プロポーションも、既に書いたようにボディと腕のバランスが悪く、加えて、左手首が平手しかないので躍動感のあるポーズなど付けようがない。
武装は、ライフルのストック可動や銃剣の取り外しギミックなど凝ってはいるが、一番の売りのはずのバリアブル・シールドの回転展開も、肩軸へのクリアランス穴が、基本状態でしか確保されていないので、回転させようにも基本以外の角度だと、肩アーマー自体が浮いた状態で違和感のあるシルエットになってしまい、本当に、この程度のギミックのせいで、脇が完全に開かないキットになったのかと思うと、そりゃキットとモビル・スーツの個性を盛り込まなければ売りがないガンプラとはいえど、ここまでデクノボーだと、開いた口が塞がらない。
以前、バンダイのメカニックコレクション版勇者ライディーンを紹介した時に、現代バンダイキットワースト3を「HGABズワァース」「メカニックコレクションライディーン」「RGガンダム」としたが、80年代までのガンダム作品リアルタイム化キットでいうと、このR・ジャジャ、ハンマ・ハンマ、そして『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』(1988年)の「肘が内側にしか曲がらないトリオ」の、ジェガン、ヤクト・ドーガ、サザビーが、ワーストに入るだろうと言い切れる(『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』(1991年)キットは、あえて狙った廉価版キットリリースビジネスなので、ここでは評価から除外する)。
とりあえず、まぁ再現画像での出番も少ないというのもあるので、今回はそのまま素組。
しかし、大河さんには珍しく、合わせ目消しと表面処理はしてある。
塗装は、ピンク部分はシャアピンクに若干オレンジを足した方向で色を作り、マルーン部分はシャアザクの赤茶色を使用。
イエローにはダークアースを少しだけ混色して色味を落ち着かせ、グレー系はニュートラルグレーとガンダムカラーのファントムグレーを使い分けた。
しかし、大河さんには珍しく、合わせ目消しと表面処理はしてある。
塗装は、ピンク部分はシャアピンクに若干オレンジを足した方向で色を作り、マルーン部分はシャアザクの赤茶色を使用。
イエローにはダークアースを少しだけ混色して色味を落ち着かせ、グレー系はニュートラルグレーとガンダムカラーのファントムグレーを使い分けた。
完成したR・ジャジャであるが、一年前の1/144 Zガンダムが、デザイン優先の結果可動領域が確保できず、しかしその代償としてデザインワークスに近い立体を再現できたことを考えると、今回のこのR・ジャジャの「デザインからかけ離れたシルエット」「可動を犠牲にして組み込んだギミックがピント外れ」「デザインを曖昧に咀嚼しているのに、ほぼ動かない他の関節部分」と、余りにも残念な要素が目立つキットになってしまった。
このキットもある意味でギャン系なのだが、思えば最初のガンプラの1/144 ギャンも残念な出来であった。ギャンはHGUCでも、まずは初動でキット化され、その時は誰もがその進化に驚いたが、徐々にHGUCシリーズのフォーマットが浸透化していくに沿うように、相対的に他の後発HGUCの評価が上がっていったという流れがある。
そういう意味では「ドムにハズレなし。ゲルググに当たりなし」という格言にすら入れられないほどに、ギャン系キットにも当たりはなく、ギャンはようやく2016年にHGUCでREVIVE化されて面目躍如を果たし、R・ジャジャの「他人の空似」のR・ギャギャも2014年にHGBFシリーズでキット化された。
そういう意味では「ドムにハズレなし。ゲルググに当たりなし」という格言にすら入れられないほどに、ギャン系キットにも当たりはなく、ギャンはようやく2016年にHGUCでREVIVE化されて面目躍如を果たし、R・ジャジャの「他人の空似」のR・ギャギャも2014年にHGBFシリーズでキット化された。
せめてR・ギャギャの金型を流用したR・ジャジャの発売をと待ち焦がれていたファンは少なくなかっただろうが、今回の『機動戦士ガンダムを読む!』再現画像制作までには、最新型の1/144 R・ジャジャ発売されなかったので、今回は旧キットをそのまま使用した。
市川大河公式サイト
光の国から愛をこめて
フリーランスライター・脚本家・演出家・元映画助監督・制作進行
市川大河が語る、ウルトラマン、ガンダム、日本のカルチャー