2017年7月19日 更新
買えばおっぱいに触れる!幻のシングル『泣くなおっぱいちゃん』
「シングルを買えばおっぱいにタッチできる」…。殿方であれば、なんとも興味を惹かれるうたい文句ではないでしょうか?そんなキャンペーンを実際におこなった40年以上前のシングル『泣くなおっぱいちゃん』について紹介していきます。
今も昔も存在するCDの「オマケ付き商法」
あの手この手でCDの販促にいそしむ音楽業界。特に昨今はネットによる音源の配信が主流となりつつある、CD不況の時代。かつてのレコードのように、過去の遺物化するのを何とか防ごうとするかのように、AKBの握手券・投票券をはじめ、さまざまな方策が試行されているのはご存じのとおりです。
AKB握手会の様子
しかし、何もこのようなCDの「オマケ付き商法」は、今に始まった話ではありません。かつて、大ブームになったB'zのベストアルバム『B'z The Best "Treasure"』には特性トランプ(全4種類)が付いていましたし、サザンオールスターズのベストアルバム『すいか SOUTHERN ALL STARS SPECIAL 61SONGS』には、すいか柄のトランクス・パンティーが封入されていました。
そう。何らかの付加価値を楽曲に上乗せするやり方は、昔から少なからず存在しているのです。けれども、今から40年以上前、シングル購入特典に「おっぱいタッチ券」を付けた星まり子のCDを超える衝撃的作品は、今後も現れることはないでしょう。
日活ロマンポルノの女優として活躍していた星まり子
星まり子は70年代に活躍したポルノ女優。芸能界デビューのきっかけは、あの伝説のお色気番組『トゥナイト』(テレビ朝日系)の雛形となった、70年代お色気・低俗番組『23時ショー』。
以降は、『トルコ風呂(秘)昇天』(1974年)、『現代娼婦考 制服の下のうずき』(1974年)、『実録エロ事師たち 巡業花電車』(1974年)、『赤線飛田遊廓』(1975年)、『秘本 むき玉子』(1975年)など、何とも時代がかったタイトルの日活ロマンポルノに何本も出演していました。
実録エロ事師たち(1974年・日活)
1973年(昭和48年)にデビューシングル『泣くなおっぱいちゃん』をリリース
こうした彼女の芸能活動における方向性は、間違いなく、1973年(昭和48年)のデビューシングル『泣くなおっぱいちゃん』によって、方向づけられたと言って良いでしょう。
新人のタレントを何とか売り込むために、奇抜なプロモーションを実践する芸能プロモーターは、いつの時代も存在するもの。けれども、弓道・詩吟・絵画が趣味で、当時22歳のクリスチャンの乙女に、ここまでやらせたのは前代未聞。きっと、恵比寿マスカッツだってこんなことやらないはずです。
レコード5枚で左右どちらか。10枚で両方にタッチできた!
AKB商法が度々議論されている最大の要因といえば、ファンの「複数買い」を黙認しているからに他なりません。大好きなあの娘に何とか総選挙で上位に入ってもらいたい…。何周でも手を握っておしゃべりしたい…。そんなファン心理を巧みに利用して、本来、1枚買えば十分であるはずのCDを何枚、何十枚、何百枚と買わせて、ミリオンヒットを連発している事実に批判が集中しているのは、ご存じのとおりです。
同一楽曲の大量買いはかねてより問題視されている
この『泣くなおっぱいちゃん』における販促の仕組みも、「複数買い」を前提にしているという点では一緒。しかし、その「オマケ」の内容は、「握手」止まりではありません。レコード1枚買うと握手。2枚なら両手で握手。問題はここから。5枚だと左右どちらかのおっぱいにタッチ。10枚だと両方触ってOK。20枚だとキスまでできる!…。新人タレントとは思えない、何とも、身体を張ったプロモーションではありませんか。
このおっぱいにタッチできるとは、何とも夢のある話。
実際には、おっぱいを触らせなかった?
テレビでは即売会の模様が放送され、実際にタッチしている映像が流れていたとの情報もあります。そのVTRを見て、当時、どれほど多くの青少年たちが期待と股間を膨らませていたか…想像にかたくないというものです。
しかし、後年、あるラジオ番組が星まり子に取材したところによると、あくまで「おっぱいタッチ」は話題作りの一環であって、実際にはCDを購入しても、触らせなかったといいます。何とも拍子抜けする話。というか、よくそんな実態のないキャンペーンをでっち上げたものです。
「おっぱいタッチ」が嘘だったなんて…。レコードを買った人が浮かばれません。
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