『あさきゆめみし』実は“三高”だった源氏の君の恋愛遍歴を探ってモテてみましょう
2020年2月29日 更新

『あさきゆめみし』実は“三高”だった源氏の君の恋愛遍歴を探ってモテてみましょう

源氏の君はさまざまさまざまな女性を愛してきました。義理の母である、藤壷、年上の六条御息所、正妻の葵の上、行きずりの恋の相手・夕顔、不美人な末摘花、 朧月夜、流罪にされ出会った明石の御方、朝顔の姫君、玉蔓、秋好中宮(六条御息所の娘)、おっとりとした花散里、空蝉、三ノ宮などと遍歴の多かった 源氏の君はさまざまな美しい(中には美しくない女性を囲いましたが)女性を入れ食いしてきました。そんな源氏の君の魅力に迫りましょう。

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あさきゆめみしとは

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『源氏物語』54帖がおおむね忠実に描かれています。
作者の大和和紀さんが平安朝の生活様式などを詳しく調べ、独自に解釈しその上で緻密に漫画化を実現しており、古典の中でも特にベストセラーな『源氏物語』の世界を漫画という
形で簡易に視覚的描写を助け、古典への興味を持たせた功績は今なお大きいです。
大手予備校の書棚に置かれるなど(!)特に受験生必携の書ともなっています。
また瀬戸内寂聴さんも高くこの物語を評価しております。

あらすじ

身分は低いけれど大変、帝(天皇)に愛された女性(桐壺更衣)がいました。
その女性を妬み、弘徽殿の女御を筆頭に後宮の女性も、虐めます。
更衣は、妊娠し、皇子を出産しますが、元々体が丈夫でなかったこともあっていじめからくる心労などがたたって、病死します。
生まれた皇子は、光輝く美しさから「光る君」と呼ばれるようになります。
これが源氏物語(あさきゆめみし)の主人公・(光)源氏です。
成長した光る源氏は、父帝に新しいお妃を迎えることを知ります。
そのお妃は、亡くなった母・桐壺更衣にそっくりな美しい女性でした。
藤壺の宮と、呼ばれるこの義理の母は、光る君より5歳年上。
意気投合する2人に、お互い、結ばれないと知りつつ惹かれあいます。
そして、元服(大人になる儀式)を果たすと藤壺の君と会えなくなり、源氏の君はこの“寂しい”という感情を恋だと知りますが、
相手は義理の母。叶わぬ思いを引きずり、源氏はさまざまな女性と浮名を流すのでした。

どうして光源氏はモテたの?

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正直、ぶっちゃけて“身分が高かった”ためです。
(源氏は身分の低い女性の元に生まれましたが、父親は当世を司る帝でした。)
わかりやすく言うと、例えばバブル期の男のモテステータスといえば三高(「高学歴」、「高収入」、「高身長」)が罷り通っていました。
源氏物語の舞台となる平安時代では、生まれ持った家柄に依存するため、身分の低い者の美女は身分の高いものに対しては強く拒絶できなかったということもあるのかもしれません。
それだけでしたら悪評になるのですが、この主人公・源氏の君、身分が高くて、弓も和歌も楽器も得意で政治屋(今でいうビジネスマン)で、書にも優れ教養深く神々しいほどの美男子でしたので、女も魅了されずにいられなかったのも一因でしょう。
まぁ、ありえない設定なところがファンタジーですね。(笑)
光源氏は「身分が高い、教養高い、女に欲求するレベルが高い」といった三高でしょうか。

“三高”の光源氏の身の上の内訳話(理想の女を探し求めるわけ)

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幼少の時に恋をした義理の母である藤壺の君が忘れられなかったためです。
幼い頃、共に過ごしていた藤壺の君との思い出がとてつもなく、桃源郷のように、楽しかったためでしょうか。
大人になってからもあの心地よい境地を再び味を占めたかったのかもしれません。
まあ、作品中、藤壺の君と思いは一夜のみならず数回、父親の目をかいくぐって寝たりして想いは遂げられるんですが、
光源氏は生まれ持った美男子の性質をうまく巧みに使って浮気性も相成って、「幻想」を追い続けます。
その背景には、一個の人間が抱えきれない複雑な身分の上(帝の子でありながら身分の低い女性から生まれて臣下に下った、その後の人間関係の確執など)の、知らずに負担があってそれを女性に癒しを求めたのかもしれませんね。

“三高”の光源氏が狙った数々の女性との恋愛

まずはかの有名な紫の上ご紹介したいところですが。
それは後回しにします。
ほぼ全員が美女です。(一人除いて)
バブル期にも「アッシー」や「メッシー」、「貢ぐ君」などといったバブル期の言葉がございますが、
光源氏は己の地位を持ってして、みな平等に健気に足を運び、せっせと和歌の手紙を絶やさず書いたり、贈り物をしたりします。こりゃモテます。

藤壺の宮(日の宮、女院)

元々の初恋の人。
父親の妻。
光源氏永遠の理想にして最愛の女性。
義母相手では恋も叶わず、恋心を紛らすかのように光源氏のヘタレた浮気性には拍車がかかる事に。
長い間光源氏の求愛を退けて来たが、遂に襲われた上に妊娠してしまいます。
そんな不義理を果たしたこともあった光源氏は懲りることなく“理想の最愛の女性”を探し求めるのでした。

葵の上

左大臣家の高飛車お嬢様。
16歳で光源氏最初の妻となるが、素直になれず、ある意味旦那のヘタレ浮気性の要因となった張本人。でも大体光源氏の移り気のせい。
26歳で光源氏の子を身篭り、打ち解ける様子を見せるものの、出産直後、六条御息所に呪い殺されてしまいます。

六条御息所

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