あるときネコの長助が近くの寿司屋からマグロの短冊をくわえて帰ってきて、父、譲一は頭を叩いて吐き出させ、刺身にして食べた。
またあるとき長助の息がくさいということになり、松本隆博が両腿で長助の頭はさんで前足を押さえ、人志がその歯を磨いた。
「どや?」
「うーん、まだくさいわ、兄ちゃん」
「そうかー、まだアカンか。
じゃあ正露丸塗ろ」
人志は正露丸を指でつぶして塗った。
「どや?」
「うーん、歯のにおいは取れたけど正露丸くさいわ」
またあるとき長助の息がくさいということになり、松本隆博が両腿で長助の頭はさんで前足を押さえ、人志がその歯を磨いた。
「どや?」
「うーん、まだくさいわ、兄ちゃん」
「そうかー、まだアカンか。
じゃあ正露丸塗ろ」
人志は正露丸を指でつぶして塗った。
「どや?」
「うーん、歯のにおいは取れたけど正露丸くさいわ」
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夏の暑い日、ドテーッと寝ている長助をみて、兄弟はムカついた。
「猫の分際で態度デカいな」
「こいつ宿題ないしな」
「そや、こいつ冷やしてみよ」
「そやな、それええな」
意見がまとまり長助を冷蔵庫に入れてみた。
5分後、取り出すといい感じに冷えていて、兄弟は長助を抱いた。
「おお、エエわあ」
「兄ちゃん、冷やしネコやな」
体温が戻った長助は再び冷蔵庫へ入れられた。
「猫の分際で態度デカいな」
「こいつ宿題ないしな」
「そや、こいつ冷やしてみよ」
「そやな、それええな」
意見がまとまり長助を冷蔵庫に入れてみた。
5分後、取り出すといい感じに冷えていて、兄弟は長助を抱いた。
「おお、エエわあ」
「兄ちゃん、冷やしネコやな」
体温が戻った長助は再び冷蔵庫へ入れられた。
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ある日の食事中、機嫌が悪かった父、譲一は、突然、
「うちの子供で必要なのは隆博だけやな」
と発言。
家族全員が唖然となり、人志は箸を落とした。
中学生だった松本隆博はその場はこらえたが、後で1人になったときに
「それはないやろ。
兄弟の仲を親が引き裂く気か」
と号泣した。
「うちの子供で必要なのは隆博だけやな」
と発言。
家族全員が唖然となり、人志は箸を落とした。
中学生だった松本隆博はその場はこらえたが、後で1人になったときに
「それはないやろ。
兄弟の仲を親が引き裂く気か」
と号泣した。
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松本隆博はよく勉強ができ、公立の進学高校に進んだ。
一方、弟、人志は成績が悪く中3のとき3者面談で担任に、
「公立は無理ですね」
といわれた。
公立に行ってほしい母、秋子は、
「そこを何とか・・」
と粘った。
「いや無理ですね」
「この子、ほんとにいい子なんです」
「いやあー無理ですね」
「先生、この子、ほんとに親孝行なんですよお。
私が熱出したとき、寝ずに看病してくれたんです」
人志は
(ウソや)
と思った。
「お母さん、親孝行でもそれは点数に含まれないんです」
「それはおかしいがな。
そこが1番大事なんちゃいますか。
この子はやったらできる子なんです。
私が責任取りますから、公立受けさせて下さい」
一方、弟、人志は成績が悪く中3のとき3者面談で担任に、
「公立は無理ですね」
といわれた。
公立に行ってほしい母、秋子は、
「そこを何とか・・」
と粘った。
「いや無理ですね」
「この子、ほんとにいい子なんです」
「いやあー無理ですね」
「先生、この子、ほんとに親孝行なんですよお。
私が熱出したとき、寝ずに看病してくれたんです」
人志は
(ウソや)
と思った。
「お母さん、親孝行でもそれは点数に含まれないんです」
「それはおかしいがな。
そこが1番大事なんちゃいますか。
この子はやったらできる子なんです。
私が責任取りますから、公立受けさせて下さい」
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結局、人志は公立高校を受験することになったが
「私立も危ない」
といわれている身分で公立1校に絞ったため、落ちれば中卒で働くことになるかもしれない。
以後、2ヵ月間、松本隆博に教えてもらいながら受験勉強に励んだ。
松本隆博は
「イチかバチか、ヤマを張るしかない」
と数学は相似形、確率、と因数分解、国語は四時熟語、社会は昭和~明治までと範囲を決めて勉強させた。
そして人志は見事合格。
本当にやればできる子だった。
こうしてなんとか高校に入った人志だったが、半年くらいすると異変が起こった。
朝8時になってもまだ寝ている弟に松本隆博は
「なに寝てんねん。
学校行かんか」
「あんなしょうもない学校、もう行けへんねん」
松本隆博はキレて、初めて弟をドツき回した。
その後、冷静になり、
「誰でもたまには調子悪いときもある。
悪いことしたなあ」
と反省した。
「私立も危ない」
といわれている身分で公立1校に絞ったため、落ちれば中卒で働くことになるかもしれない。
以後、2ヵ月間、松本隆博に教えてもらいながら受験勉強に励んだ。
松本隆博は
「イチかバチか、ヤマを張るしかない」
と数学は相似形、確率、と因数分解、国語は四時熟語、社会は昭和~明治までと範囲を決めて勉強させた。
そして人志は見事合格。
本当にやればできる子だった。
こうしてなんとか高校に入った人志だったが、半年くらいすると異変が起こった。
朝8時になってもまだ寝ている弟に松本隆博は
「なに寝てんねん。
学校行かんか」
「あんなしょうもない学校、もう行けへんねん」
松本隆博はキレて、初めて弟をドツき回した。
その後、冷静になり、
「誰でもたまには調子悪いときもある。
悪いことしたなあ」
と反省した。
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そして松本隆博も、高校でタバコを吸ってるのを見つかってしまった。
1学期の終業式でみんなが集まっているとき、トイレで一服やったのだが、学級委員長だった分、厳しく怒られた。
与えられた罰は、丸坊主の上、自宅謹慎。
といっても次の日から夏休みだったので、10日間学校にいき反省文を書くことになった。
その初日、母、明子も学校に呼ばれ、夏の暑い中、2人で自転車で登校し、校長室に通された。
校長、教頭、生活指導、担任がいて、
「松本隆博!」
(教頭)
「はい」
(松本隆博)
「起立せい!」
(担任)
「はい」
「お前は○月○日、未成年でありながら東3階のトイレ内にてタバコを所有し、また・・・・」
(教頭)
教師は、まるで裁判のように追及していく。
「吸うたな?
間違いないな?」
「・・・・・・」
「返事せんか!
これは学則の○○違反になり最悪の場合、退学に・・・」
ここで秋子が出た。
「なんやの。
コレ何?
裁判やないの。
ウチの子を罪人扱いするんか?」
とりなそうとする教師に秋子は大爆発。
「アアッ?
タバコくらいええやないの。
なんなのよ」
そしてタバコを取り出し、火をつけ
「隆博、ホレ、ここで吸うたれ」
「まあまあお母さん」
「ウチの子、そんな悪い子ちゃうで。
タバコ吸うて迷惑かからんやろが。
どうせアンタ(担任)も吸うてたやろ?
大人が寄ってたかって、そのほうが恥ずかしいわ」
こうして裁判は終了したが、松本隆博は
「俺が1番悪い。
オカン、すまん」
とずっと泣きそうだった。
そして
「もう絶対に学校ではタバコは吸わん」
と誓った。
後日、担任は松本家にいき
「お母さん、実は僕、高校のとき吸ってました」
と告白した。
1学期の終業式でみんなが集まっているとき、トイレで一服やったのだが、学級委員長だった分、厳しく怒られた。
与えられた罰は、丸坊主の上、自宅謹慎。
といっても次の日から夏休みだったので、10日間学校にいき反省文を書くことになった。
その初日、母、明子も学校に呼ばれ、夏の暑い中、2人で自転車で登校し、校長室に通された。
校長、教頭、生活指導、担任がいて、
「松本隆博!」
(教頭)
「はい」
(松本隆博)
「起立せい!」
(担任)
「はい」
「お前は○月○日、未成年でありながら東3階のトイレ内にてタバコを所有し、また・・・・」
(教頭)
教師は、まるで裁判のように追及していく。
「吸うたな?
間違いないな?」
「・・・・・・」
「返事せんか!
これは学則の○○違反になり最悪の場合、退学に・・・」
ここで秋子が出た。
「なんやの。
コレ何?
裁判やないの。
ウチの子を罪人扱いするんか?」
とりなそうとする教師に秋子は大爆発。
「アアッ?
タバコくらいええやないの。
なんなのよ」
そしてタバコを取り出し、火をつけ
「隆博、ホレ、ここで吸うたれ」
「まあまあお母さん」
「ウチの子、そんな悪い子ちゃうで。
タバコ吸うて迷惑かからんやろが。
どうせアンタ(担任)も吸うてたやろ?
大人が寄ってたかって、そのほうが恥ずかしいわ」
こうして裁判は終了したが、松本隆博は
「俺が1番悪い。
オカン、すまん」
とずっと泣きそうだった。
そして
「もう絶対に学校ではタバコは吸わん」
と誓った。
後日、担任は松本家にいき
「お母さん、実は僕、高校のとき吸ってました」
と告白した。
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ある日、松本家に
「お宅に松本譲一さんでいてます?」
という電話が入った。
父、譲一が酔い潰れているらしい。
このとき家にいたのは、母、秋子と高校生の人志。
2人は仕方なく阪神尼崎駅までタクシーで迎えにいった。
駅に着いたが、どこで酔い潰れているのかわからない。
散々探したが結局、見つからず、徒歩で1時間かけて帰宅。
道中、
「ホンマあのオッサンむかつくわ」
と毒づく母親に人志は
「オカン、そんなこと言うてやるな。
いろいろあるんやと思うで」
といった。
秋子はその優しさに涙が止まらなかった。
そしてやっと家に着くと譲一が玄関の前でグーグーいびきをかいて寝ていた。
2人は家に引き上げようとしたが何か臭う。
みると譲一のズボンが半分脱げ、尻にウンコが挟まっていた。
「お宅に松本譲一さんでいてます?」
という電話が入った。
父、譲一が酔い潰れているらしい。
このとき家にいたのは、母、秋子と高校生の人志。
2人は仕方なく阪神尼崎駅までタクシーで迎えにいった。
駅に着いたが、どこで酔い潰れているのかわからない。
散々探したが結局、見つからず、徒歩で1時間かけて帰宅。
道中、
「ホンマあのオッサンむかつくわ」
と毒づく母親に人志は
「オカン、そんなこと言うてやるな。
いろいろあるんやと思うで」
といった。
秋子はその優しさに涙が止まらなかった。
そしてやっと家に着くと譲一が玄関の前でグーグーいびきをかいて寝ていた。
2人は家に引き上げようとしたが何か臭う。
みると譲一のズボンが半分脱げ、尻にウンコが挟まっていた。
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就職が決まっていた人志が
「NSCに入る」
といったとき、松本隆博は
「売れる」
と思った。
家族で反対したのは父、譲一だけで他の者に違和感はなかった。
人志と浜田雅功はNSCに入って早々から
「間違いなく売れる」
と太鼓判をもらっていた。
しかし実際は同期のハイヒールやトミーズが先行。
理由は、
・人見知り
・生意気
・礼儀が出来ない
・ガンコ(納得できないことはしない)
という性格。
ド新人時代から、エラいさんが来ても元気よく挨拶することができず、ダラダラとした態度で接っしてしまう愛されない2人だった。
「NSCに入る」
といったとき、松本隆博は
「売れる」
と思った。
家族で反対したのは父、譲一だけで他の者に違和感はなかった。
人志と浜田雅功はNSCに入って早々から
「間違いなく売れる」
と太鼓判をもらっていた。
しかし実際は同期のハイヒールやトミーズが先行。
理由は、
・人見知り
・生意気
・礼儀が出来ない
・ガンコ(納得できないことはしない)
という性格。
ド新人時代から、エラいさんが来ても元気よく挨拶することができず、ダラダラとした態度で接っしてしまう愛されない2人だった。
4時ですよ~だ01 オープニングトーク
via www.youtube.com
NSCを卒業後、仕事がなく自分の部屋にいることが多い人志に、母、秋子は
「アンタも出させてもらえへんの?」
といい、松本隆博は
「媚を売るとかそういうことちゃうけど、お互いが気持ちよく過ごしていけるようにして、そっから芸で勝負すると思えばいい」
とアドバイスした。
松本隆博が大阪電気通信大学卒業を出て、豊中信用金庫で働き出したとき、人志はまだ売れておらず、車を貸したりお小遣いをあげたりした。
やがてダウンタウンは頭角を現しはじめ、伝説の番組「4時ですよーだ!」がスタート。
松本隆博はそ公開生放送番組を会場まで観にいき
「放送禁止用語いうたら芸能界永久追放されるんちゃうか」
とヒヤヒヤしながら
「人志、落ち着いて落ち着いて」
と自分が1番緊張しながら観た。
「アンタも出させてもらえへんの?」
といい、松本隆博は
「媚を売るとかそういうことちゃうけど、お互いが気持ちよく過ごしていけるようにして、そっから芸で勝負すると思えばいい」
とアドバイスした。
松本隆博が大阪電気通信大学卒業を出て、豊中信用金庫で働き出したとき、人志はまだ売れておらず、車を貸したりお小遣いをあげたりした。
やがてダウンタウンは頭角を現しはじめ、伝説の番組「4時ですよーだ!」がスタート。
松本隆博はそ公開生放送番組を会場まで観にいき
「放送禁止用語いうたら芸能界永久追放されるんちゃうか」
とヒヤヒヤしながら
「人志、落ち着いて落ち着いて」
と自分が1番緊張しながら観た。
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こうしてダウンタウンは遠回りしたが、売れ始めると大ブレイク。
松本隆博にも
「サインが欲しい」
「チケット欲しい」
「会いたい」
というリクエストが殺到した。
人志が実家にいた頃は問題なかったが、やがて大阪のマンションに引越すると大変になった。
「松本さん、社長から電話です」
と呼び出され
「娘がエラいファンでな、サインもらえないか?」
といわれ
「浜田と2人は無理やけど、人志だけなら」
とうけおい、深夜、大阪までサインをもらいに行き、
「すまんなあ」
と謝りながら受け取り、翌日社長に渡した。
すると社長は
「昨日はありがとう。
いとこも欲しいいうてなあ・・・」
と言い出し、再び深夜、大阪まで行ってサインをもらい
「ありがとう」
といって帰った。
その後もリクエストは延々と続き、エエ加減しんどくなった松本隆博は、かつて実家で人志がサインの練習をした少年ジャンプを
「これは将来、カネになるかもしれん」
ととっておいたのを思い出した。
早速、それを取り出し、
「オレ、書けるかも・・・」
とサインの練習。
以後、大阪に行くことはなくなった。
松本隆博にも
「サインが欲しい」
「チケット欲しい」
「会いたい」
というリクエストが殺到した。
人志が実家にいた頃は問題なかったが、やがて大阪のマンションに引越すると大変になった。
「松本さん、社長から電話です」
と呼び出され
「娘がエラいファンでな、サインもらえないか?」
といわれ
「浜田と2人は無理やけど、人志だけなら」
とうけおい、深夜、大阪までサインをもらいに行き、
「すまんなあ」
と謝りながら受け取り、翌日社長に渡した。
すると社長は
「昨日はありがとう。
いとこも欲しいいうてなあ・・・」
と言い出し、再び深夜、大阪まで行ってサインをもらい
「ありがとう」
といって帰った。
その後もリクエストは延々と続き、エエ加減しんどくなった松本隆博は、かつて実家で人志がサインの練習をした少年ジャンプを
「これは将来、カネになるかもしれん」
ととっておいたのを思い出した。
早速、それを取り出し、
「オレ、書けるかも・・・」
とサインの練習。
以後、大阪に行くことはなくなった。
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