2017年10月22日 更新

〝昭和の少女たち〟の思い出をあつめて――『夢みる昭和語』が発売(三省堂)

お手伝いもいたずらもいっぱいやった。たくさん叱られ、たくさん愛された。おとなも子どもも健気だった時代がよみがえる…。あなたのいた「昭和」が、ここにあります。(松村由利子・歌人)

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女性建築技術者の会より、〝昭和の少女たち〟の思い出をあつめた書籍『夢みる昭和語』発売

『夢みる昭和語』

『夢みる昭和語』

懐かしさと新鮮さ――昭和の少女たちからの寄せ書きのように。

「昭和の少女たち」(46人)が子どもの頃の思い出を書いたミニエッセイ集です。
  昭和30年代40年代の日常生活が子供の目線で記された寄せ書きのような楽しい本。

昭和の匂いのする言葉を見出しにした国語辞典風の仕立て。

「あーそーぼ」から「わんわん横丁」まで五十音順に並んでいます。
 項目は短く読み切りなので、ぱらぱらめくって、どこからでも気軽に読めます。
国語辞典風の仕立て

国語辞典風の仕立て

内容はすべて実体験。

 すべて昭和の少女たちの実体験で、名前と地域名(北海道~九州迄)が記されています。
 もしかしたら、同級生の体験もあるかもしれません。そして、あなたの思い出が語られているのかもしれません。

少女たちの生き生きした感性。

 「検便」や「回虫」の話、「トイレに落ちる」話、「初潮」や「赤いごはん」など、ちょっと恥ずかしい話も書かれています。
 「餅つき」や「お月見」などの楽しい行事、「毛糸の巻き取り」や「米のゴミ取り」や蚕の「桑の葉」のお手伝いも。

 「駄菓子屋さん」で至福のときを過ごし、時には「酢イカ」で悔しい思いもしました。
 「空き箱」や「端布」を大事にとっておいて人形の服や家具も手作りしました。
 「井戸のこだま」を聴いたり、「雨垂れ」の音も楽しみ、どぶさらいのあとの「糸ミミズ」も覗きに行きました。
 「近所のお爺さん」にいたずらしたことも。

テーマ別索引で興味のある項目を拾いだして読むこともできます。

テーマ別索引

テーマ別索引

 「ほめられた」がとっても少ない一方で、「叱られた」の項目は多い。
 健気に生きていた昭和の少女たちの内面はこんなところにも現れています。

〝辞典〟とは異なる〝生きた言葉〟の結晶

 既刊の《昭和語》や《昭和語辞典》は、時事的な用語や流行語、世相や社会的事件を扱いがちで、昔の言葉やいわゆる死後を好む傾向があるようです。

 一方でこちらは《日常生活》にピントをあわせています。見出しにある語彙は小型の国語辞典には載っていないようなものも多々ありますが、それらは死語ではなく、思い出のなかにある生き生きとした言葉として登場します。

 語釈というものが割愛されていることも特徴のひとつです。
 わからない言葉や事柄は、身近な昭和人に尋ねれば待ってましたとばかりに貴重な話を聞かせてくれることでしょう。きっと。

書籍情報

 書名:夢みる昭和語
 著者:女性建築技術者の会 編著
 定価:本体1,900円+税
 体裁:四六判/352ページ
 ISBN:978-4-385-36069-0
 発売日:2017年10月20日(金)より(発売日は地域によって異なります)

詳細は下記ウェブページをご覧ください。

光る《女性建築技術者の会》のセンス

 建築系となるとどうしても堅いイメージがあったり、《女性建築技術者の会》の字面を見た瞬間に〝なぜか道路工事を思いだしたわたしのような方〟もいらっしゃるかもしれません。
 しかし実際のところは、
 会が刊行している書籍を見てみると、
 このようになっています。デザインがたいへん良いですね。しかも落ち着いている。
 建築系の書籍というよりかは暮らしの本、という印象があります。


 「夢みる昭和語」についても例外ではなく、《本書は思い出を引き出すための本(一種のグッズ)です》と前置きをしてから以下の紹介がなされています。
 昭和を生きた方は「あっこれ私も体験したことあるわ」「いや、これはオレの記憶とちょっと違うな」とか、自分の思い出とすり合わせながら読むことでしょう。
 地域差や家庭環境の差はあっても、同じような体験も多々あるはずです。この本は読者自身の思い出が加味された時、初めて完成します。そのためにも一つ一つの原稿は極力短くし、見出しの数を多くしました 読者には、「みんなで書いた自分史」のように読んで頂けることを期待しています。
 彼女たちは《暮らしのスペシャリスト》。
 それも雑誌などでよく見かける《より良く暮らしを消費するスペシャリスト》ではなく《よい暮らしを提供するスペシャリスト》です。

 彼女たちの静かな〝語り〟は、我々がそれぞれの昭和へと帰っていくための心地よい道標となってくれることでしょう。
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