「砂の薔薇 デザート・ローズ」とは?
via sakuhindb.com
「砂の薔薇 デザート・ローズ」は1989年から98年まで連載された新谷かおる先生の漫画です。単行本は全15巻、漫画文庫では白泉社文庫から全8巻で刊行されています。現実世界でも映画やドラマの世界でも今でこそ対テロリストやテロリストとの戦い…という言葉を日本で聞いても「なるほど」と思いますが、この漫画が連載された当時は対テロ民間組織はなかったそうです。
1993年には東映Vアニメ『砂の薔薇(デザート・ローズ) 雪の黙示録』が発売され、後に2008年にDVD版も発売されています。
1993年には東映Vアニメ『砂の薔薇(デザート・ローズ) 雪の黙示録』が発売され、後に2008年にDVD版も発売されています。
「砂の薔薇 デザート・ローズ」の最大の魅力!
新谷先生の描く緻密な武器や戦闘機の描写
新谷先生の描く武器や戦闘機のリアルさは本当に凄いです!軍事専門家をも唸らせる知識で銃火器や装備品を細かなディティールで描かれています。
上品さ漂うエロティシズム
via www.amazon.co.jp
「砂の薔薇」で描かれる女性たちはみんな美人でとても美しい身体を持っています。そしてマリー率いるディヴィジョンMは女性だけの部隊ということもあり、時に素っ裸に近い状態で任務を遂行することもしばしばあるのですが、裸のシーンや下着のシーンでも変ないやらしさはなく、むしろ上品に見えるから不思議です。アイリーンなど下ネタ好きなキャラのセリフもすんなり読めてしまうところも魅力のひとつだと思います。
重厚な人間ドラマ
対テロリストの民間傭兵集団のお話ですが、戦闘シーンばかりではありません。テロリストとの心理戦やCATで戦う傭兵たちそれぞれの物語がとても重厚で読みごたえのあるストーリーばかりです。頭でっかちで理想ばかりな新人(ルーキー)や昔は善人だったのに悪に染まってしまった人、愛する者を亡くしてマリーとは違う形で復讐しようとする者など、読んでいると色んな感情が呼び起こされます。
作者 新谷かおる先生とは?
新谷かおる先生は1951年大阪府豊中市生まれで、奥さまも大人気漫画家の佐伯かよの先生です。お二人がご夫婦だと全く知らずに子供の頃からお二人のファンでしたが、ご夫婦だと知って納得!新谷先生の描く女性と佐伯先生の描く女性の色っぽさや艶っぽさにどことなく共通点があるような気がします。
略歴
中学生から漫画を描いており、高校3年の時には篠原とおるのアシスタントを務めながら『少年キング』に投稿していた。当初は飛行機の操縦士を目指していたが、色覚異常が確認され断念。高校卒業後は航空貨物関係の仕事を経て20才で上京し、本格的に漫画の道を志す。
1972年にりぼん漫画賞佳作入選。『りぼん増刊りぼんコミック秋の号』に掲載された「吸血鬼はおいや!?」でデビュー。大和和紀、山岸凉子のアシスタントを経験。
1973年に、同じく『りぼん』にて受賞歴のある佐伯かよのと結婚。1973年3月より松本零士のプロダクション「零時社」に入りアシスタントを2年半務める。零時社を出てから「半年程ブラブラして」描きためた原稿を『月刊プレイコミック』に持ち込み、そのまま1977年より戦場ロマン・シリーズの連載を開始した。
1978年、『週刊少年サンデー増刊号』で史村翔原作「ファントム無頼」の連載を開始。
1979年、『少年ビッグコミック』で「エリア88」の連載を開始。本作と「ファントム無頼」のヒットにより注目を集めるようになる。
1981年、『週刊少年サンデー』で「ふたり鷹」の連載を開始。
1984年、『エリア88』と『ふたり鷹』で第30回小学館漫画賞受賞。