80年代は、ミュージックシーンの大変革期。その中に、今回ご紹介するフュージョンミュージックがあります。jazzより自由で、rockよりノリが良くて洗練されています。主に、jazzミュージシャンが、エレクトリックギターやベースギターを取り入れ、あらゆるジャンルを取り込んで融合させてしまったのです。その試みは、楽器の奏法や機材にも大きな影響を与えています。
フュージョンの発祥
1960年代半ばにキャノンボール・アダレイが「マーシー、マーシー、マーシー」などの楽曲で、ジャズとソウルを融合した音楽を演奏し始めた。しかしこれはフュージョンとは呼ばれず、ソウル・ジャズと認識された。'60年代後半になるとマイルス・デイヴィスやトニー・ウィリアムスのライフタイムがエレクトリック・ギターやベース・ギター、エレクトリック・ピアノといった電気楽器を用いてロックをジャズに取り入れ、エレクトリック・ジャズとかジャズ・ロック、クロスオーバーと呼ばれる演奏を始めた。後にハービー・ハンコックやジョー・ザヴィヌル、ヤン・ハマー、チック・コリア等がモーグ・シンセサイザーを取り入れている。
その後、トランペッターのマイルス・デイヴィスが "In a Silent Way" (1969)と "Bitches Brew" (1970)を発表し、更にはデオダートが1972年に「ツァラトゥストラはかく語りき」("Prelude"収録)を発表し、これらがクロスオーバーやフュージョンの雛形となった。
フュージョンバンドの最強ベーシスト
フュージョンバンドで「一番かっこいいパートは?」と聞かれれば、やはりベーシスト。とにかく、フュージョン系のベーシストには、そのグルーブ感といい、超絶技法といい、神ががり的なベーシストが名を連ねているからです。そこで、フュージョンベーシストのランキングをご紹介します。知ってるベーシストは何人いるでしょう?
それでは、ランキングを受けて、フュージョンベーシストを1位から5位まで、ご紹介します。まずは、ランキングでも、第1位となった天才ベーシスト、ジャコ・パストリアス。ベーシストにとってのレジェンド。曲は、ウェザーリポート『Birdland』です。
Birdland(1977)
いつ聴いても、ジャコパスのハーモニックス奏法は圧巻です。
Weather Report - Birdland - YouTube
ミュージシャン:
ウェイン・ショーター (Tenor Sax, Soprano Sax)
ジョー・ザヴィヌル (Electric Piano, Acoustic Piano, ARP 2600 Synthesizer, Oberheim Polyphonic Synthesizer)
ジャコ・パストリアス (Electric Bass)
アレックス・アクーニャ (Drums)
マノロ・バドレーナ (Percussion)
ウェイン・ショーター (Tenor Sax, Soprano Sax)
ジョー・ザヴィヌル (Electric Piano, Acoustic Piano, ARP 2600 Synthesizer, Oberheim Polyphonic Synthesizer)
ジャコ・パストリアス (Electric Bass)
アレックス・アクーニャ (Drums)
マノロ・バドレーナ (Percussion)
via www.youtube.com
1.ジャコ・パストリアス
ジャコ・パストリアス (Jaco Pastorius、1951年12月1日 - 1987年9月21日) は、ジャズとフュージョンのエレクトリックベース・プレーヤー及び作編曲家。 1970年代半ばに頭角を現し、1975年にはパット・メセニーの初リーダー作に参加、翌1976年にはファースト・ソロ・アルバム『ジャコ・パストリアスの肖像』でデビュー後、ウェザー・リポートのベーシストとして参加。その革新的なテクニックをもって、エレクトリックベースをアンサンブルでの花形楽器にまで昇華させたことで知られる。
いま見ると、ちょっとおかしな格好?さらに、ライヴパフォーマンスは、また独特です。最初見たときには、ベースを弾いているとは、思えないほどでしたが、ハーモニック奏法によるベースソロのなんともカッコいい事。ベーシストなら、名前ぐらいは聞いたことがあるはず…超有名です。
次は、フュージョンの名曲『Spain』。Chick CoreaのLight as a Featherで発表された曲ですが、スタンリー・クラークが、アコーステイックベースの使用による演奏。さらにスラップ奏法による、多彩なテクニックを見せつけています。
Spain(1972)
味のあるフェンダー・ローズの音色に、スタンリー・クラークのスラップ奏法が、この曲に厚みを持たせていますね。高度なベースプレイも堪能ください。
Chick Corea and Return to Forever - Spain - YouTube
ミュージシャン:
チック・コリア (Keyboard)
スタンリー・クラーク(Electric Bass)
ジョー・ファレル(Sax, flute)
アイアート・モレイラ(Drums)
フローラ・プリム(Vocal,percussion)
チック・コリア (Keyboard)
スタンリー・クラーク(Electric Bass)
ジョー・ファレル(Sax, flute)
アイアート・モレイラ(Drums)
フローラ・プリム(Vocal,percussion)
via www.youtube.com
チック・コリアの『Spain』は、歌詞がありませんが、他のミュージシャンにより歌詞を入れてカバーされる場合があります。海外ではアル・ジャロウ、日本ではマリーン、hiro、平原綾香などがカバーしています。今回は、マリーンによるカバーをお楽しみください。
2.スタンリー・クラーク
スタンリー・クラーク(Stanley Clarke、1951年6月30日 - )は、アメリカ合衆国のペンシルベニア州フィラデルフィア出身ベーシスト、作曲家、音楽家である。
1972年に、チック・コリアらとリターン・トゥ・フォーエヴァーを結成、1970年代フュージョン・バンドの代表的存在の一つとして活躍。1972年にChildren of Foreverでアルバムデビュー。1973年よりアレンビック社製のエレクトリックベースをメインの楽器として使うようになる。
スラップ奏法の生みの親は、通説としてはラリー・グラハムと言われています。しかし、フュージョンミュージックでは、このスタンリー・クラークも第一人者。彼は、アコースティックベースとエレクトリックベースを見事に使い分けて独自の境地を切り開きました。そこで、スラップ奏法で知名度のあるベーシストをご紹介いたします。