松本の兄 松本隆博 目指すはNHK紅白歌合戦出場
2022年2月13日 更新

松本の兄 松本隆博 目指すはNHK紅白歌合戦出場

弟の七光りどころか、松本人志が「怖い」と恐れる実力派。座右の銘は「やればできる できるしかない」

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松本家は、

祖父、昇次郎
父、譲一
母、秋子
長男、隆博
長女、直美
次男、人志

の6人家族。
長男、松本隆博の1番古い記憶は、幼稚園のときに松本家が兵庫県尼崎市の長洲から潮江に引っ越ししたこと。
兵庫県で1番の高級住宅地といえば芦屋。
その中でもダントツの富裕層が集まる六麓荘町は、山頂上付近。
海側から山側に行くほどリッチになっていくという法則は尼崎にも当てはまり、1番北側を走っている阪急電鉄沿線は高級住宅地街。
南にJR、阪神電鉄と下っていくと庶民的町になっていき、最終的に工場地帯となり、尼崎には海はあるがビーチはない。
松本家のあった潮江は、JR尼崎駅付近にあった。
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大阪と隣接する尼崎は、兵庫県でありながら電話番号の市外局番は「06」
実際、大阪と雰囲気が似ていて利便性は最高。
震災後、再開発が進むと、「住みたい街ランキング」で上位に食い込み、「穴場だと思う街ランキング」では3年連続1位になったこともある。
しかしそれ以前は
「ガラが悪い」
「怖い」
というイメージ強かった。
神戸市灘区に山口組の総本部がある兵庫県は基本的に暴力団事務所が多いが、尼崎もヤクザが肩で風を切って歩き、抗争による殺人事件も起きていた。
「飲む、打つ、買う」がそろい、酔っ払いやすぐにキレるオッサン、歩きタバコ、ポイ捨てなどマナーの悪い人も多かった。

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松本家のあった潮江もアスファルトの道路から少し入ると舗装されていない細い路地が入り組み、お湯を張ったタライに女性が裸で入っていたり、窓から大声で
「田中(角栄、当時の総理大臣)のボケェーッ」
という叫び声が聞こえたり、個性がある人が多く住んでいた。
松本隆博は、繁華街には行くとき、ヤンキーにカツアゲされるのを防ぐため、逃げやすいように靴を履いて、財布は小銭だけを入れてお札は靴下にしまっていた
一方、ヤンキーも団地に自転車を盗みに行って住民に上から包丁を落とされるなど、決してノビノビ生きているわけではなかった。
そういったデンジャラスな雰囲気がある一方、尼崎は気さくで親切な人が多い。
地元愛、尼崎愛が強く、みんな
「アマが好き」
とにかく明るく
「8割の人がボケとツッコミができる」
といわれるほどオモロい人が多い。
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松本家は、お笑いに非常にシビアで
「面白くなければダメ」
が家訓。
食事をしているとき、父、譲一が
「ああ、腹減った。
ああ、でも腹も痛くなってきた。
どうしよ」
とボケはじめても家族は無視してご飯を食べ続けた。
「この矛盾、オオサンショウウオの小さいやつクラスの矛盾や」
とボケ続けたが無視。
「腹痛いけどメシ食いたいし。
出したいけど食いたい。
こうなったらしゃあない」
父、譲一はご飯に正露丸をかけて食べ出した。
「あーうまいなあ正露丸ご飯。
たまらんわ。
おかわり!」
それでも家族は無視し続け、人志に至っては次の食事のとき、父親と時間をズラして1人で食べた。
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祖父、昇次郎の腕には入れ墨が入っていた。
いつも下駄を、それも先に鋼を入れた特注の下駄を履いていて、孫たちに
「なんでそんなんついてるん?」
と聞かれ
「ああ、これか。
・・・・これはな・・・飾りや」
と答えたが、実はケンカになったとき相手を蹴るためだった。
若い頃、北海道に住んでいた昇次郎は孫に
「寒かったで」
と当時の話をしたことがあった。
「なんでも凍るんや。
しょんべんしても下に落ちたらもう凍ってるんや。
じいちゃん、ドラム缶くりぬいて切ってきた木を燃やすんやけど、燃やすもんがなくなてきてなあ。
家の周りにぎょうさん野犬がおって、子犬とか呼んだらこっち来るんよ。
で、しゃあないがな。
その子犬をこうして(首を持って)・・・・」
「エッ!?」
「エェー!?」
「ウワァーなにすんの、じいちゃん」
ショックを受けた孫たちをみて昇次郎は
「ンッ・・・嘘やがな」
と恐らくウソをついて訂正。
昇次郎は人志の名付け親で、人志は
「人を志すって、まるで人じゃないバケモンみたいやないか」
と非常に気に入っている。
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ある日、松本家に親戚がカルピスセットを持ってやってきた。
原液を水で薄めるカルピスは、子供たちにとって最高級飲料。
それが3本セットで、しかも1本は初めてのオレンジのカルピス。
早速、冷蔵庫に水と一緒に入れて冷やし、楽しみにして待っていた。
しばらくすると
「ガッシャンッ」
という音として、松本隆博が台所をみると、割れたオレンジカルピスと床をふく母、秋子、泣き叫ぶ3つ下の弟、人志がいた。
「アーッ待って」
雑巾がオレンジ色に染まっていくのをみて松本隆博は叫んだが、どうしようもなかった。
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松本隆博は、毎日、ギリギリまでテレビをみて、8時27分に弟、人志と共に潮小学校に登校。
早めに登校して校庭で遊んでいる子供を
「元気やのう」
「アホちゃう」
と冷めた目でみながら教室に入った。
松本隆博、人志は、兄弟そろってB型で左利き。
シャワーを浴びると条件反射的にオシッコをしてしまうのも同じ。
礼儀、団体スポーツ、団体行動が苦手。
納得できないこと、意味がないことが嫌い。
人見知りで生意気。
そういう自分の性格を
「タチが悪いのではなく純粋でピュア」
と思っているのも同じ。
そしてそれが人には理解されず
「オレ、嫌われている?」
と思うと悲しくなるのも同じだった。
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尼崎の小学校では、勉強ができるより、走るのが速いよりも、ケンカが強いより、オモロいことが1番エラい。
みんなお笑いに命をかけていた。
お楽しみ会のとき、お笑いを披露するのが当たり前。
人見知りでありながら人前で面白いことをするのは大好きという矛盾を抱えた兄弟、松本隆博、人志も相方を探して漫才をやった。
漫才でいい相方に恵まれなかった松本隆博は
1人でできる落語をはじめ、家族の前でも披露。
(大学では落研に入った)
それをみて母、秋子も負けじと手品を始めたため、一時期、松本家は寄席のようになった。

ダウンタウン18歳テレビ初登場の漫才

松本隆博は

・近所でも評判の「面白い子」だった
・人志が吉本に入ったとき、近所の人は「てっきりお兄さんのほうだと思った」といった

と自分はかなり面白かったと主張している。
実際、素人参加型の公開放送番組「素人名人会」2回出場は、人志の1回を上回っている。
「面白くない人っていないと思うんですよ。
恥ずかしがっているだけ。
それがムカつくんです。
恥ずかしい、恥ずかしいって、なんでそこでフタをするんや!
誰もみてへん思うてやれやって。
そこはまったく人志と同じですね」
(松本隆博)
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また松本隆博は、B’zの松本孝弘と漢字違いの同姓同名で同い年だが、ロックではなくフォークミュージックの大ファン。
質屋で売られていた3000円の白いギターを買って、南こうせつや長渕剛を弾き始めた。
ギターは1日中弾いても全然苦にならないほど好きで、ずっと続けた。
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