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松本家のトイレはクミトリ式で、2、3ヵ月に1回、バキュームカーが吸い取っていた。
松本隆博が小2のとき、学校から家に帰ると、玄関先で悲壮感丸出しの顔で弟、人志が立っていた。
「どうしたん」
「・・・カッカ・・」
「なんて?」
「カパ・・・・」
「なんて?」
「カッパ!」
「カッパってあのカッパ?」
「うん、カッパがな、ウンコしてたらおってん」
泣きながらいう弟、人志によると、ウンコをしていると下で気配がして、股の間からのぞくとカッパが見上げていて目が合ったという。
そしてカッパは片手を腰に当て、もう片方の手で顔にかかったウンコを払っていたと真剣に訴えた。
「それはないやろ」
松本隆博はいったが、以後、2人はウンコをする前に、必ず
「ウンコするでぇ。
どいてやあ」
と下に向かって断るようにした。
松本隆博が小2のとき、学校から家に帰ると、玄関先で悲壮感丸出しの顔で弟、人志が立っていた。
「どうしたん」
「・・・カッカ・・」
「なんて?」
「カパ・・・・」
「なんて?」
「カッパ!」
「カッパってあのカッパ?」
「うん、カッパがな、ウンコしてたらおってん」
泣きながらいう弟、人志によると、ウンコをしていると下で気配がして、股の間からのぞくとカッパが見上げていて目が合ったという。
そしてカッパは片手を腰に当て、もう片方の手で顔にかかったウンコを払っていたと真剣に訴えた。
「それはないやろ」
松本隆博はいったが、以後、2人はウンコをする前に、必ず
「ウンコするでぇ。
どいてやあ」
と下に向かって断るようにした。
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松本家の両親は共稼ぎ。
土曜日、午前中で学校が終わると子供たちは自分で昼飯をつくった。
人志の好物はチキンラーメン&ライス。
マルシンのハンバーグがあれば、ソース、ケチャップ、醤油などをブレンドしオリジナルソースをつくる。
そしてフォークをティッシュでつつんで捻り、洋食屋を演出。
みるのは、いつも吉本新喜劇だった。
土曜日、午前中で学校が終わると子供たちは自分で昼飯をつくった。
人志の好物はチキンラーメン&ライス。
マルシンのハンバーグがあれば、ソース、ケチャップ、醤油などをブレンドしオリジナルソースをつくる。
そしてフォークをティッシュでつつんで捻り、洋食屋を演出。
みるのは、いつも吉本新喜劇だった。
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松本家の食費は母、秋子の担当。
秋子は、朝、ミドリのおばさん(学童擁護員)をやった後、積水化学のセキスイパン工場で勤務。
朝、横断歩道で旗をもって立ち、我が子がやって来ると
「人志!
顔洗ったんか?
ホンマか?
目ヤニついてるで」
といってツバをハンカチにつけて拭いた。
浜田雅功も
「あんた散髪行きや。
もうお母ちゃんカッコ悪いわ。
もうガッソ(髪の毛が伸びて山賊のようになっていること)やで、ガッソ」
といわれた。
秋子は、朝、ミドリのおばさん(学童擁護員)をやった後、積水化学のセキスイパン工場で勤務。
朝、横断歩道で旗をもって立ち、我が子がやって来ると
「人志!
顔洗ったんか?
ホンマか?
目ヤニついてるで」
といってツバをハンカチにつけて拭いた。
浜田雅功も
「あんた散髪行きや。
もうお母ちゃんカッコ悪いわ。
もうガッソ(髪の毛が伸びて山賊のようになっていること)やで、ガッソ」
といわれた。
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秋子は交通安全期間中、ミドリのおばさんとして各学校を回り、表彰を受けたこともあった。
あるとき父、譲一が、
「ワシもやる」
といい出し、2人で一緒に同じ横断歩道に立つようになった。
しばらくしてそれが新聞に載ることになり、新聞記者の取材を受け、日曜日なのに近所の子供を集めて横断歩道で撮影も行われた。
新聞に掲載されたタイトルは
「肝っ玉母さん」
一家の家計を支えるお母さんを称える記事だった。
それをみた譲一は
「ワシが悪者扱いや」
と不満気味。
しかし尼崎市から支払われていた時給は譲一の方が少なかった。
あるとき父、譲一が、
「ワシもやる」
といい出し、2人で一緒に同じ横断歩道に立つようになった。
しばらくしてそれが新聞に載ることになり、新聞記者の取材を受け、日曜日なのに近所の子供を集めて横断歩道で撮影も行われた。
新聞に掲載されたタイトルは
「肝っ玉母さん」
一家の家計を支えるお母さんを称える記事だった。
それをみた譲一は
「ワシが悪者扱いや」
と不満気味。
しかし尼崎市から支払われていた時給は譲一の方が少なかった。
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譲一は、よく転職し、しょっちゅう大酒を飲んで酔っ払って帰っていたので、松本家の子供は
「家の主役はオカン、オヤジは脇役」
と認識していた。
しかし松本隆博は、
「先天的な部分はオヤジ、後天的な部分はオカン」
と人志の芸風、シュールな発想と感覚は間違いなく父親だという。
「家の主役はオカン、オヤジは脇役」
と認識していた。
しかし松本隆博は、
「先天的な部分はオヤジ、後天的な部分はオカン」
と人志の芸風、シュールな発想と感覚は間違いなく父親だという。
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松本家の子供は、世渡りの上手さ、食糧確保能力、そして人の顔の色を見る能力には自信があった。
父、譲一は、さっきまで笑っていると思ったら急に怒り出す、瞬間湯沸かし器のような人だった。
それは理由はあるのだろうが、あまりにも唐突で、松本隆博は何をしたかわからないまま、銭湯で湯船に放り込まれ湯をいっぱい飲んだことがあった。
水面の向こうのユラユラとした父親がニヤニヤと笑っているのをみて
「殺される」
と思った。
子供たちは父、譲一が帰ってきてガラガラと玄関を開ける音や、食事のときに箸を置く音などからキゲンを察知。
欲しいものがあっても絶対に買ってくれないことがわかっているので1度も
「買って」
とねだったことはない。
逆に譲一にドツかれる可能性もあり、ハイリスク、ノーリターン。
松本隆博は、寿司屋に連れて行ってもらっても気を遣って安そうなタコばかり食べた。
人志は自転車が欲しかったがいえず、乗っているフリをして「エアー自転車」で町を走り、ちゃんととエアーでスタンドまで立てて店に入った。
人志作詞、槇原敬之作曲&コーラス、そして浜田雅功が歌う「チキンライス」(2004年11月17日リーリス)の
「♪子供の頃たまに家族で外食
いつも頼んでいたのはチキンライス
豪華なもの頼めば二度とつれてきては
もらえないような気がして
親に気を遣っていたあんな気持ち
今の子供に理解できるかな?」
も実体験から書かれた。
父、譲一は、さっきまで笑っていると思ったら急に怒り出す、瞬間湯沸かし器のような人だった。
それは理由はあるのだろうが、あまりにも唐突で、松本隆博は何をしたかわからないまま、銭湯で湯船に放り込まれ湯をいっぱい飲んだことがあった。
水面の向こうのユラユラとした父親がニヤニヤと笑っているのをみて
「殺される」
と思った。
子供たちは父、譲一が帰ってきてガラガラと玄関を開ける音や、食事のときに箸を置く音などからキゲンを察知。
欲しいものがあっても絶対に買ってくれないことがわかっているので1度も
「買って」
とねだったことはない。
逆に譲一にドツかれる可能性もあり、ハイリスク、ノーリターン。
松本隆博は、寿司屋に連れて行ってもらっても気を遣って安そうなタコばかり食べた。
人志は自転車が欲しかったがいえず、乗っているフリをして「エアー自転車」で町を走り、ちゃんととエアーでスタンドまで立てて店に入った。
人志作詞、槇原敬之作曲&コーラス、そして浜田雅功が歌う「チキンライス」(2004年11月17日リーリス)の
「♪子供の頃たまに家族で外食
いつも頼んでいたのはチキンライス
豪華なもの頼めば二度とつれてきては
もらえないような気がして
親に気を遣っていたあんな気持ち
今の子供に理解できるかな?」
も実体験から書かれた。
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松本隆博が小4のとき、松本家は初めてピクニックへ行った。
しかしそれは午前中に決定、午後、出発という突発的なもの。
イラチ(せっかち)な父、譲一はすぐに着替えて玄関で待機。
そのとき母、明子はまだ家着のままおにぎりを握っていた。
すでに玄関を離れ、通りに出てイライラする父、譲一。
3人子供は玄関で
「お願い、ケンカはやめて」
と祈っていた。
「おーい、まだか」
「誰かぁ、アレ知らん?
もう、どこやったの」
「おい、行かへんのか」
「もう、出したら元のとこ戻しや」
ついに譲一は、嫁、子供を無視し、先に駅まで歩いていった。
ゴタゴタを乗り越え、家族は目的地に到着。
おにぎりを食べることになったが、譲一が
「塩コブないんか?」
いうと秋子が
「そんなんヤンヤンいわれてもイッペンにでけへんわ」
と返したため、ケンカが勃発。
モメる両親をみて、松本隆博は思った。
「そもそも計画もなしに急に決まったピクニック。
一家心中するつもりやな」
人志も
「捨てられるな」
と思い、その後、父親に背中を向けないようにした。
しかしそれは午前中に決定、午後、出発という突発的なもの。
イラチ(せっかち)な父、譲一はすぐに着替えて玄関で待機。
そのとき母、明子はまだ家着のままおにぎりを握っていた。
すでに玄関を離れ、通りに出てイライラする父、譲一。
3人子供は玄関で
「お願い、ケンカはやめて」
と祈っていた。
「おーい、まだか」
「誰かぁ、アレ知らん?
もう、どこやったの」
「おい、行かへんのか」
「もう、出したら元のとこ戻しや」
ついに譲一は、嫁、子供を無視し、先に駅まで歩いていった。
ゴタゴタを乗り越え、家族は目的地に到着。
おにぎりを食べることになったが、譲一が
「塩コブないんか?」
いうと秋子が
「そんなんヤンヤンいわれてもイッペンにでけへんわ」
と返したため、ケンカが勃発。
モメる両親をみて、松本隆博は思った。
「そもそも計画もなしに急に決まったピクニック。
一家心中するつもりやな」
人志も
「捨てられるな」
と思い、その後、父親に背中を向けないようにした。
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家族で海水浴も1度だけ行った。
尼崎から電車で明石まで行き、そこからフェリーに乗って淡路島へ。
甲板の上は強風が吹いていて、松本隆博がかんでいたガムを海に向かって
「ペッ」
と飛ばすと、風で弟の髪の毛にひっついた。
ソッととれば問題なかったものを、人志は
「ワー」
とパニくって髪の毛にからませてしまい、泣き出した。
「チッ」
譲一は舌打ちし、カミソリを取り出した。
「アンタ、あんまり切りなや」
秋子がいう中、髪の毛を切られた人志はまた号泣。
「あー大丈夫や。
全然わからん」
家族全員に半笑いでいわれ、さらに泣いた。
尼崎から電車で明石まで行き、そこからフェリーに乗って淡路島へ。
甲板の上は強風が吹いていて、松本隆博がかんでいたガムを海に向かって
「ペッ」
と飛ばすと、風で弟の髪の毛にひっついた。
ソッととれば問題なかったものを、人志は
「ワー」
とパニくって髪の毛にからませてしまい、泣き出した。
「チッ」
譲一は舌打ちし、カミソリを取り出した。
「アンタ、あんまり切りなや」
秋子がいう中、髪の毛を切られた人志はまた号泣。
「あー大丈夫や。
全然わからん」
家族全員に半笑いでいわれ、さらに泣いた。
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民宿へ到着すると泳ぎが得意な譲一は、さっそく海へいこうとした。
しかし家族全員の水着が入ったカバンが見当たらない。
「海パンは?」
「えっアンタ持ってるんちゃうの?」
「なんでや!
お前ら持ってないんか?」
「・・・・・」
フェリー会社に電話したが見つからず、民宿の人に忘れ物を貸してもらうことになった。
しかし譲一の海パンは、なぜか肌色。
遠目には全裸の変質者のようだった。
秋子は海嫌いな上、泳げない。
「アンタ、絶対フザけんといてよ」
と警告。
「わかった、わかった」
といいながら譲一は、遠くから潜って嫁の足をつかんだ。
「ぎゃあーーー
もう何するのぉーー
殺す気かー」
と海水浴場に叫び声がこだました。
しかし家族全員の水着が入ったカバンが見当たらない。
「海パンは?」
「えっアンタ持ってるんちゃうの?」
「なんでや!
お前ら持ってないんか?」
「・・・・・」
フェリー会社に電話したが見つからず、民宿の人に忘れ物を貸してもらうことになった。
しかし譲一の海パンは、なぜか肌色。
遠目には全裸の変質者のようだった。
秋子は海嫌いな上、泳げない。
「アンタ、絶対フザけんといてよ」
と警告。
「わかった、わかった」
といいながら譲一は、遠くから潜って嫁の足をつかんだ。
「ぎゃあーーー
もう何するのぉーー
殺す気かー」
と海水浴場に叫び声がこだました。
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「死ぬまでに1回でいいから腹いっぱいプリンが食べたい」
松本隆博がいうと
「兄ちゃん、食べたいなあ」
と弟、人志も同意。
2人はお小遣いを出し合ってハウスのプリンを2箱買った。
そして協力し液体をつくり、どんぶりに流し込んで冷蔵庫へ。
数時間後、やっと固まったプリンをカレースプーンで食べたが、途中で胸が悪くなり残してしまった。
家庭科でみたらし団子をつくった松本隆博が、
「みたらし団子を作る技術を手に入れたぞ」
というと弟、人志は大喜び。
2人でお小遣いを出し合って材料を買って、みたらし団子づくりに挑戦。
団子が完璧に出来たが、みたらしがうまくできず2人で大泣きした。
松本隆博がいうと
「兄ちゃん、食べたいなあ」
と弟、人志も同意。
2人はお小遣いを出し合ってハウスのプリンを2箱買った。
そして協力し液体をつくり、どんぶりに流し込んで冷蔵庫へ。
数時間後、やっと固まったプリンをカレースプーンで食べたが、途中で胸が悪くなり残してしまった。
家庭科でみたらし団子をつくった松本隆博が、
「みたらし団子を作る技術を手に入れたぞ」
というと弟、人志は大喜び。
2人でお小遣いを出し合って材料を買って、みたらし団子づくりに挑戦。
団子が完璧に出来たが、みたらしがうまくできず2人で大泣きした。