打倒ファミコン!ハドソンとNECが共同開発した「PCエンジン」とは?
2023年2月22日 更新

打倒ファミコン!ハドソンとNECが共同開発した「PCエンジン」とは?

当時は素晴らしい高性能を誇った「PCエンジン」持っていた人も多いのではないでしょうか。ファミコンの牙城を崩そうとした意欲的なゲーム機でした。結果としてファミコンには及ばなかったものの、その開発思想などは優れていました。そんなPCエンジンを振り返ってみましょう。

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王者ファミコンに、2社がタッグを組んで挑みました

販売戦略

販売戦略

NECホームエレクトロニクスはハードウェア製造メーカーで、当初はゲームソフトの自社開発ができなかった。代わりにハドソンがローンチタイトル及び初期のラインナップを充実させている。

NECホームエレクトロニクスはPCエンジン発売の同年にNECアベニュー(ゲームソフト開発・音楽ソフト開発会社)を設立させた。

1989年の年末商戦前には販売戦略をリニューアルしており以下の3機種を柱とした。

路線の継続 - PCエンジンコアグラフィックス
廉価版 - PCエンジンシャトル
上位機種 - PCエンジンスーパーグラフィックス

1991年にSUPER CD-ROM2に移行し、翌1992年中頃にはソフト供給はCD-ROM中心になる。1994年末にPCエンジンの次世代機PC-FXが発売される。PCエンジンはPC-FXよりも後までソフトが供給され1999年6月に発売されたデッド・オブ・ザ・ブレイン 1&2を最後にソフトの供給が終了した。
広告戦略

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専門番組にハドソンが提供・協力、一部は日本電気ホームエレクトロニクスも提供をしている。それに加えコロコロコミックのタイアップ記事、週刊少年ジャンプの読者コーナーなど、影響下にあるメディアでPCエンジンの話題を多く取り上げ、また任天堂によるスーパーファミコンの発表まではファミコンの上位的な位置づけのハードとしてイメージ戦略を行った。
サードパーティー

サードパーティー

初期にはナムコやタイトーなどが参入。特にファミコンソフトの製造における優遇措置関連で任天堂とのトラブルになっていたナムコはPCエンジンに注力し、ソフト供給ではハドソン・NECアベニューと共に初期の三本柱となった。

ハード立ち上げ時に強力なソフトラインナップを集め、ファミリーコンピュータへの移植が難しかったアーケードゲームが移植された。その後、アイレム・コナミ・データイースト・日本物産なども参入。

CD-ROM2システムの発売以降日本テレネット・マイクロキャビン・コーエー・日本ファルコムといったPCゲームのソフトハウスも参入し、パーソナルコンピュータ用ソフトも移植された。参入せず開発のみ行い、他社名義で販売した例としてはカプコンとコンパイルがある。
サードパーティー戦略を実現出来た点、PCエンジン以前にファミコンと対峙していたセガ陣営を大きくリード出来た根拠にもなっています。

このあたりはPC-88、PC-98など、当時のパソコン業界を牽引していたNECの強さが光った部分ではないでしょうか。

販売台数

ファミコンに次ぐポジションを築くことに成功しました

ファミコンに次ぐポジションを築くことに成功しました

GameProの「推計」によると北米での最終的な出荷台数は約250万台、その他の地域(ほぼすべて日本)750万台、合計1000万台。

朝日新聞2001年12月1日(夕刊)「ウィークエンド経済 第765号」にて『だが、PCエンジンは世界で580万台売るヒットになる。』と書かれている。

ファミ通記事では国内のPCエンジン販売台数はHuカード機が392万台、CD-ROM(Duo含む)が192万台という数字が出ている。

NEC-HE取締役支配人の小林淳二は日経BP社『新世代ゲームビジネス』の117ページで「PC-FXは新世代のゲーム機であるが、従来のPCエンジンを190万台普及させてきた延長線上で地道み売っていく。」と発言している。
PCエンジンは高い性能とCD-ROMドライブなどの先進的な周辺機器が存在していましたが、ファミコンを打ち負かすことはできず、その後アニメーション系ゲームなどの独自路線で生き残ることになりました。

なんとPCエンジンはじめかつての名ゲーム機11機種が遊べてしまうマシン!

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PCエンジンならではの人気作も多かったですよね

秀逸なグラフィックとサウンドが特徴でした

カトちゃんケンちゃん

カトちゃんケンちゃん

当時大人気だった「カトちゃんケンちゃんごきげんテレビ」とタイアップした作品。
「波動砲」で一世風靡した横スクロールシューティングの名作「R-TYPE」。
R-TYPE

R-TYPE

パソコンのRPGで爆発的にヒットした日本ファルコムの名作「イース」。
こちらはCD-ROMでのリリースでした。
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