漫画「家栽の人」 裁判官・桑田は植物を愛し、罪を犯した少年達へも優しい眼差しで接していましたね。
2016年3月28日 更新

漫画「家栽の人」 裁判官・桑田は植物を愛し、罪を犯した少年達へも優しい眼差しで接していましたね。

小学館・ビッグコミックオリジナルに連載されていた漫画「家栽の人」。裁判官が主人公ですが、法廷闘争や事件の謎解きが描かれる訳ではありませんでした。人間の本質や尊厳に対して問いかける内容で、多くの感動を生みました。

2,975 view

ドラマ化もされた漫画「家栽の人」

魚戸おさむ作画、毛利甚八原作による漫画作品。

家庭裁判所の裁判官が裁判所に持ち込まれるさまざまな人間模様を暖かく見つめる物語。

『ビッグコミックオリジナル』1988年~1996年に連載。小学館ビッグコミックス全15巻。
1993年TBS系列で連続ドラマが、1996年と2004年スペシャルドラマが放映された。タイトルの「栽」は誤記ではなく、植物を愛する主人公のキャラクターにちなむもの。
 (1612303)

第一巻の表紙

各話に名言があり、考えさせられました。

人間の本質に迫った名作

問題を起こして家庭裁判所に送られてくる少年少女に、土いじりの好きな桑田義雄判事が、草木を育てるように愛情を込めて接し、更生を促すストーリーだ。96年1月まで続いた。

バブルに浮かれる日本社会にメスを入れる作品として話題になり、法曹界にも多くのファンを獲得した。

人間の「生き方」に触れる物語

主人公は植物好きの裁判官

 (1613531)

一見、変わり者の裁判官・桑田義雄

※翻訳された画像
原作での台詞は「きっと、いつかわかる。」
この人、お父さんは最高裁判所の長官で、自身は22歳で司法試験合格、司法修習生時代の成績抜群、実務面もその優秀さから既に最高裁からお呼びがかかるというスーパーエリート裁判官ながら、一切の出世を拒否し、自ら地方の家庭裁判所に身を置く道を選び、まわりからは変人と見られています。

さらに、彼は変人と見られる要素がもう一つあります。彼はありとあらゆる草花に精通し、昼休みも寸暇を惜しんで園芸に精を出すくらい、大好きな草花と過ごす時間を何よりも大切にしています(ある意味仕事よりも)。今の時代なら、植物オタクとでも呼ばれていたでしょう。

しかし、彼は、言葉を発しない草花達のはかなく、たくましく生きていく姿に、家族のあるべき姿のヒントを見出しています。
そして、犯罪を犯した少年や、崩壊寸前の夫婦や兄弟に対峙する際、ときにそんな草花の姿をひきあいにだしながら、家族であることの本質を考えさせていくのです(各話のタイトルには植物の名前がついている)。
 (1613530)

職場の花壇や山の中でも植物観察を怠らない。
植物に精通している様子が随所に描かれるている。

珠玉の言葉たち

調査官が担当の少年を憎いと感じてしまったという相談に対して主人公はこう言っている。

「憎ければ、憎めばいいじゃないですか。愛だけで憎しみを消すことはできませんから。」・・・。

その意味は調査官が親身になって関わった少年が、その信頼を裏切る行動を繰り返すとき、調査官がその少年に憎しみを感じてしまう自分の心を否定して悩む必要はない、という意味である。本当に必要なのは、そういう自己否定ではなく、その憎しみを持つ自分自身の心さえ受け入れて、それを超える大人の知恵を探すこと、だとしている。
 (1613547)

確固たる信念を持って、罪を犯した少年達に接します。
「どんなに長い処分を与えても、少年は社会に戻ってくるんです誰かの隣に住むんですよ。
そのときに彼が笑って暮らせる可能性を探すのが私たち裁判官の仕事じゃないでしょうか?」

「街が少年達を育てないで誰が育てるんですか?」

桑田の贈り物が心温まる物語 「ヒトリシズカ」

 (1613515)

少年院の外出行事の最中、係りの隙をみて逃げ出す少年達。
ある少年院で、脱走事件が発生。
大きな問題になり、新聞でも報道される。
主人公・桑田は、そのニュース記事が掲載された新聞を持って電車に乗り、どこかへ向かう。
桑田の傍らには段ボール箱。
 (1613506)

寛大な心で接する少年院の院長
「この二人に、何か食べさせてくれないか。話はそれからだ。」
少年院での、脱走事件の発生に繋がったような外出行事などは、院長の裁量によって決められるのだそうだ。
ここの院長は、見てわかるように人情家かつ剛腹で、こういう行事を積極的にやってきた。行事をやることで、今回の脱走事件のようなことも当然発生しやすくなるのだが、その信念をつらぬく。
その信念とは…
桑田と院長の息子が3年振りの再会。

院長の息子は言う。
「少年院に入ってる人達は、周りから信頼された経験が少ないから、いっぱい信じてもらった思い出を持って、出て行ってもらいたいんだって・・・」
「だからできるだけ、花見とか遠足とかをさせてあげたいんだって・・・」

その考え方に「立派な考えだと思うよ。」と微笑む桑田。
ちなみに院長は桑田の父の後輩。
35 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

80年代~90年代のりぼん歴代連載作がスカイツリーに集結!「250万乙女のときめき回廊」1月9日から開催予定

80年代~90年代のりぼん歴代連載作がスカイツリーに集結!「250万乙女のときめき回廊」1月9日から開催予定

月刊少女漫画雑誌「りぼん」の創刊60周年を記念したイベント「250万乙女のときめき回廊 at TOKYO SKYTREE」が、2017年1月9日~3月31日までの期間限定で開催される。今回、80年代~90年代に連載された人気漫画が東京スカイツリーを彩る。
red | 2,077 view
連載40周年を迎えた「ガラスの仮面」スピンオフアニメが10月からTOKYO MXで放送!

連載40周年を迎えた「ガラスの仮面」スピンオフアニメが10月からTOKYO MXで放送!

今年、連載40周年を迎えたベストセラー少女漫画「ガラスの仮面」のスピンオフアニメ「3ねんDぐみガラスの仮面」が、10月3日からTOKYO MXで放送されることが明らかとなった。累計発行部数5000万部を超える不朽の名作のアニメ版に期待が膨らむ。
「今日から俺は!!」がいよいよ10月14日放送開始!!漫画の第1話ってどんなだったっけ?

「今日から俺は!!」がいよいよ10月14日放送開始!!漫画の第1話ってどんなだったっけ?

80年代から90年代にかけてサンデーで連載されていた“伝説のヤンキー漫画”が実写で蘇る!日本テレビ系列にて連続ドラマ「今日から俺は!!」の放送が決定しました。放送開始は10月14日午後10時30分より。
隣人速報 | 7,064 view
「ベルサイユのばら」作者の短編コミックがKindleなどで一挙配信開始! 今こそ読みたい池田理代子作品

「ベルサイユのばら」作者の短編コミックがKindleなどで一挙配信開始! 今こそ読みたい池田理代子作品

池田理代子の短編作品「あのひとはいま…」「星くずの童話(メルヘン)」「クロディーヌ…!」をはじめとした全10作品の電子配信がスタートしました。扱っているのはKindleストア、楽天Kobo電子書籍ストア、Google Play、iBooks、Yahoo!ブックストア、SONY Reader Storeなどの6電子書店。
『りぼんのふろく「カワイイ」のひみつ』コラボカフェが開催決定!「ちびまる子ちゃん」コースターも登場!!

『りぼんのふろく「カワイイ」のひみつ』コラボカフェが開催決定!「ちびまる子ちゃん」コースターも登場!!

集英社の少女まんが誌『りぼん』の「ふろく」にスポットをあてたムック『りぼんのふろく「カワイイ」のひみつ』をフィーチャーしたコラボカフェ「『りぼんのふろく「カワイイ」のひみつ』コラボカフェwith honto」が現在開催中です。
隣人速報 | 1,235 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト