マイコンから始まったパソコンの歴史
2017年1月4日 更新

マイコンから始まったパソコンの歴史

現在のWindowsパソコンが登場する以前、ホビーパソコンとも呼ばれた懐かしの8ビットパソコンを振り返ってみます。

21,167 view

NEC TK-80

当時はパソコン(パーソナルコンピュータ)ではなくマイコン(マイクロコンピュータ)と呼ばれた。
TK-80

TK-80

1976年8月,日本電気は,マイクロコンピュータ(マイコン)の普及を図るために実際に操作できる安価なトレーニング用組立キットTK-80を発売した.TK-80は,CPUにインテル社の8ビットマイクロプロセッサ8080と互換性のあるμPD8080A,表示装置にLED(発光ダイオード),16進キーボードを備え,機械語でのプラグラミングおよびその実行が可能であった.さらに,組立マニュアルの他に,回路図とモニタと呼ばれる基本ソフトのプラグラムリストが付いていた.

同年9月,秋葉原のラジオ会館7階にサービスセンターBit-INN(ビットイン)を開設し技術相談を行った.
翌年の11月にはTK-80キットの機能拡張ボードTK-80BSを発売し,BASICが使用でき,出力用のCRTディスプレイとして家庭用のテレビ受像機が使用できるようになった.こうして,TK-80は発売後2年間で約6万6,000台にのぼる売上を記録した.
高価な端末装置を必要としないという点が当時のアマチュアの目に留まり、TK-80は本来の意図とは異なり相当数がコンピュータマニアに購入されることになった。このことが当時ちょっとしたブーム(マイコンブーム)となり、その後の8ビットパソコン(国産では、NECのPC-8000シリーズ、日立のベーシックマスター、シャープのMZシリーズなど)に続いていくことになった。

NEC PCシリーズ

PC-8001

PC-8001

ホビーパソコンの先駈けとなったシリーズ。Z80Aを搭載し、当時としては性能の割に廉価を感じさせる製品だった。豊富な周辺機器と共に、ユーザーが競うように膨大な数のソフトウェアを開発したために、使用環境がどんどん切磋琢磨されていった。
PC-8801

PC-8801

パソコンのゲームタイトルはほぼPC-88シリーズで出てましたね・・・。
当時、FM-77ユーザーであった私はゲームソフトのメーカーがPC-88からFM-7へ移植してくれるのを半年、1年と待っていました・・・が、我慢できず遂にPC-8801MHを購入しました・・・。
PC-8001と完全上位互換性を持ち、非常に多くのソフトウェア資産を誇った。初代は「当時市場のメイン機だったPC-8001の資産も使える、ビジネス向けの高級機」という位置付けで、のち、ホビーユースを視野に入れたmkII以降、グラフィックやサウンド性能の向上と共に、5インチフロッピーディスクドライブなど標準搭載し、以降続々と後継機を出していった。
【PC88シリーズ機種略歴】
PC-8801
PC-8801mkⅡ(model 10、model 20、model 30)
PC-8801mkⅡSR(model 10、model 20、model 30)
PC-8801mkⅡTR
PC-8801mkⅡFR(model 10、model 20、model 30)
PC-8801mkⅡMR
PC-8801FH(model 10、model 20、model 30)
PC-8801MH
PC-88VA ※88VAは16ビット機種
PC-8801FA
PC-8801MA
PC-88VA2
PC-88VA3
PC-8801FE
PC-8801MA2
PC-8801FE2
PC-8801MC(model 10、model 20)
PC-9801

PC-9801

当初、PC88シリーズがゲームなどのホビーユース向けなのに対し、16ビットパソコンのPC98シリーズはビジネス向けと方向性が違っていた。
※1990年代に入ると8ビットパソコンの限界を感じホビーユースもPC98シリーズに移行していく。

PC98シリーズはPC88シリーズとの互換を持たせたPC-98DOや32ビット機、高解像度機など多くのラインナップがある。
”98”と略されていた。本来は事務機器などに向けて製造されていたが、8ビットパソコンに継続してホビーパソコンの高性能化競争が起きた際に、同社はこの9800シリーズをベースとした機種で対抗していった。シャープのX68000、富士通のFM TOWNSなどのライバルは98の前に有力な対抗馬とはなれず、9800シリーズは国内メーカー製コンピュータの最大勢力として君臨を続けた。やがてWindows3.0とともに日本国外メーカー製のPC/AT機が低価格を武器に進出をはじめたが、その採用CPUや、設計から、Windowsのプラットホームとしても利用できたPC-9800シリーズを更にWindowsの実行に最適化したPC-9821シリーズにモデルチェンジし、Windowsでの動作を中心としながらも独自の設計を継承していった。

シャープ MZシリーズ

MZは電源投入後、カセットテープからプログラムを読み込むことで初めて起動するんですよね。
システム全体をROMとして持つのではなく、最低限の処理を収めたモニタのみを本体にROMで搭載し、基本プログラムはカセットテープなどのメディアで供給するという、後に「クリーンコンピューター」とうたわれるシステム。
システムそのものを本体に持たないため、当時の標準環境であったBASICが利用可能になるまで、標準内蔵デバイスであるデータレコーダからの起動で数分を要するという欠点もあった。
MZ-80K

MZ-80K

MZ-2000

MZ-2000

MZ-2500

MZ-2500

X1

X1

パソコンテレビX1。型名はCZ-800シリーズ
MZと違い、X1はホビーユースの為に生まれたパソコンで、後のX1turboが旗艦機種となる。
37 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

Z世代が選ぶ!「大人は懐かしいけどZ世代は知らないモノTOP10」が発表される!!

Z世代が選ぶ!「大人は懐かしいけどZ世代は知らないモノTOP10」が発表される!!

バイドゥ株式会社が提供する日本語入力&きせかえ顔文字キーボードアプリ「Simeji」が、Simejiユーザーへアプリ上でアンケート調査『Z世代が選ぶ!!『大人は懐かしいけどZ世代は知らないモノTOP10』」を実施し、そのデータをランキング化した「Simejiランキング」を発表しました。
隣人速報 | 5,184 view
【貧乏だった私を救ったPC】カシオのMSX【PV-16】

【貧乏だった私を救ったPC】カシオのMSX【PV-16】

この記事は懐かしいゲームの攻略法などは書いておりません。貧乏な中坊がパソコンをやっと買い、あれこれやっただけの記録です。懐かしくて涙が出るような記事ではありませんが、可哀そうで涙が出るかもしれません。貧乏人を救い、結果MSX自体を過去のものにしてしまったとの噂もある「カシオのMSX」についての記事です。
ジバニャンLOVE | 18,730 view
1982年の学習マンガ「こんにちはマイコン」が描いた未来のマイコン生活を答え合わせする。

1982年の学習マンガ「こんにちはマイコン」が描いた未来のマイコン生活を答え合わせする。

「ゲームセンターあらし」で人気のすがやみつる先生が描いた、パソコンのプログラミング(BASIC)学習マンガ「こんにちはマイコン」は1982年の小学館漫画賞児童部門を受賞。「ゲームセンターあらし」で登場したあらしやさとるがマンガを通してマイコンについて教えてくれました。作中で描かれる「未来のマイコン生活」は、実際に実現しているものが多いんですよ。
青春の握り拳 | 68,765 view
「昔はパソコン高かったよな・・・」は正解!パソコンの平均価格推移を追いかける。

「昔はパソコン高かったよな・・・」は正解!パソコンの平均価格推移を追いかける。

昔と比べるとパソコンは実に身近な存在になりました。用途はもちろんのこと、何と言っても価格が下がりましたよね。昔はパソコンといえば非常に高価な家電でしたから。そこでパソコンの価格推移をまとめてみました。
青春の握り拳 | 82,135 view
【昔のチラシや広告】画像と当時の価格を振り返る。家電、パソコン、自動車、スーパーマーケット、ゲーム、おもちゃ等。

【昔のチラシや広告】画像と当時の価格を振り返る。家電、パソコン、自動車、スーパーマーケット、ゲーム、おもちゃ等。

インターネットも無い時代、モノを買う時の情報と言えばチラシ。昔のチラシ画像を検索すると当時の物価がわかって面白いです。今から考えると高い!!え、そんな安かったんだ!!というモノまで様々。
M.E. | 49,073 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト