塩の撒き方にも個人差が如実に現れる大相撲力士あれこれ【大量撒き編】
2018年6月12日 更新

塩の撒き方にも個人差が如実に現れる大相撲力士あれこれ【大量撒き編】

私は時々、外国からの観光客に通訳サービスを施しているが、相撲の仕切りの時に力士が土俵に撒く塩のことを聞いてくる外国人が結構な数に上ることを経験上分かっている。でも初めて聞かれた時はどぎまぎした覚えがある。そろそろ2020東京オリンピックも近いので、読者の方も基礎知識を持っていれば、聞かれても説明が容易いのでは?!

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まずは、相撲初心者の質問ー「お相撲の力士が仕切りで何故塩を撒くのか??」

相撲はもともと、どちらの力士が勝つかによって、豊穣や豊漁を占う神事としての相撲でした。
この占いとしての側面から、取組みの前に「占いの場=神聖な場所」を浄める「清めの塩」として、土俵に塩を撒く風習が生まれたと言われている。
現在の大相撲でも、実は三段目以下の力士は、「塩をまく事ができない」そうだ。幕下になってようやく、しかも、時間に余裕がある時だけまく事ができるのである。

「塩を大量にまいたら相手がビビるかも?」と思い、大量の塩を撒き始めた”旭日松”!!

旭日松(あさひしょう)の塩撒き

旭日松(あさひしょう)の塩撒き

現在活躍している力士の中で、取組前に撒く塩の量がハンパなく多量で有名な力士は友綱部屋の旭日松(あさひしょう)だ。旭日松は元々大島部屋所属だったが、大島親方(元大関旭国)の定年に伴い、現在の友綱部屋に移籍した力士である。
旭日松 広太(あさひしょう こうた)

旭日松 広太(あさひしょう こうた)

旭日松 広太(あさひしょう こうた、1989年7月21日 - )は、千葉県野田市出身で友綱部屋(入門時は大島部屋)所属の現役大相撲力士。身長175cm、体重142kg。本名は松嶋広太。最高位は東前頭11枚目(2012年11月場所)。得意技は押し・引き。
最高位 東前頭11枚目
生涯戦歴 401勝400敗17休(79場所)
幕内戦歴 23勝35敗2休(4場所)
優勝 幕下優勝1回

スローモーション安美錦 - 旭日松 塩まき対決 平成二十九年靖国神社奉納大相撲

あの大量に撒かれた塩はどうなるんでしょうね??(もったいないような・・・??)。

ちなみに撒く塩の量は決められてないそうです!!。

私の世代だと、”若秩父”が思い出の筆頭に来る!!

若秩父 高明(わかちちぶ こうめい)

若秩父 高明(わかちちぶ こうめい)


本名 加藤 高明
生年月日 1939年3月16日
出身地 埼玉県秩父市
没年月日 2014年9月17日(75歳)
身長 体重 175センチ 150キロ
所属部屋 花籠
改名歴 若秩父 高明 → 若秩父 清邦 → 若秩父 高明 → 若秩父 浩之 → 若秩父 高明
初土俵 1954年5月
最終場所 1968年11月
最高位 関脇
得意手  左四つ、吊り、寄り
年寄名跡 関ノ戸 高明 → 常盤山 高明

生涯戦歴 570勝527敗5休/1096出(81場所)
'54年夏場所に花籠部屋から初土俵を踏み、'58年秋場所に19歳で新入幕。富樫(後の横綱・柏戸)らとともに「ハイティーントリオ」と注目される。1メートル75、150キロの体を生かした左四つ、寄りで'63年名古屋場所新関脇。糖尿病に苦しみながら、幕内在位51場所で敢闘賞を2度受賞した。'68年九州場所限りで引退後は常盤山親方として後進を指導した。

Wakachichibu vs. Ohikari : Aki 1958 (若秩父 対 大晃)

若秩父が大関昇進が期待された頃だが、力士にありがちな糖尿病を患ってしまい、十両まで転落してしまったのだ。ここで彼は、食事制限や、禁酒、禁煙をして稽古にも励み、また幕内に戻ってきた矢先、中洲で飲んでいた時に酔っ払いに絡まれ、ただ払っただけなのに酔っ払いが怪我をして、暴力事件として取り上げられてしまった。この鬱憤を晴らそうと、大量の塩を高々と撒き始めたのがきっかけでだった。彼が活躍していた1967年前後は、塩は一般人には貴重品だった頃だったにも拘わらずだ。
なので、皮肉って川柳でこう詠まれたそうだ。

『塩などは、安いもんだと、若秩父』

現在、私は若秩父の正確な顔や姿を忘れてしまったようだが、大量の塩を撒く相撲力士として誰を思い出すかと聞かれたら、やはりまず第一に若秩父という名前が蘇ってくる。
きっと子供の頃の”彼の大量塩撒き”に相当大きな衝撃を受けたのだろう・・・!?

オイルショックの余波で塩が”もったいない!”と批判されたこともある”青葉山”!!

青葉山 弘年(あおばやま ひろとし)

青葉山 弘年(あおばやま ひろとし)


本名 高橋 幸一
生年月日 1950年4月3日
出身地 宮城県黒川郡大郷町
没年月日 1997年9月24日(47歳)
身長 体重 187センチ 120キロ
所属部屋 木瀬
改名歴 高橋 幸一 → 青葉山 幸一 → 貴城山 幸一 → 青葉山 弘年
初土俵 1968年11月
最終場所 1982年 9月
最高位 小結
年寄名跡 桐山 弘年 → 桐山 博光 → 浅香山 博光 → 浅香山 雅遂0

1970年代半ばから1980年代にかけて活躍した大相撲力士で、得意手は右四つ、吊り。一部マスコミには起重機と呼ばれていた。
いわゆる”ソップ型”力士で、筋肉質の長身を生かした、右四つからの豪快な吊り技を見せてたり、肩越しの上手を取って振り回す大きな相撲だった。また、森繁久彌主演の或るテレビドラマのセリフにも、「青葉山みたいに塩をいっぱい持って来い」と名前が塩撒きの代名詞として登場するほどの派手な塩撒きで人気があった。しかし、自身が十両に上がったばかりの頃はトイレットペーパー騒動が発生してから日が浅かったこともあって、大量の塩撒きが物資の無駄であるとして批判が出た時には、青葉山の後援者から「もっと撒かせろ」と、ドーンと相撲協会に大量の塩を送って来たツワモノがいたそうだ!!。昔は剛気なタニマチがいたんだなぁ、これが!!。
あいにく、彼のこれといった画像や動画が見つかりませんでした。あしからず!!

あだ名を「ソルトシェイカー」と命名された”水戸泉”

水戸泉 眞幸(みといずみ まさゆき)の塩撒き
新十両の場所の8日目から付人の奄美富士の「勝ち星に恵まれないときはせめて塩だけでも景気よくまいたらどうですか」という進言により、大量の塩を撒くようになった。

初めの頃は1回目から大きく撒いていたが、後に制限時間いっぱいの時にのみ大きく撒くようになった。1回にとる塩の量は何と600gにもなったという。イギリス巡業で「ソルトシェイカー」と紹介され、日本でも「水戸泉といえば豪快な塩まき」として定着した。同時代で同様に大量の塩を撒く力士には朝乃若がおり、対戦した際には豪快に撒き上げる水戸泉と叩きつける朝乃若の両者の塩撒きに観客が沸いた。
水戸泉 眞幸(みといずみ まさゆき)

水戸泉 眞幸(みといずみ まさゆき)


本名 小泉 政人
生年月日 1962年9月2日
出身地 茨城県水戸市
身長 体重 192センチ 170.5キロ
所属部屋 高砂
改名歴 小泉 政人 → 水戸泉 政人 → 水戸泉 眞幸
初土俵 1978年3月
最終場所 2000年9月
最高位 関脇
年寄名跡 錦戸 政人 → 錦戸 将斗 → 錦戸 眞幸
得意手は突っ張り、左四つ、寄り、上手投げ。愛称は「水戸ちゃん」、「イズミちゃん」など、趣味は油彩画。

平成四年初場所 水戸泉×久島海

水戸泉は史上24人目の平幕優勝をしているので、人気もあった。相撲ファンには必ずと言って良いほどに記憶に残っている力士の一人だ。
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