【とどろけ!一番】鉛筆が飛び答案用紙が舞う。そしてお受験漫画はボクシング漫画へと変化する。突っ込みどころ満載だけどとっても面白い、のむらしんぼ先生の作品です。
2016年11月17日 更新

【とどろけ!一番】鉛筆が飛び答案用紙が舞う。そしてお受験漫画はボクシング漫画へと変化する。突っ込みどころ満載だけどとっても面白い、のむらしんぼ先生の作品です。

コロコロコミック1980年2月号から連載が始まった、のむらしんぼによる受験漫画です。いくら書いても減らない鉛筆、どこかで見たことのある(作者も認めたパクリっぷり)必殺技の数々。真剣さと悪ふざけのブレンド加減がちょうど良く、パクッた部分を探しながら読み返すのもまた楽しめるのではないでしょうか。のむらしんぼ先生を応援しています!

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一番は実は日本ボクシング界を背負うために生まれて来た。今までの受験勉強の特訓はすべて、ボクシングのためのものだった。
答案二枚返し

答案二枚返し

ボクシング漫画への移行は、TV有吉マツコの怒り新党でも特集がくまれました。
この必殺技は手だけでなく左右の目も別々に動かすことが特徴。基本技として様々なバリエーションを生みました。

またパクってしまいました。

両手で記入し設問と問題文を同時に読む、秘儀答案二枚返し。この技だと、どんな問題でも二分三十五秒早くできるといわれている、恐ろしい必殺技です…。
当時、ライバル誌週刊少年ジャンプ(集英社)の看板作品だった『リングにかけろ』(車田正美)の演出とストーリー展開を引用(パクッた)したことも人気の急降下に拍車をかけました。これがきっかけで連載終了が決定しました。
水月拳は、水中で特訓したボクシング技です。答案二枚返しを応用して完成しました。まず左のパンチを放って真空状態を作り出し、その真空中に右のパンチを打ち込むことで通常のパンチの何倍もの破壊力を生み出します。その威力は素手で空中の風船を粉々に砕くほどです。

作者、のむらしんぼ

作者ののむらしんぼが『コロコロ創刊伝説』で描いた連載終了の顛末によると、人気が急降下したとはいえ、まだ中の下程度の人気は維持しており、本来は打ち切りになるようなレベルではないことを前担当編集者に明かされ、のむらは「だったら続けさせて下さい」と訴えたが、「ただ生活のためだけに、ダラダラと描き続けていいのか?」と叱責されたという。
その後のむらはいくつかの短期打ち切りを経験した後に、「一番」以上の自身最大のヒット作『つるピカハゲ丸』を送り出すことになる、一方で同作で見られた「他作品の演出等を引用する癖」は『ハゲ丸』終了後再びスランプに陥った時にも見られており、後にこれが自身の凋落と家族崩壊の遠因となった

主人公/轟 一番(とどろき いちばん)

昭和43年(1968年)9月24日生まれ。
名門大日本進学塾所属。と書かれたハチマキをいつもしており、常に鉛筆を3本前後に挟んでいます。書いても書いても芯が減らず鋼鉄より硬い鉛筆「四菱ハイユニ」を使って、様々な秘技を駆使して試験問題を解く超秀才。ほぼ全ての試験で満点を獲得します。満点を取れずに補習を受けたり、ライバルの策略で0点を取ったりするエピソードもあります。
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好物は豚カツ(受験に勝つ)、炒り玉子(志望校に入る)、スタミナ焼肉。いとこの轟二番が、ニセ一番として登場するエピソードも。
戸籍のミス

戸籍のミス

お母さん、泣いてる場合じゃありませんよ。

ライバル/常仁 勝(つねに まさる)

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