ゴッドフェニックス
科学忍者隊ガッチャマンⅡ
1978年(昭和53年)10月1日から1979年(昭和54年)9月30日まで放映された。全52話。
放映のきっかけは、本作放映の同年7月にシリーズ第1作を再編集したアニメ映画版ガッチャマンや、当時起こったアニメブーム、さらにはシリーズ第1作の再放送を望む声が多数寄せられ続けたことによる。
第1話の視聴率は25.9%という高い人気(ビデオリサーチ社が調べた、1978年10月新番組視聴率ベスト10の第2位)を獲得していて、1年間の放映後には『科学忍者隊ガッチャマンF』という続編も作られた。
ガッチャマンⅡのストーリー
総裁Xはそこに乗り合わせていた子供を特殊な装置にかけ、3ヶ月程度で大人に成長させる。そしてその子供をギャラクター司令官・ゲルサドラとして仕立て上げ、ギャラクターを復活させたのだった。科学忍者隊の解散は撤回され、前作で命尽きたジョーの代わりに地球防衛軍からホーク・ゲッツが新G-2号として参加し、復活したギャラクターへの偵察を開始する。
だがゲッツは敵のスパイにすり替えられていた。偽ゲッツの手引きで敵のど真ん中に誘い込まれ、窮地に陥る忍者隊だが、偽ゲッツは奇跡的に復活を遂げたジョーによって倒され、ジョーは忍者隊に復帰する。こうして科学忍者隊とギャラクターの戦いが再び始まるのだった。
ガッチャマンⅡオープニング - YouTube
異例のカムバック、アニメ「科学忍者隊ガッチャマンII」 - Middle Edge(ミドルエッジ)
「ガッチャマンⅡ」からの主な登場人物
パンドラ博士
第42話ではリッチマン三世に変装したゲルサドラを見るとテレパシーにも似た妙な感覚を感じるが、その後も度々、ゲルサドラとの間に感覚の共振現象が起こる。
実は未亡人。海難事故で死んだ夫と行方不明の幼い子供がいる。研究畑一筋という訳ではなく、旧ゴッドフェニックスを操縦し、火の鳥を成功させる(第47話)など多彩な才能を見せるが、第50話で我が子と再会したのも束の間、総裁Xに殺されてしまう。
ドクターラッフェル
総裁Xによれば、総裁Xとコンタクトを取って地球を教えた人間で当初はギャラクター創設に協力したが、総裁の目論見を知ると反抗しだし、カッツェに命じて暗殺させたはずだったとのことである。鷹を飼っており、肩によくとまっている。
ジョーをサイボーグ化した際に、総裁Xを倒すための仕掛けを施した。また、ジョー以前にもその実験台としてサイボーグ手術をしており、第25話では海中にサイボーグコロニーができるほどの数のサイボーグが生活していた。
第49話にて居場所を突き止められ、総裁Xの秘密と居場所を健に教えようとするも、ギャラクターの白スーツ隊員の凶弾により殺された。
ゲルサドラ
カッツェと同じくミュータントである。50話で総裁Xからある人物の「息子」と言われており、そこから考えれば性別は男性となるのだが前述の染色体の影響からか、成長時の肉体を見る限り男性器は存在せず外見的には女性の体のようにみえる。また、口に手をあてて笑う仕種等は女性的である。
カッツェのイメージを強く受け継いだキャラクターであるが、更に姑息で逃げ足が速い。「あの愚か者とは違う」とカッツェを嫌っており、第13話では、カッツェが作った基地の彼の部屋を「趣味が悪い愚かな部屋」と評し、壁に掛けられていたカッツェの肖像を払い落として踏みつけたりしていた。
口癖は「失敗は成功の母」「おのーれおのれ!」「飛んで火にいるアホウドリ」「はんぱおろか」「何としてからに!」「おお、こわ!」「なんともかともさってもしっても」など。独特の甲高い声で、公家風の芝居がかった口調が特徴である。
忍者隊に基地や鉄獣を破壊されると、専用の円盤に乗って脱出し「ゲルサドラは不滅だ、覚えておれ〜!」と捨て台詞を残して逃げるのがパターンだった。終盤はゲルサドラの出生と総裁Xが推進するソーラーシフト計画を巡り、ドラマは大きな展開を迎える。
リッチマン三世に変装し国連から帰る途中、偶然目の前にいたパンドラと目を合わせると疑問を感じていた。その後、彼女の前でガッチャマンと激闘している間にゲルサドラとして実体を現す。
ゲルサドラの親である先述の「ある人物」とは、ギャラクターの敵である南部博士の秘書・パンドラであり、ゲルサドラは彼女とその夫・ドメニコ・パンドラ(声:千田光男)との間に生まれた子供・「サミー・パンドラ」である。母・パンドラとは親子ゆえか近くにいる場合、その存在をお互いに感じ取ることができた。第50話で自らの出生を知り、彼女をギャラクターの基地に誘拐して「息子」として再会。
通常の人間の成長速度であれば本来ならまだ幼児であるためにパンドラは当初、何処かで生きていると信じていたわが子と信じることができなかった。しかし、総裁Xによりゲルサドラの成長過程を収めた映像を見せられその事実に愕然とした挙句、ロケット内に閉じ込められ、打ち出されて空中で爆死させられてしまう。それを目の当たりにしたゲルサドラの心の中にXへの憎しみが芽生え、第51話で反旗を翻し、最終回でガッチャマン達をXの居場所へ案内した。
ギャラクターの隊員達の攻撃がもとで重傷を負い、Xが倒された後に一人よろよろと歩いて辺り一面花の広がる場所にたどり着く。そこで地球の美しさに感動し、自分がそれを破壊しようとしたことやこれまで犯してきた罪を悔い、最期は母・パンドラの幻を見ながら彼女の元へと旅立った。死後、その肉体は成長前へと急速に縮んでいき、残された服も風に飛ばされていった。
ホーク・ゲッツ
しかし科学忍者隊に合流する前に殺害され、ギャラクターが送り込んだ偽物にすり替わられてしまった。第28話の回想シーンでは死際に復活したジョーと会い、彼に偽ゲッツを追跡するよう言い残した。恋人がいる。なお、忍者隊に合流した偽ゲッツは尊大かつ生意気な口調でメンバーの反感を買っていた。
ニューゴッドフェニックス
ニューゴッドフェニックス
そのためニューゴッドフェニックスでは最初から本体は忍者隊メカの基地として考え、本体に5機の忍者隊メカを収納するシステムに改めた。本体には操縦サポートロボット・パイマーが搭載され、戦闘時に忍者隊全員が出動可能になり、竜が留守番をする必要はなくなっている。収容されているG1号機のサイズから推定すると、全長が旧ゴッドフェニックスの倍以上はある大型な機体である。ちなみに第8話で宇宙用大型ブースターを装着した状態では、全長は320m。重量11400tと設定されている。
初代以上にモチーフの「不死鳥」を強調したデザインとなっており、機首にはズバリ鳥の顔が意匠として施されているが、これは番組スポンサーであったポピーの村上克司のアイデアである。しかし、このデザインは下手をするとタイムボカンシリーズ辺りに出て来そうな玩具的な造形であり、前作のファンは紅白の機体色から「空飛ぶニワトリ」と酷評する等、評判はあまり良くない(一方では同時期に放映されていた『ヤッターマン』のヤッターワンやヤッターキングを意識してるとの見方もある)。ちなみに大河原邦男による初期のデザイン段階では、旧ゴッドフェニックスのリファイン版的な直線的で割合シンプルなデザインだったそうである。
武装は機首部左右に引き込み式になっている10連装式バードミサイル計二基と胴下の4連装機関砲(第31話で使用)。最大速度はマッハ5。空中はむろん、水中や宇宙航行も可能。水中限界深度は旧ゴッドフェニックスの4倍以上の深度一万m以上である(第17話)。また、VTOL機能やGタウンよりの垂直発進も可能(第8話、第44話)。前作と同じく「科学忍法・火の鳥」を使うことが可能で、この状態を再現した真紅のカラーリングの「ニューゴッドフェニックス・火の鳥」の玩具も発売された。バリエーション技の「火の鳥・影分身」も使用可能で第6話にて使用した際は、ニューゴッドフェニックスを中心として各Gメカをピラミッド状に配置しパイマーが操縦するニューゴッドフェニックスが「科学忍法・火の鳥」を行った。
なお、無敵とも思われる「火の鳥」だが、本作ではベルク・カッツェの遺産であるギャラクターの砲撃メカ「メカボルトン(第35話に登場)」に劇中で敗れており(前作の第67話でも一度、空中爆雷で完璧に撃墜されている)、次作『F』では必殺技が「科学忍法ハイパーシュート」に取って代わられることとなる。なお、同機はメカボルトン戦で完全に破壊されている為、ニューゴッドフェニックスは予備機が常にGタウンに用意されていたと見るべきだろう。
次作の『科学忍者隊ガッチャマンF』の第1話で大破したのを機に、主役メカの座をガッチャスパルタンに譲り渡した。
科学忍者隊ガッチャマンF
1979年10月7日から1980年8月31日まで放映。全48話。
ガッチャマンFのストーリー
その頃隕石山の崩壊したギャラクター本部では瓦礫の中に埋もれていた総裁Xの亡骸に残されたメカ部分が活動を始め、あらゆる機械を取り込んで増殖していた。時を同じくして、マフィアのエゴボスラーファミリーは今が好機と世界征服に打って出る。
エゴボスラー対ガッチャマンの初めての対決の最中、突如現れた超巨大鉄獣メカに対しニューゴッドフェニックスは歯が立たず大破してしまう。鉄獣メカを作り出し操っていたのは総裁Xの亡骸から誕生した総裁Zであった。エゴボスラーと総裁Zは利害が一致したことで結託し、新生ギャラクターを名乗ることになった。
ニューゴッドフェニックスを撃墜され、満身創痍の4人(ジョー以外)を救った鴨三郎技師長は彼らをガッチャマン基地へと迎え入れ、新たなる翼「ガッチャ・スパルタン」と新たな武器「ガッチャマンフェンサー」(剣)等を与える。ジョーのエネルギー補給の目処も立ち、健は仲間達とともに三度ギャラクターを迎え撃つ。が、ガッチャマンフェンサーは健の命をも削るという、文字通り両刃の剣であることを5人はまだ知らない……。
引用:wikipedia
ガッチャマンファイター オープニング - YouTube
ガッチャマンファイター エンディング - YouTube
「ガッチャマンF」作品概要
これまでは南部の指令により活動をしていたが、今作では彼が国際科学技術庁長官に任命され多忙な日々を送っていることから基本的に健が活動指揮を執るようになった。それに加えて本作では前作とは異なる設定を加えている。
前二作よりもストーリーを分かりやすくし、主題歌なども全体的に低年齢向けの要素を取り入れている。
各国の人々との交流を描き、より視聴者に親近感を与えた。
メカに搭乗して戦うシーンが大幅に増え、健以外は生身のアクションシーンがあまり見られなくなった(ただし全くないわけではなく、序盤やクライマックスなどでそれぞれのアクションが見られた)。ちなみに本作では科学忍法竜巻ファイターは二度しか用いられていない(第6話、第12話)。
しかし、逆に本編ではマイナスの印象を持つ設定なども発生してしまう。
ジョーの余命という前二作では重要だった要素は、このシリーズに入ってから早々に解決し、本シリーズでは単なる不死身のサイボーグとなってしまった。
メカアクションを重視したせいで、キャラクター関連のエピソードが前作より少なくなってしまった。
三作目ともなるとマンネリ化に陥り、また作画、脚本のクオリティが前作よりも低い回も見られるようになった。なお、この傾向は前作『II』の時点でも既に出ていた。
終盤では主要キャラクター・南部博士の死や、闘いのダメージで細胞破壊に苦しむ健の姿なども描かれ、ハードな展開となった。前作よりも放映期間を1か月短縮した形でガッチャマンは本作でシリーズ終了となったため、後番組『とんでも戦士ムテキング』は1年1か月という放映期間となった。
マンネリ化に陥った本編だが、今までにない設定もある。エゴボスラーが率いる新組織であり、彼が総裁Zと手を組んだ事でギャラクターを襲名する「エゴボスラーファミリー」の存在は前2作の敵組織ギャラクターとは異なり、仲間意識が強いマフィアとして、組織に対する士気や忠誠度も比較にならぬ程高く描かれていた。更にこれまでのギャラクターが主にテロを手段として世界征服を狙う秘密結社だったのに対し、全世界相手に堂々たる軍事行動を用いた点でも異色である。
本作ではアグリカ上陸作戦等、敵侵攻に合わせて科学忍者隊が前線で活躍する展開が見られ、『新造人間キャシャーン』や『コンバット!』のような軍事物の要素も色濃く内包されていた(だが、「主人公は戦争の中での一部隊」との扱いでは忍者隊が戦争の核になり得ず、ヒーロー性が発揮出来ない為、番組後半、敵の活動は従来の暗躍型へと路線変更となった)。なお、余談だがファミリーは伯爵家の略称「エゴラー!」の掛け声で忠誠を表す。
ファミリーのボスであるエゴボスラーは、総裁Xにより人工的に生み出されたミュータントであるベルクカッツェやゲルサドラとは異なり、自らの意思で世界征服を狙い、総裁Zとは部下ではなく同盟者として対等の立場を貫き、その力を利用せんとする誇り高く、野望の強いキャラクターとして描かれた。だが、エゴボスラーのギャラクターはシリーズの敵としては余りにも異色な存在だった事に加え、首領がミュータントではなく普通の人間など、前2作とは大きく異なる点があった。
エゴボスラー役の中田浩二は前作『II』の第14話で客演したことがあり、本作ではかつて前二作のレギュラー役を担当したことのある大宮悌二や寺島幹夫が、別の人物役として客演している。
最高速度は飛行時マッハ5・水中潜航時40ノット。耐熱温度は3000℃。耐えられる圧力は200気圧ということになっているが、第92話では水深2500メートルに到達したこともある。また、第9話で一度だけ宇宙へ脚を伸ばしたことがある。機体下部にVTOLノズルがあり、空中停止や垂直離着陸も可能。
機体上面に開閉式の透明ドームがあり、忍者隊は主にここから出入りすることが多い。コクピットは機体のほぼ中央、ドーム部の下にあり、キャノピーは無く専らビデオカメラからのモニター映像を頼りに飛行・航行する。
武装は機体上面に内蔵された単装ランチャーから発射するミサイル・バードミサイル。被弾時には誘爆防止用にランチャーごと投棄可能。第67話からは、これをより強化・大型化した超バードミサイルの大型ランチャーを、機体下面に二基追加装備した。これは一種の貫通ミサイルで、着弾時撃発だけでなく、時限信管を用いて、敵の装甲を突き破った後に遅延撃発させることも可能となった。
必殺技は、文字通りの「火の鳥」状態となって、敵メカ鉄獣の胴を体当たりで撃ち抜く「科学忍法・火の鳥」。だが、これは必殺の技であると同時に空中分解の危険性も孕んだ諸刃の剣である(火の鳥の際には、全ての座席は対Gなどのために前向きになる。普段は機長席・副操縦士席だけが前向きで、他の座席はそれぞれのコンソールの方を向いている)。バリエーション技として、火の鳥を発動させた後、各Gメカの合体を解除し、各機が炎に包まれた状態で体当たりを行う、「火の鳥・影分身」がある(第58話で初使用)。
搭載ペイロードのポテンシャルはかなり高く、第42話では外装をギャラクターの輸送機風に偽装して、200名余りもの囚人を収容した時もある。
物語の開始当初は、忍者隊はギャラクターの本部発見が最優先事項とされ、任務中の積極的な戦闘は厳しく禁じられていたため、本機の全武装には、G-1 - 4号までの全てがG-5号と合体し、科学忍者隊が全員本機に搭乗していて、なおかつ南部の許可が必要、という、厳しい使用制限が課せられていた。これを象徴するかのように、バードミサイルの発射ボタンには、普段は乱用防止のためのスライド式透明カバーが取り付けられている。
ただし、全Gメカが合体してさえいれば、バードミサイルの発射自体は可能であるため、劇中ではこのカバーを叩き割って、無理矢理発射ボタンを押そうとする場面が多々見られた(これはたいていジョーの役回りだが、普段はこれを止める健もたまにやっていた)。さらに緊急措置としてG-1号が未合体の際に、ジュンのヨーヨーで配線を短絡させてバードミサイルを放ったこともある(第52話)。
しかしギャラクターの破壊活動は次第に激しさを増し、攻撃開始の判断が遅れることで生じる都市への被害や忍者隊自体の危険も大きくなっていったため、まもなく忍者隊の独断で攻撃を行えるようになった。
だが、その後もギャラクターの鉄獣メカは強力化し続け、本機が撃退、あるいは撃墜されることも度々起きるようになってきた。そして第67話『必殺! ガッチャマンファイヤー』において、合体鉄獣「クラゲメカ」の猛攻により、ついに本機は全Gメカと共に完全に破壊された。この事態を重く見た南部は、本機の二号機、及び各Gメカの再建造の際、各機に新武装の追加・装甲強化を改めて施し、結果、本機はもとより各Gメカさえも、単体で立派に鉄獣メカと戦えるだけの戦闘能力を獲得することとなる。
このように、「正義の味方」が操るメカニックとしては、意外にも弱い部類に入るが、メンバーの勇気と機転、南部博士による一時的強化(対放射線用特殊皮膜の塗布など)で数々のピンチを乗り越えていく。
なお、続編『ガッチャマンII』ではニューゴッドフェニックスに役目を譲って引退し、南部博士の別荘に保管されていたが、『II』第47話ではパンドラ博士の操縦で再度登場、新旧ゴッドフェニックスによるダブル火の鳥を披露している。