「職人」あすなひろしの代表作
作者は、あすなひろし。氏の最も知名度の高い代表作とも言われているようですね。筆者も子どもの頃、週刊少年チャンピオンへの掲載で氏を初めて知ったように思います。
氏のデビューは59年の「まぼろしの騎士」(少女クラブ冬の号)ですから、作家歴20年を経てからの「代表作」は決して早くはない、「青い空を、」は積み重なった円熟を見れる作品ですね。
あらすじ、といいますか、、主人公とヒロイン
ちなみに第1巻の表紙の折り返しの“著者近影”下の紹介〈週刊少年チャンピオン編集部「30ページ与えるけに読み切りをかけ」あすなひろし「はい」「マーマーだったからシリーズにする。次、はよかけ」「はい」「あのね、シリーズっていうのは、せめて月一回は載せるものなのね、はよかけ」「はいっ」「今度おくれたらムチぞ」「うれしい」「だいぶたまったから単行本(コミックス)にしてやる」「うれしい」〉、、続きはのちほど紹介いたします^^
先ほどの第1巻の表紙画は、頭身はそう低くないと思われるも、少しギャグタッチ寄りのツトム。
この2巻の表紙の右の男の子もツトムです。大人っぽいけど、別に大人になったツトムではありません。飽くまで中学生、、^^
左の女の子はヨシベエ、今作のヒロイン。ヨシエだけど、ツトムからはヨシベエとしか呼ばれません。ツトムの幼馴染みで秋波を送っておりますが、憎からず想っているくせに、ウブなツトムくんの反応はいまいち、、^^;
1、2巻とも、後のキャラクターたちはギャグタッチ寄りですね^^
読み切り「青い空を、白い雲がかけてった」
ツトムたちのクラスに転校生がやってきます。リョウこと及川諒。
そんなリョウとの短い交友も、去りゆく夏と終わる。建設現場の持ち場が替わると、教室の黒板の別れの言葉だけを遺してリョウも去って行った。
ツトムは、この夏、少しだけ成長した気がする—
第2話、3話、、シリーズ化
ここまでは、いずれもツトムのクラスに転入生、それもいずれも「リョウ」という転入生がきて、そして短い時間ながらツトムらとの交友があり、そして去って行く、という展開のおハナシです。
シリアス、ギャグ調、変幻自在の画柄とともに、軽快で、それでいてリリカルなストーリーテリングで、人間誰しも持っている哀しさを滲ませた、ツトムの周囲の日常が描かれます。
第2話「風を見た日」の転校生リョウは、大木亮。小さくて一見いつも楽しそうな、豪邸のおぼっちゃま。ガリ勉くんたちは見くびっていたが、テスト成績はトップ続き、、でも厳しい家に、心を許せる友達もいなかったリョウは、「風と話をしていた」。「オレ…やめたんだ/なにもかも…さ/勉強も/親のいう事をよく聞くイイ子になる事も…」。それから休み続きのリョウは、精神病院に入れられたといいます。リョウのさみしさを想うツトム、、まちの人たちにも風が見えます—
第3話「いつか見た遠い空」の転校生リョウは、相良凌という女の子。「凌という字は他のモノよりすぐれていると いう意味/他のモノよりすぐれているこのプロポーションと この美ボウ」と自己紹介するほど。転校生は例によって「毒にもクスリにもならない」ツトムの横へ。なぜかリョウはツトムが気に入り、ヨシベエと全男子生徒の敵意が突き刺さる^^; 翌日から学校にはただならぬお色気旋風が吹き荒れ、張り合って全女子が、凌曰く「仮装行列」の出で立ち^^;;
そんな日々のなか、リョウが三日も休んだのでツトムたちはお見舞いに。すると、本人の派手で自由な雰囲気とは裏腹に寂しい家に。リョウには両親ともおらず小さいときから親戚をたらい回し、いまはこの伯父の家にやっかいになっているという。間もなくリョウはまた転校していくことに、、
おかしな、でもやさしきツトムの周りの人々
独身。この年齢で未婚なことを、ツトムら生徒らに「トシマ」などとからかわれ、
反撃の「抜き打ちテストじゃっ!」が得意技(?^^;)。
しかしからかわれるのも愛情のうち、生徒らに親しまれている^^
ギャグタッチだとこうですが、、
眼鏡を取ると実は、、というパターンというか、実は眼鏡を取らずとも「ド近眼でトシマであるがわりと美しい顔をしている…」(ヨシベエ)。
実は腕っ節も強く、自称「柔道二段剣道三段空手初段オセロ二段」。
中央が、もちろん主人公ツトム
中学3年生