カセットテープAXIA(アクシア)×斉藤由貴
斉藤由貴の曲、『AXIA~かなしいことり~』を語るには、まずカセットテープのブランドAXIA(アクシア)との切っても切れない両者の関係について説明しなければならない。
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AXIA(アクシア)ブランドも1985年に誕生。
磁気テープのパイオニア的存在であった富士フイルムだが、カセットテープにおいてはTDK、ソニー、日立マクセルの3強に大きく水をあけられていた。
そこで1985年それまでの「FUJI CASSETTE」ブランドを捨て、「AXIA」ブランドで再スタートを切った。
そこで1985年それまでの「FUJI CASSETTE」ブランドを捨て、「AXIA」ブランドで再スタートを切った。
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徹底したユーザー調査を実施し、ブランド志向がまだ低いカセットテープを使い始めの中高生にターゲットを絞ったAXIAはイメージキャラクターにデビュー間もないアイドル斉藤由貴を起用することを決めた。
記念すべきAXIA初代CMソングに起用されたのは、タイアップを強く意識して「AXIA」の文字をタイトルに含めた『AXIA~かなしいことり~』であった。
この曲はシングルカットされてはいないが、1985年6月21日リリースのデビューアルバムに収録され、そのアルバム名は『AXIA』である。
後にリアレンジされ、12インチシングル「土曜日のタマネギ」のB面に収録されている。
この曲はシングルカットされてはいないが、1985年6月21日リリースのデビューアルバムに収録され、そのアルバム名は『AXIA』である。
後にリアレンジされ、12インチシングル「土曜日のタマネギ」のB面に収録されている。
【CM動画】カセットテープ「AXIA」 斉藤由貴『AXIA~かなしいことり~』
初々しい斉藤由貴の可愛らしさと、アニメキャラによる「うれしいよ~」が印象的。
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作詞&作曲はメランコリーの女王『銀色夏生』
この『AXIA~かなしいことり~』の作詞・作曲は共に銀色夏生(ぎんいろ なつを)。
編曲は『卒業』と同じく武部聡志。
銀色夏生は、心に雨を降らすメランコリーな詞を書かせたら右に出るものはいない女性詩人である。
男女の視点の違いはあるが、その能力は大沢誉志幸の『そして僕は途方に暮れる』(1984年)の作詞でも存分に発揮されていた。
編曲は『卒業』と同じく武部聡志。
銀色夏生は、心に雨を降らすメランコリーな詞を書かせたら右に出るものはいない女性詩人である。
男女の視点の違いはあるが、その能力は大沢誉志幸の『そして僕は途方に暮れる』(1984年)の作詞でも存分に発揮されていた。
そして僕は、途方に暮れる / 大沢誉志幸
作詞:銀色夏生
作曲:大沢誉志幸
1984年9月21日リリース
大沢誉志幸5枚目のシングル。
福山雅治、甲斐よしひろ、佐藤竹善、NOKKO、中森明菜など数多くのアーティストにカバーされた名曲である。
作曲:大沢誉志幸
1984年9月21日リリース
大沢誉志幸5枚目のシングル。
福山雅治、甲斐よしひろ、佐藤竹善、NOKKO、中森明菜など数多くのアーティストにカバーされた名曲である。
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爽やかなCMと裏腹に惨い歌詞だった『AXIA~かなしいことり~』
明るく軽快なタッチのカセットテープ『AXIA』のテレビCM。
斉藤由貴の清純そうなルックス・癒し系の美声・素朴な歌い方。
メロディだって爽やかだ。
こうした印象もあって、甘酸っぱい恋愛を描いた歌かと思って全編を聴くとその幻想は木端微塵に砕かれる。
斉藤由貴の清純そうなルックス・癒し系の美声・素朴な歌い方。
メロディだって爽やかだ。
こうした印象もあって、甘酸っぱい恋愛を描いた歌かと思って全編を聴くとその幻想は木端微塵に砕かれる。
ごめんね 今までだまってて 本当は彼がいたことを
言いかけて言えなかったの 二度と逢えなくなりそうで…
ん?えっ?
彼氏がいたことを黙っていた?
ええええええええ!
冒頭から可愛らしい声でピュアな男子のハートを殴りつける。
彼氏がいたことを黙っていた?
ええええええええ!
冒頭から可愛らしい声でピュアな男子のハートを殴りつける。
今ではあなたを好きだけど 彼とは別れられない
それでもあなたを忘れない ふたりは迷った ことりね
「好き」と言ってくれながら、彼と別れてくれない…
勝手で一方的な気持ちを伝えながら、「ふたりは迷った ことりね」なんてどこか引いたスタンスを見せる彼女。
『わたしは』ではなく『ふたりは』としているあたりが小憎らしい。
勝手で一方的な気持ちを伝えながら、「ふたりは迷った ことりね」なんてどこか引いたスタンスを見せる彼女。
『わたしは』ではなく『ふたりは』としているあたりが小憎らしい。
打ち寄せる波から逃げて あなたの腕に抱きついたのに
なぜ見つめたら目をそらすの いつものようにふざけていて…
いやいやいや
「実は彼氏がいたの」と言われて、いつものようにふざけられる胆力をもった男などそうそうおるまい。
むしろ、こんな吐露のあとにこんな行動を取れる女性は『小悪魔』を超えて『魔性の女』の域かもしれない。
「実は彼氏がいたの」と言われて、いつものようにふざけられる胆力をもった男などそうそうおるまい。
むしろ、こんな吐露のあとにこんな行動を取れる女性は『小悪魔』を超えて『魔性の女』の域かもしれない。
いつまでもこうしていたいけど 帰れないけど帰るわね
これから誰を愛しても ふたりは胸が痛いのね
「帰れないけど帰るわね」
なんと、冷たい言葉であろうか。
そして、「ふたりは胸が痛いのね」
なぜかここでも『ふたり』と言い張る彼女。
胸が痛いのは圧倒的にこの男性である。
なんと、冷たい言葉であろうか。
そして、「ふたりは胸が痛いのね」
なぜかここでも『ふたり』と言い張る彼女。
胸が痛いのは圧倒的にこの男性である。
優しい言葉とため息で そっと私を責めないで
優しい言葉とため息で そっと私を捨てないで
これだけ酷い仕打ちをしておきながら、身勝手なセリフを残して去る彼女。
でも…
可愛いんだろうなぁ。
怒れないんだろうなぁ。
好きなんだろうなぁ。
恨めないんだろうなぁ。
彼の元へ帰るとわかっていながら、『優しい言葉とため息』しか返せないこの男性の気持ちを考えると、胸が締め付けられる。
一言で表現すれば「二股かけてごめんね。」という歌なのだが、歌詞が進むほどにどうしようもなく切ない思いが込み上げてくる。
でも…
可愛いんだろうなぁ。
怒れないんだろうなぁ。
好きなんだろうなぁ。
恨めないんだろうなぁ。
彼の元へ帰るとわかっていながら、『優しい言葉とため息』しか返せないこの男性の気持ちを考えると、胸が締め付けられる。
一言で表現すれば「二股かけてごめんね。」という歌なのだが、歌詞が進むほどにどうしようもなく切ない思いが込み上げてくる。
歌詞に注目して聴こう『AXIA~かなしいことり~』斉藤由貴
斉藤由貴 「AXIA~かなしいことり~」フル
耳障りの良い透き通った声が切なさを倍増させる。
他の歌よりも、淡々と歌っている風に感じるがこれは意図的なものなのだろうか。
他の歌よりも、淡々と歌っている風に感じるがこれは意図的なものなのだろうか。
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同年4月には『スケバン刑事』で連続ドラマ初主演し、人気を不動のものにした。