ファミコン登場前後に発売された「消えたゲーム機」たち
2017年12月13日 更新

ファミコン登場前後に発売された「消えたゲーム機」たち

1983年7月15日、ファミリーコンピュータの登場がゲーム業界を変えました。これまで売られていた海千山千のゲーム機を淘汰し、家庭用ゲーム機の天下統一を果たしたのです。では、ファミコン登場前後で市場に出回っていたゲーム機には、具体的にどんなものがあったのか、今回調べてみました!

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TVボーイ‐価格:8,800円(発売元:学研)

8,800円…。ファミリーコンピュータのメーカー小売価格が14,800円という事実を踏まえると、実にお買い得価格ではありませんか。発売時期が、ファミコンの3ヶ月遅れにあたる1983年10月だったことをで、「ファミコンを買うのは勇気がいるから、まずはTVボーイから!」と考えて、家庭用ゲーム機デビューした人たちも少なからずいたはずです。
学研 TVボーイ

学研 TVボーイ

この『TVボーイ』における最大の特徴といえば、ハード本体とコントローラーが一体になっているところ。機体右に大きなジョイスティックが装着されており、左には持ち手のような出っ張りがあってそこにボタンが1つだけついています。さながら、SFモノに出てくる宇宙船の操縦部分みたいです。ソフトは、『エキサイトインベーダー』『ミスターボム』『ロボタンウォーズ』『地対空大作戦』『フロッガー』『市街戦200X年』の計6本。

結局、ジョイスティックの可動域が狭くて操作が不便だったり、コントローラーの増設が不可能で2人同時プレイが不可能だったりと、ハードの規格そのものに如何ともしがたい難があったため、あえなく消えていきました。

TVボーイ「市街戦200X年」(1983年/学研)

ゲームパソコンM5‐価格:49,800円(発売元:タカラ)

80年代初頭に流行したいわゆる「ホビーパソコン」の一種。カートリッジスロットが搭載されており、そこにはゲームソフトだけではなく、BASIC-I(付属品)、BASIC-G(別売り・9,800円)といった言語カートリッジも装着可能でした。これにハマって、プログラミングオタクになり、IT系の道に進んだ子供たちもたくさんいたことでしょう。
ゲームパソコンM5

ゲームパソコンM5

ネズミの警官・マッピーが主人公のアクションゲーム『マッピー』(ナムコ)、“戦略的穴掘りゲーム”のキャッチコピーが印象的だった『ディグダグ』(ナムコ)、横スクロールシューティングの『スーパーコブラ』(コナミ)、スタンダードな四人制麻雀が楽しめる『ジャン狂』(ハドソン)など、ソフトが充実していたこともあり、発売初年度にあたる1982年には10万台を売り上げました。しかし、翌年にはやはりファミコンの猛威に晒され、売り上げを著しく落とし、1984年には市場からの撤退を余儀なくされます。

ディグダグ(ソードm5版)

オセロマルチビジョン‐価格:19,800円(発売元:ツクダオリジナル)

これは斬新!たとえばWindowsのパソコンに「ソリティア」「マインスイーパー」といったゲームが内蔵されているのと同様に、この『オセロマルチビジョン』には、オセロのソフトが内蔵されているのです。ゆえに、カートリッジ要らずでオセロが遊べます。

オセロマルチビジョン

オセロマルチビジョン

こちらのハードはセガが発売していたSG-1000シリーズと互換性があって、SG-1000用のゲームソフトをプレイすることも可能でした。代表的タイトルは、オセロマルチビジョンのイメージキャラクターでプロゴルファーの岡本綾子をモチーフにした『岡本綾子のマッチプレイゴルフ』。このソフトが同梱された本体セットも販売されていました。

CM ツクダオリジナル オセロマルチビジョン 1983年

TV JACK アドオン5000‐19,800円(発売元:バンダイ)

『TV JACK』は、バンダイが70年代後半に展開していたゲーム機シリーズ。『TV JACK 1000』(1977年7月発売)からはじまり、『TV JACK 1200』⇒『TV JACK 1500』⇒『TV JACK 2500』⇒『TV JACK 3000』とバージョンアップ。しかも、1200~3000は1977年10月に同時発売されています。
TV JACK 1000

TV JACK 1000

なぜ、ゲーム機をこまめに発売するなんていうめんどくさいことをしていたのかというと、当時は外付けカートリッジを交換するという概念が希薄だったから。そのため、上記の機種、すべてがゲーム内蔵型だったのです。
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