食事をするシーンは「濡れ場」だ!
原作者・久住昌之のインタビュー
久住さんは別のインタビューで「食事するシーンは恋愛マンガで言う濡れ場だ」みたいなことをおっしゃってましたけど、谷口さんには、その"濡れ場"を大切にしてほしい、みたいなお願いはされたのでしょうか? 『孤独のグルメ』は、特に「食べている時の表情」がポイントだと思いますから。
谷口さんはベテランなので、そういうのは言わなくても「食べるシーンが見せ場だろう」というのを分かってくれていました。第一、そこを取ったら何もないマンガだしね(笑)。
擬音語や擬態語を用いて、臨場感を演出する漫画では、特にそうした音が「濡れ場」を連想させるように思います。
本作は「食べる」漫画です。「濡れ場」同様、なんとも人間らしい営みではないでしょうか。
本当にひたすら「食べるだけ」で、基本的にオチはなく、食べたものがうまいとも限らないし、食べてる途中で食べる事を放棄することもある。
しかしいい体の哀愁漂う中年男、ゴローちゃんの風貌や言動、台詞まわしや食べっぷりには何とも言えない味があり、愛読者や中毒者は多く、ネット上でもさかんにネタにされている。
お酒とおつまみにまつわるコラムも面白いです