種のサイクルを表す「春夏秋冬」は、私たちがいかに農作とともに人生を歩んできたか、が分かる言葉。
2017年1月11日 更新

種のサイクルを表す「春夏秋冬」は、私たちがいかに農作とともに人生を歩んできたか、が分かる言葉。

2017年になり、新たな1年が始まりました。ところで1年の四季を「春夏秋冬」と言いますが、この由来を気にしたことはありますか?これ、種のサイクルなんです。「春夏秋冬」は私たちがいかに農作とともに人生を歩んできたか、が分かる言葉だったりもするのです。

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2017年になり、新たな1年が始まりました。
ところで1年の四季を「春夏秋冬」と言いますが、この由来を気にしたことはありますか?これ、種のサイクルなんです。

「春夏秋冬」とは種のサイクル

春は「植物の命が『張る』様」。

春は「植物の命が『張る』様」。

夏は「植物がモリモリ『盛』り茂る、『満つる』様などから...

夏は「植物がモリモリ『盛』り茂る、『満つる』様などから変化したとも。

秋は「種子が実って飽和状態になる『飽き』てくる様」。

秋は「種子が実って飽和状態になる『飽き』てくる様」。

そして種が地面におちて大地に潜り…冬は「命が大地の中で『殖』える」という意味に由来すると言います。

他の説もありますが、とはいえ「春夏秋冬」は私たちがいかに農作とともに人生を歩んできたか、が分かる言葉だったりもするのです。

冬から春に向かう季節に行われる民俗芸能は五穀豊穣や子孫繁栄、無病息災などを願うもの

今は冬から春に向かう季節ですね。寒い大地の中で命が殖えて、春に大地の上に張り出してくるそんな時期に行われる民俗芸能は、五穀豊穣や子孫繁栄、無病息災などを願って神様をお迎えして行う神楽が特徴的です。富をもたらしてくれるカミサマですね。

このカミサマの中には鬼もいます。仏教的な地獄の鬼ではなく、日本古来の「隠(オニ)」由来のカミサマ。普段は姿を見せない隠れた存在が、この時期に私たちの前に姿を現すのです。

国から重要無形民俗文化財に指定されている「遠江のひよんどり」なる正月行事(浜松市)

例えば、静岡県浜松市に伝わる鬼は、まさにそんなオニ。
浜松市内には国から重要無形民俗文化財に指定されている「遠江のひよんどり」なる正月行事があります。400年ほどの歴史があると言われるこの祭り、新年に行なわれる豊作祈願の予祝(ヨシュク)行事の一つです。

寺野ひよんどり

1年間の豊穣を農作業を始める前に祝う「予祝」

予祝とは、その1年間の豊穣を農作業を始める前に祝うこと。祝われたカミサマが「接待してくれたし、じゃあ今年は豊かにしなくちゃだね」と思って実りを約束してくださるという、なんとも日本的な呪術です。

この「ひよんどり」は、「火踊り」が訛ったものらしいのですが、では誰が登場するかというと、鬼です。「鬼の舞」という演目の中で、赤・青・黒の鬼が松明の火を激しく乱打する…と言うよりは手にしたオノで松明の火を打ち消す様を「火踊り」と呼び、それが訛ったようです。鬼のほかにも数多くの演目がありますがこの3匹の鬼による火踊りが重要だったのでしょう。

このように寒い時期に姿を現し、新しい年の実りをもたらしてくれる鬼。

春くるオニは神様です。
あ、でも、節分の鬼はまた違う鬼ですので、これはまた別の機会にでも。
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