トヨタ・セリカ
歴代モデルには斬新なデザインが採用され、北米や欧州にも輸出された。日本国内の取り扱い販売店はトヨタカローラ店。
1986 TOYOTA CELICA GT-FOUR Ad - YouTube
5代目 T180型(1989年-1993年)
T180型
プラットフォームは先代をベースとしていながら、サスペンションのリファインが行なわれて剛性が上げられている。さらにフルタイム4WDであるGT-Fourのリアデフには、日本初のトルセンリミテッド・スリップ・デフを装着。
限定車として、油圧制御式アクティブサスペンション装着車が用意された。オーディオは10スピーカーのスーパーライブサウンドシステムがオプション設定された。2ドアクーペも用意され、アメリカやカナダ等で販売された。
GT-FOURには前後ブリスタータイプのオーバーフェンダーにより、ワイドボディ化されたGT-FOUR A(ST185H型)が登場。
1991年8月にはリアコンビネーションランプやフロントとリアの細部の意匠が変更された(エンブレムがトヨタマークに変更)。ドア内にサイドインパクトビームが追加され、後席3点式シートベルトが装備された。
トランスミッションはシンクロナイザーが強化されるなどのマイナーチェンジが実施された。標準ボディとワイドボディ2種類が混在していたGT-FOURは全てワイドボディ化され、GT-Four Aはラインナップから消滅した。またGT-Fourは標準装備のタイヤとホイールが15インチ化。
ワイドボディ化によりタイヤ選択の幅が広がり、ブレーキサイズの拡大により制動力が向上。
ST182 トヨタ エディマーフィセリカ - YouTube
1991 TOYOTA CELICA Ad - YouTube
6代目 T200型(1993年-1999年)
先代のシャープさと一変した厳ついフェイスが魅力的でした。
T200型
重量は逆に20kg程度軽量化。
MT車にはビスカスLSDが搭載、オプションでスポーツABSも選択可能とし、更なるスポーツドライビングを実現。2ドアクーペも用意され、アメリカやカナダ等の北米地域で販売された。
1994年2月には、新しいWRCホモロゲーションモデルのGT-FOUR(ST205型)が登場。搭載されるツインカムターボ3S-GTEはレーザークラッドバルブシートや、インジェクター容量の拡大(430cc→540cc)、メタルガスケットの採用、Dジェトロ燃料供給方式や水冷式インタークーラーなどにより255psとなった。
駆動方式は先代同様フルタイム4WDだが、スーパーストラットサスペンションを装着しブレーキも対向4ポット(前)、対向2ポット(後)のアルミキャリパー4輪ベンチレーテッドディスクとなり制動力も向上。
また、リアウインドウに初めてガラス(電熱線入り)を採用。幌を閉じた状態はクーペタイプに見劣りしないスマートなシルエットとなった。ボディはクーペと異なり、3ドアリフトバックではなくモノコックボディを採用している事が一番の特徴であろう。これによりクーペタイプとほぼ変わらない重量と剛性を実現。
ST202CはST183Cなどと同様に北米仕様のセリカクーペをベースとしているため、ST200型セリカクーペのフロントマスクを日本独自のデザインにして販売していたカレンとは、トランクパネルやテールランプなどリア周辺の部品が共通している。
VVT-i採用に伴って、オイルポンプの吐出量の増量化、オイル通路の新設、プーリーの追加、タイミングベルトカバーの形状変更、タイミングベルトの歯数・材質の最適化、ECUの変更などが余儀なくされた。その他、エンジン関係の変更点としては、シリンダーヘッドガスケットのメタル化や、シリンダーヘッドの形状変更、バルブ挟み角の変更、ピストンの軽量化、インジェクター噴射口数の増加、ダイレクトイグニッションの採用など。
以上のようなフルモデルチェンジに迫る改良の結果、最高出力と燃費が大幅に向上(200ps)。同時にエクステリアも変更を受け、マルチリフレクター(ハイビーム)プロジェクター(ロービーム)ヘッドライトを採用、GT-FOURとSS-IIIには大型リアスポイラーやサイドマッドガードが標準装備された。
インテリアの変更点は、メタル調パネルの採用(全グレード)や、エアバッグの小型化(全グレード)、ホワイトメーターの採用(3S-GE搭載車)などがある。以上のような目まぐるしい改良が行われたにもかかわらず、販売的には苦戦を強いられ、わずか1年半後には次期モデルにバトンタッチすることになった。