山崎豊子原作『不毛地帯』。政財界の汚職事件を辛辣に、そして赤裸々に描いた大作。
2017年1月25日 更新

山崎豊子原作『不毛地帯』。政財界の汚職事件を辛辣に、そして赤裸々に描いた大作。

公開された1976年には、あのロッキード事件が勃発。その3年後の1979年にはダグラス・グラマン事件が明るみに出て話題になった作品。日本の政財界とアメリカの航空機メーカーとの癒着・贈賄等の汚職を描いた大作をご紹介しましょう。

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娘の直子(秋吉久美子)。
父のことを思い、防衛庁ではなく近畿商事入社を勧める。
幼ささえ感じる若き秋吉久美子さんです。

家族の思い

かつての新安保ネタで自衛隊や防衛庁と関わる父親の態度を非難する。
「ジェット戦闘機なんて要らない」
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家族の葛藤、それぞれの思いも当然あります。
でも、反発しあいながらも親子なんですね。
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親友を交えての家族団らん。

熱き友情

お互いがお互いを思い、目に見えぬ熱き友情を感じるシーンです。
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友よさらば

川又が、久し振りに壱岐と逢った帰途、轢死体となって発見された。事故死か、他殺か……新聞が動き始めた。貝塚官房長は、川又を事故死としてあつかい、自衛隊葬を行わざるを得なかった。葬儀の席上、貝塚に壱岐の怒りが爆発した
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組織としては勝利しながらも、かけがえのない友人を失い虚無感に覆われる主人公。
このあと壱岐は会社を去る決断をするのでした。

3時間というロングシネマではありますが、権力と金を赤裸々に描いた本作は一見の価値ありです。ぜひ本編をご覧ください。

あとがきレビュー

後半も映画化が企画されていたらしいんですが、
山本監督がすい臓がんになってしまって、
実現されなかったんだとか。

仕方ないですね。。。
2013年9月29日に逝去された小説家・山崎豊子氏(1924年11月3日-2013年9月29日)は、日本を代表する作家として、約60年に亘って活躍されました。氏の作品は、初期作品に見られる生地・大阪のいきいきとした風俗描写が特徴的なものから、その後の社会問題に鋭く切り込んだ作品に至るまで、その多くが繰り返し映画やテレビドラマとして映像化されています。氏の生み出した物語は、小説のみならず映像作品としても多くの人々の記憶に焼き付いていることでしょう。
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