映画「阿寒の果つ」主人公が山口百恵オファーから五十嵐淳子になった理由とは?
2020年12月7日 更新

映画「阿寒の果つ」主人公が山口百恵オファーから五十嵐淳子になった理由とは?

映画「阿寒の果つ」の原作は、渡辺淳一の小説で、実在した人物をモデルに描かれた作品です。この映画「阿寒の果つ」の主演は、五十嵐淳子さん(当時、五十嵐じゅん)が、女優として注目された作品にもなりましたが、実はもともと映画の主演は、山口百恵でオファーをしていたというのをご存じでしょうか。 映画公開の1975年は、山口百恵さんは高校生でした。ここでは、主人公の時任純子を演じるのが、山口百恵さん企画から五十嵐淳子さんになった理由を探っていきます。

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映画「阿寒の果つ」とは

「阿寒の果つ」は、1975年6月21日に東宝系で公開された映画で、原作は渡辺淳一著、同タイトルの小説です。

1971年7月号から1972年12月号に「婦人公論」で連載され、1973年(昭和48年)11月に中央公論社から刊行されました。

渡辺淳一が38歳の時の作品です。

「阿寒の果つ」」の舞台は、著者渡辺淳一の故郷である北海道。

ストーリーは、渡辺自身の青春時代、初恋の相手に長い間抱いていた思いなどを含め、リアルな部分が元となっているということです。

男女の物語も描かれていますが、ただの恋愛小説というものではなく、個人的には、ひとりの女性が確かに生きていた証を残すような小説に感じます。

「阿寒の果つ」のあらすじ

舞台は1945年、昭和20年の北海道・札幌。

主人公の高校時代の同級生である時任純子は高校時代に「天才少女画家」と称され、世間で話題になるほどの美少女だった。彼女の才能、魅力に惹かれた画家やカメラマン、文化人といった大人たちも多くいた。


主人公の田辺俊一の初恋の相手となる純子だったが、”自分のもの”にすることはできなかった。

純子は何人もの大人たちと深い関係になっていたが、その後 阿寒湖が見える雪の峠で多量の睡眠薬を飲み、自らの命を絶ってしまう。

純子の死から20年がたち、俊一は、純子がなぜ自殺してしまったのか、その真相を突き止めようと、昔、純子と関係があった男たちを訪ね歩き、話を聞いていく。

俊一は自分が知らなかった純子の姿を目の当たりに知ることとなる。

「阿寒の果つ」で純子を演じたのは女優・五十嵐淳子


この映画の主人公・時任純子を演じたのが、当時はモデルとしても活躍していた五十嵐じゅんで、その後五十嵐淳子と改名し、のちに歌手で俳優・中村雅俊さんの奥さんになります。

五十嵐淳子さんがこの「純子」を演じたことで、その美貌が純子のイメージとピッタリ重なってみていた方も少なくなかったことでしょう。

複数の大人の男たちとの関係や、「天才少女画家」としての人生でしたが、自らの命を絶ってしまうという衝撃的な最期を美しく演じきった五十嵐淳子さんでした。

純子の最期は新聞でも報じられました。そうです。時任純子は実在する人物だったということです。
純子が実在する人物だということで、映画の内容もリアルなものであるというイメージでみていくと、五十嵐淳子さんが演じた純子像がピッタリ!と五十嵐淳子さん自身の出演代表作にもなった映画ですね。

映画撮影時の五十嵐淳子さんの年齢は22歳~23歳ということで、映画の中でのきわどいシーンも潔く?大胆に演じられていたというのが印象に残っています。

また、五十嵐淳子さん自身の容姿もモデル時代はかわいいというイメージだったのが、「阿寒の果つ」の映画の中では、あどけなく純粋な雰囲気もありつつ、妖艶な女性としての雰囲気もにじみ出ていたと、まさに「純子」だったという感じがします。

映画「阿寒の果つ」の主人公は実在した人物だった

「阿寒に果つ」の主人公「時任純子」のモデルは加清純子という実在した人物でした。

高校生の時に、「天才少女画家」と大注目された半面、大人の男性たちとの関りの中で「魔性の女」ともいわれていたという加清純子さんだったようです。

残っている加清純子自身の写真を見ると、セーラー服姿ですが、どこか大人びた雰囲気も感じとれます。この加清純子とはどんな女性だったのでしょう。

実在した加清純子という女性


生年月日:1933年7月
出身地:北海道札幌市

死没:1952年1月23日(18歳没[2])
北海道釧路市 阿寒湖湖畔にて

出身校:北海道札幌南高等学校

父親は札幌市立幌北小学校の校長を務められ、経済的にもめぐまれて育った様です。父親が校長先生ということで、想像すると、厳格な家庭だったのかなとも思います。

兄は加清準さんで札幌トヨペット副社長、北海道テレビ放送取締役、学校法人希望学園理事長を歴任されています。弟は詩人の暮尾淳(加清鍾)、伯父は創価学会の第二代会長の戸田城聖ということです。

加清純子が通っていた札幌南高校は、札幌でNO.1(ということは北海道でもNO.1)の公立の進学校です。

札幌では加清純子さんが高校時代、そして、ミドルエッジの世代でも「東西南北」と言われる、東高校・西高校・南高校・北高校が偏差値の高さでは4本柱で、札幌南高はその中でもトップです。

現在でも高校受験の中ではやはり、札幌南高がトップというレベルの学校です。
加清純子さんは札幌女子高等学校に進学しますが、高2の春に「学区制改革」があり、札幌南高が男女共学になったことで、学校が統合されたことで、南高になります。

渡辺淳一と加清純子の関係

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渡辺淳一さんが札幌南高校2年の春、加清純子さんの通っていた女子高と南高が統合したことで、二人は札幌南高校の同級生となり知り合います。

中学の時から北海道では「天才少女画家」と有名だった加清純子さんの印象は、色白で絵がとてもうまいということだったようです。

2人は同級生として特別、仲がいいというわけでもなかった様ですが、ある時、加清純子さんから「今度のあなたの誕生日、わたしが祝ってあげる」と書いた「付け文」を教室の机の中にいれられたことから、距離が縮まっていった様です。

そんな渡辺淳一さんと、「阿寒に果つ」の主人公・時任純子の関係があり、映画化されることになったこの作品ですが、もともとは、主人公の純子を当時高校生だった山口百恵をということで企画された映画だったといいます。

映画「阿寒の果つ」は山口百恵で企画された作品だった

この映画「阿寒の果つ」を見た後で、実は山口百恵が主役で企画されていたと知ったときは、あの五十嵐淳子が大胆に演じたあの役を!?とちょっと驚きでもありました。

当時高校生の山口百恵さんは、中学生の時から歌手として芸能界に入り、ドラマ主演すれば大当たり!

映画出演も川端康成の『踊り子』や三島由紀夫の『潮騒』、谷崎潤一郎の『春琴抄』など、日本の名作と言われる作品の映画化の際に主演を務めています。

どちらかと言えば、「清純派」のイメージの山口百恵さんですが、『阿寒の果つ』の映画化では主演という話が当初あったといいます。

が!結局は、その役を五十嵐淳子さんが演じたのですが、山口百恵さんが出演を断った理由とは?

山口百恵が映画「阿寒の果つ」を断った理由

山口百恵が『阿寒に果つ』の出演を断った理由というのは、どういうことだったのでしょう?渡辺淳一さんが、わざわざ山口百恵のための企画だった映画ですが、断った理由は?

ヌード・濡れ場シーンがあったためだといわれています。

確かに、今、それを知ると、若干16歳だった山口百恵に五十嵐淳子が演じた「純子」を演じさせるというのは、それまでのアイドル歌手・山口百恵からの脱却にもなる役どころになったことでしょう。

山口百恵の過去のヌードシーンは?

山口百恵のヌードシーンと言えば?1975年公開映画三島由紀夫の『潮騒』です。

清純派アイドルであった山口百恵が脱いだ!と話題になりましたが、映画公開時に16歳だった山口百恵さんのその姿というのは、昭和の言い方で「シミーズ」姿でした。

作中、相手役の三浦友和さんの前でそのシミーズを脱いで裸になるシーンがありますが、二人の間には焚火の炎があり、視聴者に山口百恵さんの裸が見えているわけではないシーンです。

27 件

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  • 匿名 2021/2/16 16:23

    スミマセン「純子」でしたね。

    匿名 2021/2/15 17:37

    当時のライバルは桜田「淳子」だったから、さすがに「順子」の役はできなかったのではないでしょうか。

    ななし 2021/1/25 11:31

    お正月は、家族で百恵ちゃんの映画を見に行くのを楽しみにしていました。
    家族で見えない映画はちょっと…

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