「ガッチャマン」主な登場人物
ガッチャマン―大鷲の健 / G-1号
コンドルのジョー / G-2号
コンドルのジョー / G-2号
メンバーの中で一番大人びていて、無鉄砲で気障な皮肉屋。健と何かと対立することが多い(特にバードミサイルの発射に関して)が、お互いの力は認め合っている。また、皮肉屋といっても性格は明るく、孤高のわりには人付き合いはよい。
ギャラクター幹部(父ジュゼッペ、母カテリーナの浅倉夫妻)の子として生まれるが、組織を裏切った彼らはギャラクターに殺害され、ジョーもデブルスターのバラ爆弾で被弾。BC島へ避暑に来ていた南部に助けられ、死を偽装されて一命を取り留めたものの、当時の記憶を失くしていた。
変身後の武器は羽根手裏剣と、ワイヤー弾、信号弾など様々な種類の弾を撃つことができる拳銃、エアーガン。なお、本作においては羽根手裏剣は他のキャラクターも使っており(健とジュンがそれぞれ一度ずつ)、必ずしも彼専用の武器というわけではない。アイキャッチの「ガッチャマン!」と言う声は佐々木が担当しており、次作『II』以降もアイキャッチで使用されている。
第20話の攻撃で子犬を救った時に頭へ破片を受ける。これが伏線となって第98話でめまいが発症。続く第99話で頭痛で竜巻ファイター失敗と症状が悪化。遂に第103話で「残り一週間か、10日の命」と医者に宣告されてしまい、死期を悟ったジョーは、単身ギャラクター本部へと向かって行く。
白鳥(しらとり)のジュン / G-3号
白鳥(しらとり)のジュン / G-3号
孤児院出身だが、自分の生い立ちをある程度覚えている。変身後の武器は刃が仕込まれたヨーヨー。爆弾のプロでもある。バードスタイルは他のメンバーと違い、ピンク色で上腕部と太股を大胆に露出したノースリーブのミニスカワンピースに白いサイハイブーツ姿で、白兵戦では得意なキック技で惜しげもなく白い下着を披露したため、後年発行されたムックではその特集すら組まれていた。
健に人知れず恋愛感情を持っていて、甚平にはたびたびそのことでからかわれている。しかし、なかなか健本人にはそれが伝わらず、そのことで悩んでいたりもする。
燕(つばくろ)の甚平 / G-4号
燕(つばくろ)の甚平 / G-4号
スナックJのウェイター兼料理人で、普段もジュンと一緒に暮らしている。第1話などでは伊賀忍者一族の末裔と自称している。変身後の武器はアメリカンクラッカー。打撃を加えたり、敵に投げつけて動きを封じたりする。未成年だがバギーを運転しており、劇中では「特別な運転免許証を持っている」と語っていた(第85話)。
担当声優の塩屋はこの頃はまだ子役声優で、自身もまさに変声期に差し掛かった時期であったため、第1話と最終話では、声色が変わっている。登場人物(竜)に声変わりを指摘される場面もある(第87話)。本当の誕生日は不明だが、ジュンと出会った日を誕生日と決めていて、「甚平」という名前もジュンが付けたという設定。なお「甚平」という名の由来は企画の鳥海尽三いわく「ぼくのおじさんの名前」とのことである。
みみずくの竜 / G-5号
みみずくの竜 / G-5号
のんびりしているが海で鍛えた怪力を持ち、水中戦や船の操船で活躍する。ゴッドフェニックスの機長も務める。メンバーの中で唯一明確に肉親(両親と弟)が健在である(父の声 - 辻村真人、弟誠二の声 - 野沢雅子)。そのため、南部博士の配慮で戦闘に直接加わることは少なく、G-5号で待機していることが多いせいで目立たない。本人も留守番役に文句を言う描写が多い。しかし、一度戦闘に参加させようとした際はG-5号で居眠りをしていたため、そのことに落ち込みチームをやめようとした。ジョーと同様のエアーガンを持っているが、ほとんど使わず、白兵戦時は専ら怪力一本で戦う。
その他の主だった登場人物
南部考三郎博士
沈着冷静とのイメージがあるが、第34話では「脳波交換システム」の怪光線を浴びてサルの脳波に入れ替わり、奇声を叫んで暴れ回って三日月サンゴ礁の自爆レバーを入れようとした事がある。
レッドインパルス
その正体はホントワール国潜入のため、幼い頃行方不明になっていた健の父、鷲尾健太郎。第53話で健に正体を明かした後、V2計画阻止の為に我が身を犠牲にして有人ミサイルで特攻。ヴァンアレン帯を押し戻して地球を救った。
後に3作目『F』(第46話)では細胞破壊に苦しむ健の夢に登場する。
アンダーソン長官
ベルク・カッツェ - ギャラクターの首領
その実態は総裁Xによって、男女の双子として生まれるはずの二人の人間を掛け合わせた雌雄同体のミュータントである。ヒマラヤ山脈麓の寒村で生まれたが、幼少期は細胞が安定せず、ほぼ一年ごとに性別が入れ替わっていたため、奇異や嫌悪する人目を避け、隠れるように生きてきた。思春期が過ぎ、成長が安定した頃には自分の意思で性別を入れ替えることが出来るようになっていた。IQが280と相当に高いのも、二人分の脳細胞を持つから、という説明がなされている。
望まぬ姿でこの世に生を受け、奇異の目や揶揄に晒され続けたために強い劣等感を抱き続けてきた。己の運命を受け入れるためには「自分は選ばれた特別な存在」と信じ、思い込み、それを肯定・証明する必要があった。
その意思は正義ではなく悪の道に向けられ、悪の組織ギャラクターの一員となり、類い稀な頭脳を用いて幹部に昇進。やがて首領の地位に就いた。
「デブルスター」という円盤に乗り指揮を執る。概して作戦を立てたり、メカを考案したりする「軍師」的存在であり、作戦の実行は「隊長」と呼ばれるギャラクター隊員の比較的優秀な者に担わせているが、初期には全く別の扮装をして自ら隊長として行動することもあった。
第7話では骸骨怪人の扮装でカッツェンベルヒと名乗り、第10話でも蟻怪人の扮装で(エンディングクレジットではベルク・カッツェのまま)隊長として指揮を取る等している。第7話で自ら鞭を振るってロケットや飛行機を破壊したり、第16話でガッチャマンと取っ組み合いをしたり、第35話で乗っ取った国の大臣を宮殿の窓から投げ飛ばすなど若干の格闘戦を演じたものの、その後は素手での格闘力は影を潜め、ガッチャマンに対しては殆ど無抵抗でボロボロにやられてしまうようになる。
逃げ足が早く、ガッチャマン達も舌を巻いている(メカには必ずカッツェ用の脱出ポッドがある)。ギャラクター隊員を持ち駒・消耗品ぐらいにしか考えておらず、保身の為なら躊躇いもなく切り捨てる。
自らの生みの親である総裁Xの評価を異常なまでに気にしているが、作戦の失敗や失言などで総裁Xに叱責されることが多い。たまに褒められて有頂天になることもある。特に中盤以降になると、ギャラクター隊員達との掛け合いが笑いをとる方向に進むようになり、シリアスな物語中でのコミカルさを演出していた。
それでいてただの間抜けな悪役ではなく、前述のような生い立ちもあり、最終的に総裁Xに見捨てられ自らを滅すシリアスなシーンも描かれる。名前の由来はドイツ語で「山 (Berg)」+「猫 (Katze)」(山猫そのものに相当するドイツ語の単語は Wildkatze)。
総裁X
本作では第21話で登場したヘンジンマン博士によって暴露されそうになるが、最後まで正体は不明であった。宇宙最高の頭脳を自称しており、次々と高度な科学力を背景にした作戦を立案するが、尽くガッチャマンによって阻止される。
本部からは動けないらしいが、姿を現して、ガッチャマンの手中に落ちたベルク・カッツェの危機を救った事がある。最後は、故郷であるセレクトロ星が既に消滅していた事を知り、その真相を探るべくアンドロメダ星雲への帰還を決意し、ブラックホール作戦を遂行中だったカッツェに見限りと礼の言葉を残し、ガッチャマン達の眼前で光り輝く鉛筆型宇宙船で地球を去った。
その正体は4年後の次作『ガッチャマンII』にて明らかになる。
企画段階では「総裁Xは実在せず、ベルク・カッツェが操っていた幻だった」という設定案があったが、アニメではわかりにくいということで採用されなかった。このアイデアは後に『タイムパトロール隊オタスケマン』で陽の目を見ることになる。
科学忍者隊の必殺技
科学忍法竜巻ファイター
忍者隊5人が全員揃っての使用が前提の技だが、発動するだけなら2人以上いれば可能。ただしその場合、発動させた隊員には凄まじい負荷がかかるため、長時間に及ぶ発動は事実上不可能である。
櫓の並び順は、最下段にジョーと竜、二段目に健とジュン、最上段に甚平。略式での発動などの例外時を除き、このフォーメーションの変動は劇中では行われなかった。
原理的には「バードスーツのGバックルに亜空間発生器が内蔵されており、そのエネルギーフィールドから高速回転を得ている。もしくは櫓を組むことによるピラミッドパワーの発生」と二通りの説明がある。
変身後の武器は鳥の形をしたブーメラン(翼に刃が付けられており、投げると回転するのではなく鳥のように滑空して相手に切りつける)。一般的には「バードラン」という名前で呼ばれているが、これは武器の名称ではなく、変身時の「バード ゴー!」同様にブーメランを投げる際に言う掛け声である(“Bird, run!” - 「鳥よ、走れ!」)。なお、本編中では本名は必要最小限のみしか出てこず、専ら名のみ、若しくは通り名で呼ばれている。
普段はあまり金がないらしく、ジュンの経営するスナックでしばしばツケで飲み食いをし、甚平に支払いを求められている。ジュンに恋愛対象としての好意を持たれているが、科学忍者隊の任務を最優先する気持ちと、色恋沙汰にまるっきり疎いため、そのことに全く気がついていない。
リーダー然とした冷静沈着な性格であるが、時に感情に流されて危機に陥る若者らしい面もある。父親である鷲尾健太郎が死亡した際にはギャラクターに激しい憎悪を抱き独断専行に走った。また、第61話や2作目「II」(第14話)で同様にレッドインパルスの偽者のために冷静さを欠いたことが災いしてギャラクターの罠に嵌ってしまう。11歳のとき、母をなくしている。