via pixabay.com
「プレステージ組」
「ガブンチョライブ組」
「タレントプロデュース組」
「イチオシ組」
と勝ちあがっていくのは非常に困難だった。
①
まず「プレステージ決勝」で上位3組に入ると上位グループである「ガブンチョライブ組」10組との入れ替え戦、「ガブンチョWAR」が行われ、「ガブンチョWAR」の上位10組は「ガブンチョ組」となり、下位3組は「プレステージ組」に降格。
②
「ガブンチョ組」になると、毎週、baseよしもと行われているフットボールアワー、ブラックマヨネーズ、キングコングらが出演している、チケット代2000円の「ガブンチョライブ」に出演。
③
ここで結果を残せば入れ替え戦のない「タレントプロデュース組」に昇格し、単独ライブが行えるようになる。
④
さらに上位の「イチオシ組」になれば、吉本興業が優先的にテレビ等に売り込むことを約束。
もしそうなればプロの芸人と認められるのはもちろん、明日のスターとしての道も開ける。
しかし足軽エンペラーは、「ガブンチョWAR」止まり。
何度も「ガブンチョWAR」に挑戦したが、1度も勝つことはできなかった。
via pixabay.com
そんな月1~3回舞台に上がり、450~1350円のギャラをもらっていた足軽エンペラーにチャンスが訪れる。
毎週火曜日21時から全国区で放送されていた人気バラエティー番組「ガチンコ!」への出演オファーが舞い込んだのである。
メインMCは、ジャニーズ事務所の人気グループ、TOKIO。
街の不良が元世界チャンピオンの指導の下、プロボクサーを目指したり、がけっぷちのラーメン屋の店主が有名ラーメン店に弟子入りして再起を目指すなど、愛と感動、スパルタと暴力が入り混じった人気番組。
そんな番組の中で吉本興業の大先輩、オール巨人を講師に、名もなき若手芸人が日本一の漫才師を目指す「ガチンコ!漫才道」という企画が始まったのである。
山崎亮太は、プレステージに出るために訪れたbaseよしもとの楽屋で
「TBSガチンコ漫才道出場者オーディション」
という張り紙を発見。
そのときは舞台で頭がいっぱいだったので
「あのヤンキー番組か」
と思っただけだったが、ステージを終えて改めて張り紙をみると、西田富男に
「オーディション出るから」
といった。
毎週火曜日21時から全国区で放送されていた人気バラエティー番組「ガチンコ!」への出演オファーが舞い込んだのである。
メインMCは、ジャニーズ事務所の人気グループ、TOKIO。
街の不良が元世界チャンピオンの指導の下、プロボクサーを目指したり、がけっぷちのラーメン屋の店主が有名ラーメン店に弟子入りして再起を目指すなど、愛と感動、スパルタと暴力が入り混じった人気番組。
そんな番組の中で吉本興業の大先輩、オール巨人を講師に、名もなき若手芸人が日本一の漫才師を目指す「ガチンコ!漫才道」という企画が始まったのである。
山崎亮太は、プレステージに出るために訪れたbaseよしもとの楽屋で
「TBSガチンコ漫才道出場者オーディション」
という張り紙を発見。
そのときは舞台で頭がいっぱいだったので
「あのヤンキー番組か」
と思っただけだったが、ステージを終えて改めて張り紙をみると、西田富男に
「オーディション出るから」
といった。
via pixabay.com
オーディションの日取りが吉本興業から電話で伝えられると山里亮太はテンションを上げて、録り貯めた「ガチンコ」のビデオで研究。
西田富男に
「お笑いをナメた芸人になって」
と指示し、オーディションの返答例を書いた紙を渡した。
『どうぞ、お座りください』
「・・・・・・(大股で不愛想に足を開いて座る)」
『コンビ名は?』
「足軽エンペラーっす」
『あなたにとってお笑いとは?』
「しゃっべているだけで金がもらえるもの」
『相方のことをどう思いますか?』
「真面目過ぎ。
お笑いなんて一生懸命やったら笑えない」
という台本をつくってネタ合わせするように練習し、
「全体的に巻き舌な感じで」
「もっとダルそうにしゃべって」
「もっと元暴走族感を出して」
「どうする?
ガムかみながら行く?」
と指導。
オーディション当日、テレビ局のスタッフが5人ほどいる部屋に1組ずつ呼ばれると、まず
「足軽エンペラーです。
警察になりたくないというネタです。
よろしくお願いします」
といった後、3分ほどネタ見せをし、その後、面接となった。
『お座りください』
といわれると、西田富男はダルそうに足を広げて座り、口の中に入っていないガムをエアーでクチャクチャさせ、すべての答えをぶっきらぼうに行った。
次の日、いつものようにネタ合わせに向かう途中、携帯電話が鳴り、オーディション合格を知ると足軽エンペラーはコンビニにビールを買いに行った。
西田富男に
「お笑いをナメた芸人になって」
と指示し、オーディションの返答例を書いた紙を渡した。
『どうぞ、お座りください』
「・・・・・・(大股で不愛想に足を開いて座る)」
『コンビ名は?』
「足軽エンペラーっす」
『あなたにとってお笑いとは?』
「しゃっべているだけで金がもらえるもの」
『相方のことをどう思いますか?』
「真面目過ぎ。
お笑いなんて一生懸命やったら笑えない」
という台本をつくってネタ合わせするように練習し、
「全体的に巻き舌な感じで」
「もっとダルそうにしゃべって」
「もっと元暴走族感を出して」
「どうする?
ガムかみながら行く?」
と指導。
オーディション当日、テレビ局のスタッフが5人ほどいる部屋に1組ずつ呼ばれると、まず
「足軽エンペラーです。
警察になりたくないというネタです。
よろしくお願いします」
といった後、3分ほどネタ見せをし、その後、面接となった。
『お座りください』
といわれると、西田富男はダルそうに足を広げて座り、口の中に入っていないガムをエアーでクチャクチャさせ、すべての答えをぶっきらぼうに行った。
次の日、いつものようにネタ合わせに向かう途中、携帯電話が鳴り、オーディション合格を知ると足軽エンペラーはコンビニにビールを買いに行った。
オール巨人師匠 名言『パンパンやな』
via www.youtube.com
第1回目の収録で集められた数十組の中には、ブラックマヨネーズ、ナイツ、レギュラー、天津、又吉直樹など後の売れっ子もいた。
まずTOKIOが登場すると山里亮太はミーハー心でテンションアップ。
続いてオール巨人が企画の内容や趣旨を説明。
数回にわたって課題を行い、その度に数組ずつ落とされ、最終的に残った1組は優勝賞品として、10日間の単独ライブと冠番組がもらえるという破格の条件。
そして謳い文句は、
「日本一の漫才師の称号は誰の手に」
それを聞いて山里亮太のテンションはMAX。
「1番になったコンビ以外は漫才の世界から足を洗うように」
というオール巨人から与えられた最初の課題は、
「運」
クジを引いて当りなら次の課題に進める。
周りが一喜一憂していく中、ビビった山里亮太は
「富男君行って」
帰り道、当りを引いた西田富男にジュースをおごり
「もし外れてたら、山ちゃんどうしてた?」
と聞かれると、
「あ?」
まずTOKIOが登場すると山里亮太はミーハー心でテンションアップ。
続いてオール巨人が企画の内容や趣旨を説明。
数回にわたって課題を行い、その度に数組ずつ落とされ、最終的に残った1組は優勝賞品として、10日間の単独ライブと冠番組がもらえるという破格の条件。
そして謳い文句は、
「日本一の漫才師の称号は誰の手に」
それを聞いて山里亮太のテンションはMAX。
「1番になったコンビ以外は漫才の世界から足を洗うように」
というオール巨人から与えられた最初の課題は、
「運」
クジを引いて当りなら次の課題に進める。
周りが一喜一憂していく中、ビビった山里亮太は
「富男君行って」
帰り道、当りを引いた西田富男にジュースをおごり
「もし外れてたら、山ちゃんどうしてた?」
と聞かれると、
「あ?」
via pixabay.com
またこの日、山崎亮太は収録中、オール巨人に
「お前、なんやその髪。
漫才やるんやったら、その髪いらんやろ。
明日変えてこい」
と注意された。
1週間後、2回目の収録が行われた。
この日の課題は、オール巨人にネタをみてもらうというものだった。
山里亮太は、
「これを使わない手はない」
と髪型を変えずに収録に参加。
するとオール巨人に
「お前、髪型変えるいうたやろ」
と怒られ
(本気で怒ってる…)
とビビりながら
「いや、毛先を遊ばしてきました」
とボケた。
しかしオール巨人は怒ったまま。
オンエアでは自分のボケがカットされ、怒られて一言もしゃべられなかったことになっていた。
「お前、なんやその髪。
漫才やるんやったら、その髪いらんやろ。
明日変えてこい」
と注意された。
1週間後、2回目の収録が行われた。
この日の課題は、オール巨人にネタをみてもらうというものだった。
山里亮太は、
「これを使わない手はない」
と髪型を変えずに収録に参加。
するとオール巨人に
「お前、髪型変えるいうたやろ」
と怒られ
(本気で怒ってる…)
とビビりながら
「いや、毛先を遊ばしてきました」
とボケた。
しかしオール巨人は怒ったまま。
オンエアでは自分のボケがカットされ、怒られて一言もしゃべられなかったことになっていた。
via pixabay.com
3回目の収録の課題は、
「遊園地で一般のお客さんの前でネタ披露」
で、そのデキによって1組が落とされることを聞かされ、2回目の収録は終了。
足軽エンペラーはいつものように大阪に帰ったが、翌日のネタ合わせの風景を撮るためにスタッフが同行。
足軽エンペラーは、決めていた通りにギスギスした感じでネタ合わせをし、
「俺らが面白いと思っているネタをやればいい」
という西田富男に山里亮太は、
「お客様あっての芸人だろ。
俺たちは壁に向かって漫才してるんじゃない!」
というセリフを決めて、自分に酔った。
そして遊園地で収録の日、
「巨人師匠も昔オカッパだったし」
と思いながらも髪型をジェルでオールバックにして臨み、1番自身のあるネタを行い、見事に生き残った。
「遊園地で一般のお客さんの前でネタ披露」
で、そのデキによって1組が落とされることを聞かされ、2回目の収録は終了。
足軽エンペラーはいつものように大阪に帰ったが、翌日のネタ合わせの風景を撮るためにスタッフが同行。
足軽エンペラーは、決めていた通りにギスギスした感じでネタ合わせをし、
「俺らが面白いと思っているネタをやればいい」
という西田富男に山里亮太は、
「お客様あっての芸人だろ。
俺たちは壁に向かって漫才してるんじゃない!」
というセリフを決めて、自分に酔った。
そして遊園地で収録の日、
「巨人師匠も昔オカッパだったし」
と思いながらも髪型をジェルでオールバックにして臨み、1番自身のあるネタを行い、見事に生き残った。
via pixabay.com
次の課題は
「お題漫才」
で、与えられた2つのお題で即興で漫才を行うというものだった。
収録当日、山里亮太は、タクシーの中でギックリ腰になった。
現場に着くと他のコンビは、立つのがやっとという山里亮太をみて心配するどころか、ニヤニヤ。
残る5組のうち、1組が落とされるという状況の中、山里亮太は
「傷を負いながらオーディションに臨む姿を撮ってもらおう」
と西田富男の肩を借りて、スタッフの周りをウロウロ。
しかし
「頑張ってください」
といわれただけで、本番がスタート。
足軽エンペラーは
「大統領選」
「DVD」
というお題を何とかやり終え、勝ち残った。
「お題漫才」
で、与えられた2つのお題で即興で漫才を行うというものだった。
収録当日、山里亮太は、タクシーの中でギックリ腰になった。
現場に着くと他のコンビは、立つのがやっとという山里亮太をみて心配するどころか、ニヤニヤ。
残る5組のうち、1組が落とされるという状況の中、山里亮太は
「傷を負いながらオーディションに臨む姿を撮ってもらおう」
と西田富男の肩を借りて、スタッフの周りをウロウロ。
しかし
「頑張ってください」
といわれただけで、本番がスタート。
足軽エンペラーは
「大統領選」
「DVD」
というお題を何とかやり終え、勝ち残った。
via pixabay.com
次は
「師匠たちの前でネタ見せ」
という過酷な課題だった。
山里亮太は
「オーソドックスな基本に忠実なネタでいこう」
と多用していた芸能人をディスるボケを捨て、見事、決勝進出。
最終回は、なんばグランド花月で行われると聞いて、もう気分はスターとなり、
「街を歩くと人だかりになる」
「アイドルと付き合う可能性もある」
「もうエロ本立ち読み禁止だな」
「彼女と歩くときは、彼女に数歩後ろを歩かさないと」
と楽しく妄想。
夜の9時のテレビに映る自分に酔いしれながら、合コンで一般女性を邪険に扱った。
そして最後の収録で、足軽エンペラーは見事に優勝し、日本一の漫才師の称号を手に入れた。
「師匠たちの前でネタ見せ」
という過酷な課題だった。
山里亮太は
「オーソドックスな基本に忠実なネタでいこう」
と多用していた芸能人をディスるボケを捨て、見事、決勝進出。
最終回は、なんばグランド花月で行われると聞いて、もう気分はスターとなり、
「街を歩くと人だかりになる」
「アイドルと付き合う可能性もある」
「もうエロ本立ち読み禁止だな」
「彼女と歩くときは、彼女に数歩後ろを歩かさないと」
と楽しく妄想。
夜の9時のテレビに映る自分に酔いしれながら、合コンで一般女性を邪険に扱った。
そして最後の収録で、足軽エンペラーは見事に優勝し、日本一の漫才師の称号を手に入れた。
via pixabay.com
この時点で山里亮太は、まだ大学4年生。
「これでテレビ局から引っ張り凧だ」
「友達がいないけど笑っていいとも!の友達紹介はどうしよう」
などと浮かれまくった。
毎週、テレビ出演したおかげで父親に
「安定した仕事に・・」
といわなくなり、元ヤンで長距離トラックの運転手をしている兄には、ガチンコファイトクラブの出演者に会わせろといわれた。
大学に行けば、人だかりができ、写真を求められ、最初は、
「ええ?僕なんか」
といっていたが、
「ツーショット?
それともワンショット?」
と余裕でいえるようになった。
「これでテレビ局から引っ張り凧だ」
「友達がいないけど笑っていいとも!の友達紹介はどうしよう」
などと浮かれまくった。
毎週、テレビ出演したおかげで父親に
「安定した仕事に・・」
といわなくなり、元ヤンで長距離トラックの運転手をしている兄には、ガチンコファイトクラブの出演者に会わせろといわれた。
大学に行けば、人だかりができ、写真を求められ、最初は、
「ええ?僕なんか」
といっていたが、
「ツーショット?
それともワンショット?」
と余裕でいえるようになった。
矢井田 瞳 - My Sweet Darlin'
via www.youtube.com
関西大学の同学部同級生に矢井田瞳がいた。
大学入学後、19歳でギターを弾き始め、まだデビューしていなかった矢井田瞳は、山里亮太のことを
「背も高いし、赤メガネかけて、おしゃれで吉本の養成所に行っているっていうのも有名で、すごい人気者でオーラもあって目立っていた」
と少し憧れ目線。
一方、大学4年生になって北斗寮の副寮長になり、NSCでもキングコングに次ぐ存在になり
「吉井和哉さんが着てそうな服着てた」
という山里亮太は、友人から矢井田瞳を紹介されたとき
「自分、音楽やってるんだってね。
どっかで会えたらいいね。
じゃあ」
と上から目線。
そして一緒にご飯に行きたいと誘われたが、その日の寮の昼ご飯がカレーで急いで帰らないとおかわりできない時間だったので
「今日はカレーだから」
とそっけない態度で寮に帰った。
そして足軽エンペラーがガチンコ漫才道で優勝した後、矢井田瞳はセカンドシングル「My Sweet Darlin'」が大ヒット。
山里亮太は、
「あのとき紳士的に挨拶できていたら、♪ダーリン、ダーリンが♪山ちゃん、山ちゃんになったのではないか?」
と後悔すると同時に本物のスターの出現に嫉妬。
矢井田瞳がボディガードをつけていると聞くと、後輩にスーツを着させ、自分を守らせた。
彼らのギャラは牛丼の並盛1杯だったが、後に矢井田瞳はボディガードなどつけていないことがわかり、
「大損した」
大学入学後、19歳でギターを弾き始め、まだデビューしていなかった矢井田瞳は、山里亮太のことを
「背も高いし、赤メガネかけて、おしゃれで吉本の養成所に行っているっていうのも有名で、すごい人気者でオーラもあって目立っていた」
と少し憧れ目線。
一方、大学4年生になって北斗寮の副寮長になり、NSCでもキングコングに次ぐ存在になり
「吉井和哉さんが着てそうな服着てた」
という山里亮太は、友人から矢井田瞳を紹介されたとき
「自分、音楽やってるんだってね。
どっかで会えたらいいね。
じゃあ」
と上から目線。
そして一緒にご飯に行きたいと誘われたが、その日の寮の昼ご飯がカレーで急いで帰らないとおかわりできない時間だったので
「今日はカレーだから」
とそっけない態度で寮に帰った。
そして足軽エンペラーがガチンコ漫才道で優勝した後、矢井田瞳はセカンドシングル「My Sweet Darlin'」が大ヒット。
山里亮太は、
「あのとき紳士的に挨拶できていたら、♪ダーリン、ダーリンが♪山ちゃん、山ちゃんになったのではないか?」
と後悔すると同時に本物のスターの出現に嫉妬。
矢井田瞳がボディガードをつけていると聞くと、後輩にスーツを着させ、自分を守らせた。
彼らのギャラは牛丼の並盛1杯だったが、後に矢井田瞳はボディガードなどつけていないことがわかり、
「大損した」