当時のギャグ漫画は
ストーリーがあって、ときどきギャグを言って「ずっこける」系
もしくは主人公の行動のみが不条理(がきデカなんかそういう感じ)
というものだったんですが
全ページにわたってドタバタを前面に出すタイプは、初めてかと。
スタティックな場面でコントをかます
そういったシーンもかなりあって
そのリズムが予測できないんです。
ネット上の某所での拾い物なんですが、このきんどーさんの衣装はフレディ・マーキュリーだったんですね。三十数年も経って初めて知る仕込み。他にも色々気づいてないネタがあるんだろなあ。改めて買うか… #マカロニほうれん荘 pic.twitter.com/HXHZurthzD
— Kazume Cat-maniac (@kazume_n) September 1, 2017
とてもわかりやすいドタバタが混在している状態は
今から考えると「ジェットコースタームービー」的なスピード感がありました。
ただトップスピードで流れるのではなく、流れがいきなり止まり、脳内でずっこける感じ。
唐突な場面転換に、突然挿入される理解不能なアクション、
セリフとアクションに脳内がシャッフルされるようなグルーヴ感。
同時期にジャンプで連載されていた江口寿史の「すすめ!!パイレーツ」と並んで
現代のギャグマンガの方向性を決定づけたと論じている人もいます。
ときどき挿入される微エロとパロディ
ギャグ炸裂の途中で挿入されると
微エロでも「おっ」となったりします。
(えっとこれは、自分が汚れちゃったってことかな?)
当時はがきデカと並んで、PTAのやり玉にあがってましたね。
円谷特撮ものを筆頭に、大御所のマンガとか
ロックミュージシャンや当時の流行りのことばなど
知ってる人ならくすくす笑えるものも多かったです。
そもそも主人公3人組の名前が新撰組のパロディですし、
「トシちゃんかんげきーー」も
当時西条秀樹が叫んでた「ヒデキ感激―」のパロディですね。
リアルタイムで観ていて一番目新しかったのは、そのパロディ要素だ。新撰組はもちろんのこと、ウルトラマン(円谷プロの内状っぽいものまで描いている)等の特撮ヒーローもの、いくつかの格闘技やそれらを扱ったマンガやアニメ、モードの正確な戦争もの、学園闘争などの、必ずしも普遍的ではない元ネタを一般人にもとっつきやすいよう処理をほどこし、普遍的なギャグに昇華させて、しかもそれが超絶的にハマっていて面白かった。たぶん現在のパロディマンガの推進役(嚆矢は以前にあったような気がする)であり、「プロの土壌で大っぴらにパロディを使ってはいけない」というこれまでの暗黙の了解を大々的に打ち破った、最初の商業作品ではないだろうか。
比べる作品がない。オンリーワンかもしれない。
どんな絵? 誰の作品に似ている?と聞かれても
どの絵にもどの作品にも似ていない。
このマンガと比べる作品はないんです。
こんな空前絶後の作品が、1970年代後半のあの時代にあったのは
奇跡とも言えるのではないかと。
「マカロニほうれん荘」のページをめくる田中は「この漫画家(鴨川氏)に出会って、僕は今の世界にきたようなもんですからね」と作品の影響を受けて、お笑いの世界に入ったのだと明かした。
漫画「マカロニほうれん荘」が史上最高傑作である理由は、キャラクターの描き分けが完璧だからです。絵柄のことではなく、性格や口癖、ファッションに至るまですべてが描き分けられていました。特に口癖は方言や語尾の変化といった生易しいものではありません。未だその部分で超える物がありません。
— 伊香保万次 (@ikahomanji) February 27, 2016