衝撃の鬱展開!子供がやるのは明らかに危険なナムコの異色作『スプラッターハウス』の救いのない絶望を見たか。
2018年3月5日 更新

衝撃の鬱展開!子供がやるのは明らかに危険なナムコの異色作『スプラッターハウス』の救いのない絶望を見たか。

これまで『パックマン』や『ゼビウス』『ドルアーガの塔』など主に明るいイメージがあったナムコが、ホラー映画ブームの真っ只中であった80年代に世に放ったホラーアクションゲームの紹介です。今となっては版権的にやばそうなジェイソン似のマスクを被った主人公が、パンチやキックで館に蔓延る異形の怪物をなぎ倒しながら突き進みます。本作はアクションゲームとして名作であると同時に、世代によっては「欝ゲーの代名詞」とも言える作品でもあります。

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問題点

ここまでの記述からわかるように、全編にわたって徹底した残虐表現と暴力描写が施されており、これまでのナムコ作品の王道であった、カラフルでポップな雰囲気など微塵もありません。
そこら中損傷した腐乱死体や白骨死体だらけだったり生理的嫌悪を覚えるボスのグラフィックなど、そういったものが苦手な人や子どもがプレイするには刺激が強すぎる作品となっています。
元より、ホラー映画(特に本作の内容のようなスプラッター系)がブームとなっていた時代に作られているため、ホラー映画ファンのゲーマーを意識したのでしょう。
いずれにせよこうした残虐表現をふんだんに使ったゲームがゲーセンで一般向けに稼動していたという事実は、規制が今よりも緩かったことを考慮しても異例でした。後のナムコの作品群を見てもこうもバイオレンスな傾向に注力したソフトは皆無といっていいでしょう。

総評とまとめ

ゲームとしてはバランスがよく上達も目に見えて分かります。また個性的な敵やワナの配置、それらをかいくぐる楽しさもあり、プレイヤーの心理をくすぐる演出もあっていろんな意味で飽きさせません。台詞やムービーなどに一切頼らず、ゲームならではの手法で物語を演出しきったスタッフの手腕も素晴らしく、名作としての素質を十分に備えています。
当時のユーザーからも概ね好評を得ており、現在に至るまで変わらずに一定の評価があることからもそのことが伺えるでしょう。
海外でも高い評価を得ており、20年以上経った今でも多くのファンに愛されている作品です。

ただ、ストーリーに関しては「どうしようもなく救いがない」ため、「あの展開さえなければ…」と「むしろあそこまで印象深くさせるための演出は見事」という極端な意見に分かれます。

何はともあれ、『極めて悲劇的かつ救いようのない、絶望感溢れるカラー』を表現しきったこともまた、本作を名作たらしめている大きな要因なのでしょう。

おまけ 派生作品について

『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』パッケージ

『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』パッケージ

もはや別ゲーに…。
『スプラッターハウス わんぱくグラフィティ』(1989年 発売 ファミコン)

ご覧の通り『わんぱくグラフィティ』というサブタイトルがつき内容が大きくかけ離れた作品となっていますが、「主人公はリック・ヒロインはジェニファー」という点は共通しています。
残酷表現に対する規制が厳しかったことや、ハードそのものの制約もあったため、キャラクターとグラフィックがコミカルタッチになり、残虐描写が除かれてアクションも簡潔化された「オリジナルとは別物の低年齢層向け作品」になっていたため、原作ファンからは落胆されてしまいました。
とはいえ、ファミコンというハードとして見れば、おどろおどろしく不気味な雰囲気を醸し出すグラフィック描写やBGMの質は高水準で、単体のゲームとしては全く問題無く楽しめる出来でした。こちらは様々なホラー映画をパロディした演出が特徴で、ボスキャラの大部分が有名なホラー映画の怪物をパロったものとなっており、ホラー映画ファンならニヤリとする部分も多いことでしょう。
『Spllatterhouse』パッケージ

『Spllatterhouse』パッケージ

最上級のレーティング制限!!
『Spllatterhouse』(2010年 日本未発売 PS3/Xbox360)
アメリカ・北米でのみ発売された3D化によるフルリメイク作品です。内容的には、初代をベースに続編の要素も取り入れたリブート的な作品となっており、原作三部作とは関連のない独立した作品となっています。
特筆すべきはすさまじいまでのゴア表現で、発売された地域でももれなく最上級レベルのレーティング制限を受けています。日本での未発売はこれが影響している模様…。
ただ、肝心の内容があまりにもオリジナルからかけ離れていた上に出来がイマイチだったため、ファンからの評価は芳しくありませんでした。
特典として原作三部作が丸々収録されており、ゲームを進めるごとに開放されます。
本稿で記載しております情報は、ゲームカタログ@wikiから引用させていただきました。

出典元はコチラです。
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