川原由美子が描いた少女群像集『花盗人たちの夜』
2018年6月13日 更新

川原由美子が描いた少女群像集『花盗人たちの夜』

はかなげな少女はいつの時だって私たちの心を奪いますね。川原由美子が描くのはそんなはっ!とさせられるうつくしい少女たち。元気でお転婆でときにはか細いほどに、繊細。どんな少女の姿をわたしたちに見せてくれるのでしょうか。今回の作品はこちら、『花盗人たちの夜』。

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川原由美子さんといえば!

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漫画作品は、1983年から1986年に『別冊少女コミック』(小学館)で連載された。全39話。1985年に第31回小学館漫画賞少女部門を受賞。単行本はフラワーコミックス(小学館)から全10巻が、文庫版はソノラマコミック文庫(朝日ソノラマ)から全6巻が発売された。

テレビドラマは、1987年にフジテレビ系列で放送された。
 (2018835)

ですね!
今回クローズ・アップしたい作品はこちらです!

花盗人たちの夜

 (2017555)

プレイボーイの生(せい)は、恋人の絵留(える)と大喧嘩をしてしまい、絶不調の身体をひきずり、夜の街を歩いていると、花を抱えて歩く、ひとりの少女に出会う……。
週刊少女コミックに掲載され話題を呼んだロマンチック三連作。表題作ほか「ストリート・キッズ」を収録。川原由美子傑作集、待望の二巻です。

〈第一夜〉金木犀の踊る夜

小学館『花盗人たちの夜』p26  1984.6 (2018559)

via 小学館『花盗人たちの夜』p26  1984.6
夜道に一人の花を抱えた少女に声を掛けたものの、その少女は花ドロボーだったのだ。なりゆきでついていくと、無邪気に振る舞う少女がかまってやらないでしなせてしまった妹の姿を重ねる。そして生はなぜ、あちこち女性に手を出さずにいられないのかをその妹の死につながることに気づく…。

女に手を出さずにいられない理由が妹の死とは……しょうじき小せぇな!カーッ(゚Д゚≡゚д゚)、ペッ
とツッコんだのはここだけの話に。な?おまい……それだけじゃねえだろ?な?とか思ったのはここだけの…(以下略)
とりもなおさず、自尊心を失った男性(病人であるなら格段に落ちますよね)が、いたいけな少女に“恋人がいたのはかえすがえすも残念です――”と言われちゃ、男としての沽券も持ち上げなきゃ少女に対して申し訳ないもの。
いつまでも恋人さんを大事に……。
とぼのぼのさせる物語でした。

<第二夜>センチメンタル・ラブタイム・ぶるうす

小学館『花盗人たちの夜』p51  1984.6 (2018562)

via 小学館『花盗人たちの夜』p51  1984.6
モデルの珠恵(じゅえ)は、大手カメラマン篠沢(しのさわ)の恋人。彼に愛されるために、大人の姿を装っている。そこへ三年前にその篠沢の助手をしていた今村が、アメリカから帰ってきた。が、珠恵に出会って開口一番に出て来た言葉が、「老けたなぁ!!」。センセーショナルな再会から、珠恵は今村に振り回されて……。

こういうの嫌いじゃないです!(◍´ಲ`◍)
どう見てもステータス面では勝ち目はないのに、3年前に一目ぼれした子を忘れられず……しかもその子の素のままの魅力をみとめてじんわりと好ましいとさえ思ってくれる!
やはり、「オレはこういう女性が望みなんだ、君はなってくれるか?」と光源氏的なモラハラ男性より「そのままの君が好き」と言ってくれる男性はほんとに、いいですね!
しかし……その「そのままの君が好き」と素直に言ってくれる男性の本当の魅力を知るには女性もあれこれ経験してわかる魅力なのかもしれません…。

<第三夜>眠れぬ夜の…

小学館『花盗人たちの夜』p101  1984.6 (2018772)

via 小学館『花盗人たちの夜』p101  1984.6
中学生の優等生の女の子は高校受験をエスケープをしてしまう。いい子ちゃんの自分を変えてしまいたくて。一日遊びまわった後、やくざにからまれている花を抱える年上のお兄さんを見つけ、やくざを追い払う手助けをしたことがきっかけで、お兄さんの仲間たちが集まる送別会に入り込む。すてきな大人たちの仲間を目の当たりにし、少女は生まれ変わるのにふさわしい一日だったと満足。そして帰り道すがらお兄さんに“目覚めるのを待っている眠り姫なんだね”と言われ、すとんと腑に落ちた少女は誰かの手を待つのではなく、自分の力で目覚めようとしていることを決心する。

これもええ話や……( ノД`)
人と人との出会いは不思議なものですね。思いがけない言葉をもらってそれを糧に、生きれるだけの力をもらっちゃうこともある。そんな出会いはとても素敵!!!

ストリート・キッズ

小学館『花盗人たちの夜』p184  1984.6 (2018785)

via 小学館『花盗人たちの夜』p184  1984.6
ロンドンの街に君臨する悪ガキ集団―“ストリート・キッズ”―スリにペテンにかっぱらい、こどもたちとの共同生活。今日もちょっくら失敬し、イザコザあったそのあとペテンの現場で再会……さあ大変!!顔面蒼白……ところがうまくだませおおせたと首尾よく500ポンド頂く。が、相手が一枚上手。ストリート・キッズたちの命運いかに。

はい。このセリフですよ。
元締めのママンの〆の一言。
“あたしがふつーの男にホレるわけないでしょ”
かっくいいぃぃ!むしろそこんじょらのしめじ男よりこちらのママンさんについていっていろいろとレクチャーされたいものです!
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