人は誰でも恋におちる。映画「恋におちて」、ここで描かれている恋をゲス不倫と呼んでいいものだろうか?
2017年6月1日 更新

人は誰でも恋におちる。映画「恋におちて」、ここで描かれている恋をゲス不倫と呼んでいいものだろうか?

恋におちて」は切ない大人のラブストーリーです。純愛と言ってよいでしょう。だた、この映画は不倫をテーマにしていますからはたして純愛とよんでいいのやら?!かと言ってゲス不倫の一言ではかたずけられない、そんな大人のファンタジーです。

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人は誰でも恋におちる

「恋はするものではなく、落ちるものだ」という名言がありますが、まさにそのような内容の映画がありますね。その名もズバリ「恋におちて」です。原題も「Falling In Love」ですからそのまんまですね。
この映画、極上のラブストーリーではあるのですが、問題がひとつあります。主人公の男女は実は互いに結婚しているんです。つまりは不倫というわけです。
恋におちて

恋におちて

ロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープ
近頃なにかとヤリ玉に挙げられることの多い不倫ですが、確かに褒められたことではないとはいえ、人は誰でも恋におちるのです。たとえ結婚していようと、していまいとです。なので、ここはひとつ大人のファンタジーということで大目に見て頂けると幸いです。
で、映画「恋におちて」ですが、主演を演じたロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープがじっくりと大人の男女の微妙な心理を表現してみせてくれます。

ところで、この映画が公開された翌年の1985年に、日本では「恋におちて」にインスパイアされたテレビ・ドラマ「金曜日の妻たちへ-恋におちて」が放映され大ブームを巻き起こします。
2人が出会う書店のシーンなど、同じような場面が出てきて面白いので機会があれば是非見比べてみてください。

因みに、「恋におちて」もイギリスの不倫をテーマにした映画「逢びき」を下敷きにしたとされています。

それでは映画「恋におちて」のスタッフからご紹介していきましょう。

スタッフ

監督は「ディープエンド・オブ・オーシャン」、「ジョージア」、「告白」、「ストレート・タイム」などで知られるウール・グロスバードが担当しています。手堅い演出といった感じですかね。
ウール・グロスバード

ウール・グロスバード

本名:Israel Grosbard
生年月日:1929年1月9日
没年月日:2012年3月19日(満83歳没)
出生地:ベルギーアントウェルペン
死没地:アメリカ合衆国ニューヨーク
主役の人妻を演じるのは「クレイマー、クレイマー」、「ソフィーの選択」、「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」と3度もアカデミー賞に輝いているメリル・ストリープです。
メリル・ストリープ

メリル・ストリープ

本名:Mary Louise Streep
生年月日:1949年6月22日
出生地:アメリカ合衆国・ニュージャージー州サミット
活動期間:1977年~現在
メリル・ストリープ、とても美しいです。ピッタリの役ですね。

そして相手役の家庭持ちの男フランク・ラフティスを演じたのがロバート・デ・ニーロです。ロバート・デ・ニーロといえば、「ゴッドファーザー PART II」、「タクシードライバー」、「ディア・ハンター」など多くの作品に出演していて、今更説明の必要はない名優ですね。
ロバート・デ・ニーロ

ロバート・デ・ニーロ

本名:Robert Anthony De Niro
生年月日:1943年8月17日
出生地:アメリカ合衆国・ニューヨーク州ニューヨーク市
活動期間:1969年~現在
それまではアクの強い役が多かったロバート・デ・ニーロですが、ここでは実に普通、いえ、むしろ優柔不断な男を見事に演じています。優しくはあるけれども、どこか頼りなげでもある。もっと強引にいけばいいのにと思わず叫んでしまいそうになる役どころで、これが実に80年代のナイーブな男像になっているのです。「恋におちて」には、この性格だからこそのラストシーンが用意されています。

ところで、メリル・ストリープは1976年の映画「タクシードライバー」のロバート・デ・ニーロの演技に感銘を受けて映画の道に進むことを決めたのだそうです。
そして、そのメリル・ストリープが出演していた1977年の舞台「桜の園」での彼女の演技に魅かれたロバート・デ・ニーロは映画「ディア・ハンター」での相手役としてメリル・ストリープを推挙したのだそうですよ。
二人の息が合うはずですよね

あらすじ

ネタバレを含みますことをご了承ください。
恋におちて

恋におちて

監督:ウール・グロスバード
脚本:マイケル・クリストファー
製作:マーヴィン・ワース
出演者:ロバート・デ・ニーロ、メリル・ストリープ
音楽:デイヴ・グルーシン
撮影:ピーター・サシツキー
編集:マイケル・カーン
製作会社:パラマウント映画
公開:アメリカ 1984年11月21日、日本 1985年3月21日
上映時間:106分
ニューヨーク郊外のウエストチェスターから通勤者たちを乗せた満員の列車に、モリー・ギルモア(メリル・ストリープ)がアーズレイ駅から乗り合わせていた。もう1人、フランク・ラフティス(ロバート・デ・ニーロ)が、ダブス・フェリー駅から乗った。モリーはグラフィック・アーチストで、重病に瀕している父のジョン(ジョージ・マーティン)を看病するために、マンハッタンに通っていた。夫のブライアン(デイヴィッド・クレノン)は医者として成功していたが、モリーとの夫婦生活は順調とはいえない。一方、フランクは建築技師で、妻のアン(ジェーン・カツマレク)と息子たち(ウィリー・アール、ジェシー・ブラッドフィード)に対して変わらぬ愛情を捧げていた。通勤電車が、グランド・セントラル駅に到着し、フランクもモリーも、それぞれの目的を終えると、クリスマス・プレゼントを買うために有名なリゾート書店に足を向けた。
フランクとモリー

フランクとモリー

フランクとモリーは、それぞれの配偶者へのクリスマス・プレゼントに本を購入したのですが、二人の本は入れ替わってしまいます。まさしく運命のクリスマスイブ!
買物を終えた2人は身体がぶつかり、買物包を床にまき散らしてしまった。お互いの包みを拾って、笑いながら別れた二人だったが、家に帰って包みを開いて、それが相手のものであることに気づいた。

モリーとフランクは、通勤電車の中で、偶然に再会した。クリスマスの時のヘマを互いに笑う2人。そのまま別れたが、互いに心に残るものを感じていた。その夜、ウエストチェスターへ帰る通勤列車の中で、フランクはモリーを探し回り、ようやく彼女を見つけ、これからは、いつも同じ列車に乗ろうと提案した。
フランクとモリー

フランクとモリー

通勤で同じ電車に乗る2人。こんな時が一番楽しいんですよね。映画を観ている方もなごみます。
翌日も朝の列車で乗り合わせた2人は、ランチもいっしょに食べることになった。それからというもの、2人はデートを重ねた。しかし、あくまで精神的なもので、お互いの身の上話しなどが中心であった。やがて、2人の想いは、だんだん抑えきれないものになっていった。フランクはテキサス州のヒューストンに1年間出張する仕事を依頼され迷っていた。モリーは、父親の病状も夫との家庭生活も悪化していた。そんな中、フランクは、2人のためにマンハッタンにアパートを借りた。しかし、モリーは、フランクと体を重ねることができない。2人は押し黙ったまま家路についた。
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