1980年、81年の良き時代の2曲「街が泣いてた」「ツッパリハイスクール」
2018年3月7日 更新

1980年、81年の良き時代の2曲「街が泣いてた」「ツッパリハイスクール」

1980年から1995年までの秀逸300曲を評論した書籍「J-POP名曲事典300曲」。その中で、伊丹哲也&side by side「街が泣いてた」と、横浜銀蝿「ツッパリハイスクールロックンロール」が並んで紹介されていました。本格的歌謡と一種「キワモノ」のこの2曲には、「男の生き様」が表れているように感じます。

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この書籍を参考にさせていただきました。

J-POP名曲事典300曲 | 富澤 一誠 |本 | 通販 | Amazon

12,926
中古品のため、売り切れ・価格変動があります。(2018年3月7日調べ。)
出版元で絶版扱いにつき、中古品でプレミアがついている貴重な本です。

一見対極であるが、「男」というものを感じさせる点で共通の2曲。

今回ご紹介する2曲。
片方は、ポプコンで、プロデューサーも手直しする必要がないと言うほど完成されたバンドの曲。
一方、もう片方は、36回もオーディションに落ちるという辛酸をなめたバンドの曲。
しかし、男って、そういうものではないでしょうか。
格好いいだけでは魅力が薄いし、ふざけてばかりでもバカにされる。
この2曲の良さを両方わかるというのが、本当の「男」なのかもしれません。

1980年11月28日 伊丹哲也&side by side「街が泣いてた」。

伊丹哲也 & SIDE BY SIDE 街が泣いてた★7インチ[... - ヤフオク! (1983678)

街が泣いてた 伊丹哲也 & Side By Side

何といっても「巻き舌」が非常に印象に残るこの曲。

「ポプコン」優勝曲。

ヤマハ音楽振興会が開いていた「ポピュラー・ソング・コンテスト」略称「ポプコン」の第11回グランプリに輝いた曲です。
この頃はまだ「J-POP」という言葉はありませんでしたが、POPの語源であるポピュラーソングを世に広めたのがこの「ポプコン」であると定義したとすると、この時代のこの歌はまさに「J-POP」と言っても過言ではないと思います。

ポプコン主催者も「一発OK」だったこの作品。

ヤマハ音楽振興会・関西の担当者であった山本辰夫さんによると、普通の応募者の作品は、何らかの修正がプロの目からなされるのが普通なのですが、この「街が泣いてた」は、伊丹哲也さんが持ち込んだ原曲でそのままで十分な作品だったそうです。むしろ、サビの個性的なシャウトは、伊丹さんの持ち味であり、もっと強調するように、とアドバイスするほど、最初から完成された楽曲でした。

ネットでの印象的コメント。

子供の頃、うぉ〜うぉ〜って真似しながら聴いていた

昔は大人の歌を子供も聴いていたけれど、今は子供向けの歌を大人が聴いている
「MOTOグッチ」さんのコメントから引用。
このコメントの中に、現代のJ-POPの中に覚える一抹の違和感がすべて表現されているのではないかと思います。
「ザ・ベストテン」などは、同じ番組を大人も子供も見ていました。
そもそもテレビが各個人用になどないので、1台のテレビを家族で見るのが当たり前でした。
そのため、子供用の曲を大人も聴き、大人の曲も子供が聴く。
しかしテレビが各個人専用のものになり、同じ番組をみんなで見るスタイルが徐々に消え、また音楽の入手先がテレビから離れ、ネット配信など、さらに個人的なアイテムからになる。

ちょっと暴論にはなりますが、AKBしかり、西野カナしかり、等身大の「若い女性」の気持ちを歌った曲が、女性のみならず男性にも受ける、というような現象が起きているように感じます。
つまり、「等身大の男性の気持ちを歌う歌」がないように思います。
男性が「草食化」というよりも、「男性の女子化」とも言うのでしょうか。
ましてや、一部にはアイドルの握手券を得るために同じCDを何枚も買うという現象もある。
これは、「プロ」と「アマチュア」との垣根が薄くなっていることではないでしょうか。
「プロ」を大人、「アマチュア」を子供とすれば、確かに、この方の言っている「子供向けの歌を大人が聴いている」というコメントは、非常に的を得ているな、と感じます。
(別にアイドルを批判する意図はありません。)
中学の頃、わかったフリをしながらこの曲を聴いていた。
50歳を目前にして、離れた故郷と初恋の思い出がグラスの酒を苦くする。
「滝沢芳夫」さんのコメントから引用。
こちらのコメントも、先ほどのものと同じような雰囲気を感じます。
子供が大人の曲を聴くので、大人の恋愛や、故郷を離れる気持ちは子供にはわからない。
想像でしかわからない。
それが、大人になって「こういう気持ちを歌っていたのか」と理解する。
改めて聞き直すことで、さらにその曲への情が深まる。

それに対して、子供の等身大の歌ばかり聞いていると、自分と同じ気持ちであるという共感は得られますが、大人の気持ちは知ることができませんね。

伊丹哲也&side by sideというバンドは、大阪という、「東京ではない」関西地区から出てきたバンドですので、故郷を離れる気持ちも盛り込んだ歌なのでしょう。
「街が泣いてた」という隠喩。泣いていたのはその街を離れる自分自身。

ミドルエッジ世代の「街が泣いてた」はこの曲でしょうか。

シャ乱Q 『上・京・物・語』

「街が泣いてた」を聴いた後、シャ乱Qを聴くと、シャ乱Qの世界観が際立つような気がします。
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