簡単に死ぬ→敵から攻撃を受ける回数が減る→回避率(回避レベル)が上がらない、という弊害があります。

実際のところ、ファイナルファンタジー2で全滅してしまうのは、特殊攻撃による石化などの「状態変化」による場合が多く、これは回避率を上げておかないと防ぐことができません。
また、ブラッドソードを装備している敵は、1ヒットで最大HPの1/16のダメージを与えてくるので、こちらのHPがいくら高くても、8回ヒットの攻撃を2度受けたら死んでしまいます。

つまり、パーティアタックやA・Bキャンセルなどの裏ワザは、一見楽チンなように見えますが、実は「回避率を上げる」という最も肝心な点からすると、百害あって一利なしなのです。

当時のゲーム雑誌や攻略本でも、これらの裏ワザが紹介されて広く定着しましたが、乱用すると回避率が上がらなくなり、ゲーム後半で逆に難易度を大幅に上昇させてしまう、ということまでは、あまり知られていませんでした。

ファイナルファンタジー2は、回避率の重要性を理解して、きちんと回避率を上げていればそんなに難しくありませんが、逆に、回避率を無視すると、いくら他の能力を高く育てても、あっという間に全滅してしまう可能性がある、という、ちょっと変わったゲームバランスのRPGなのです。

ファイナルファンタジー2は難しくない!

最初にも書いたとおり、一般に、「ファイナルファンタジー2は難しい」とよく言われます。

確かに、「回避率」というあまり馴染みのないパラメータを重視しなければならない点や、漫然と戦闘を繰り返していても中途半端なキャラしか育たないことなどを考えると、必ずしも万人向けのRPGとは言えないかもしれません。

しかし、実際には、パーティアタックやA・Bキャンセルなどの不適切な裏ワザを乱用しすぎたことによって、かえって本来よりも難易度を高くしてしまった人が多く、そこから「裏ワザを使ってもクリアできないくらい難しい」というような誤解が広まっただけではないでしょうか。

ワードメモリーシステム

ファイナルファンタジー2では、ストーリーを進める上でも、「ワードメモリーシステム」というちょっと変わったシステムが採用されています。

これは、人々との会話に登場した重要な言葉を覚えるシステムで、覚えた言葉を選んで人々に尋ねると、新たな情報が得られることが多い、というものでした。

ちなみに、「のばら」は、反乱軍の合言葉で、フリオニールたちが反乱軍の同志からさまざまな秘密を教えてもらったりするのに使われました。
ワードメモリーシステム

ワードメモリーシステム

ワードメモリーシステムの対象となる言葉は、【 】で囲まれて表示されました。

重厚なストーリー

特色あるキャラクター成長システムが注目されたファイナルファンタジー2ですが、ストーリーも、単純な勧善懲悪ではなく、当時のRPGとしては異例とも言える、複雑な人間模様や命の儚さ・尊さを描いた重厚な内容が盛り込まれていました。そこから、ファイナルファンタジー2は、その後のシリーズにおける「ストーリー重視」の先駆けになった作品であるとも言われています。

ここでは、印象に残る名場面をいくつか紹介します。
オープニング画面が終わったと思ったら、いきなり何の前触れもなく戦闘シーンに突入し、まったく歯が立たずに全滅させられる、という導入も、とても衝撃的なものでした。
ファイナルファンタジー2のオープニング画面

ファイナルファンタジー2のオープニング画面

オープニング画面で、「てったいしなければ ならかった」と、「ならなかった」の「な」が抜け落ちていたのも有名でした。
オープニングの戦闘シーン

オープニングの戦闘シーン

ゲームが始まると、いきなり「くろきし」との戦闘シーンに突入し、全滅させられます。
ストーリーの途中で犠牲になって死んでいくキャラクターが多く、悲しいシーンが続くのも、ファイナルファンタジー2の特徴です。

後に移植されたゲームボーイアドバンス版やPSP版のファイナルファンタジー2では、クリア後に、ストーリー本編の途中で死んでいった4人のキャラ(ミンウ・スコット・ヨーゼフ・リチャード)のその後を描いたパラレルストーリー「Soul of Re-Birth」(ソウル・オブ・リバース)をプレイすることができます。
さらばミンウ!

さらばミンウ!

究極魔法アルテマの封印を解くために力を使い果たしたミンウ
そうかと思ったら、こんな迷(?)場面もあります。
ヒルダ王女の誘惑

ヒルダ王女の誘惑

ファイナルファンタジー2 屈指の名場面、
「ヒルダ王女の誘惑」です。
誘いを受けた主人公フリオニールに、
王女に化けていたモンスターが襲いかかります。
パラメキア帝国の指揮官・ダークナイトとしてフリオニールたちの前にたびたび現れていた男の正体は、なんと、マリアの兄レオンハルトでした。

マリアの説得むなしく、パラメキア帝国の新皇帝になることを自ら宣言するレオンハルト。

しかし、そこに倒したはずの前皇帝が復活し。。。

ファイナルファンタジー2の中でも、最も濃い人間ドラマが立て続けに展開されるところです。
マリアと対峙する兄レオンハルト

マリアと対峙する兄レオンハルト

マリアの説得にも耳を貸す気配のない兄レオンハルト。
自らパラメキア帝国の新皇帝を名乗ろうとします。
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