【追悼・曙】どんな相手にも強かった最強横綱!強豪力士との対戦成績負け越しゼロ!
2024年5月27日 更新

【追悼・曙】どんな相手にも強かった最強横綱!強豪力士との対戦成績負け越しゼロ!

皆さんにとっての "歴代最強横綱" は誰でしょうか?大鵬?千代の富士?北の湖?貴乃花?白鵬?筆者個人的には、物心ついて見始めた輪湖時代から今日に至るまで、全盛期のみで見た場合、最強と思った横綱は "曙" です。客席まで吹っ飛ばすあの強烈な突き押しは衝撃的でした。そんな曙の記録を振り返ります。

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曙のプロフィール・通算成績

四股名:曙 太郎
最高位:第64代横綱
所属部屋:東関部屋
身長:203.0cm
体重:233.0kg

幕内優勝:11回
通算成績:654勝232敗181休 勝率.738
幕内成績:566勝198敗181休 勝率.741
幕内在位:63場所
横綱在位:48場所(2024年4月現在歴代6位)
年間最多勝:2回(1993年と2000年、いずれも76勝14敗)

初土俵:1988年3月場所
新入幕:1990年9月場所
引退時:2001年1月場所

【追悼 第64代横綱 曙】外国出身力士として初の横綱となった男 これまでの道のり

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若貴と同期で横綱は一番乗り!

曙の初土俵は1988年3月。あの若乃花・貴乃花兄弟と同期で、年齢(学年)では、曙は若乃花の一つ上、貴乃花の三つ上です。奇しくも三人は、十両・幕内昇進はほぼ同時期で、最終的には横綱まで上り詰めますが、初土俵からわずか5年という圧倒的なスピードで横綱に昇進したのは曙です。

三人の昇進時期を比較してみましょう。
貴乃花 若乃花
十両昇進 1990年3月 1989年11月 1990年3月
幕内昇進 1990年9月 1990年11月 1990年9月
大関昇進 1992年7月 1993年3月 1993年9月
横綱昇進 1993年3月 1995年1月 1998年7月
若貴兄弟が所属する藤島部屋(当時)には、他にも安芸乃島、貴闘力、貴ノ浪という強豪力士がそろっており、当時はその強さを象徴して "藤島軍団" と呼ばれていました。その点では、若貴兄弟に比べると、曙の方が強いライバルが多かったとも言えますが、実際には、横綱昇進まではこれら5人の力士に大きく勝ち越しており、曙の強さは比類なきものでした。

【緊急配信】曙よ ありがとう!突然の訃報に激戦を繰り広げたライバルが語る!

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10戦以上対戦した力士には負け越しゼロ!

全盛期の曙といえば、数回の突き押しで相手力士が土俵の外に吹っ飛ぶほどの破壊力で、凄まじい強さを見せつけていました。全盛期で見れば、「史上最強横綱は曙ではないか!?」という人も少なからずいるほどです。その傍証ともなるのが、強豪力士との対戦成績。なんと10戦以上対戦した力士の中で、負け越した力士は一人もいません

最高位関脇以上の力士に限定して、対戦成績を見てみましょう。
力士名 勝数 負数 力士名 勝数 負数
霧島 10 3 若乃花 18 17
琴錦 30 11 貴闘力 28 15
貴乃花 21 21 出島 6 6
千代大海 7 4 土佐ノ海 14 4
栃乃洋 7 3 栃乃和歌 12 7
武蔵丸 22 16 魁皇 25 6
安芸乃島 30 8 貴ノ浪 34 5
琴ノ若 23 2 玉春日 8 3
小錦 9 8 寺尾 14 3
水戸泉 11 0 栃東 9 4
武双山 22 6
若貴とは互角。水戸泉には11戦無敗。名大関として名高い魁皇、貴ノ浪に至っては、それぞれ25勝6敗、34勝5敗とほぼカモにしています。

最強のライバル・貴乃花とは、最終的には21勝21敗のタイですが、曙が1994年に怪我をするまでは、13勝7敗と圧倒していました。

貴乃花 対 曙 〜永遠のライバル対決〜 1

貴乃花 対 曙 〜永遠のライバル対決〜 1

横綱在位48場所は歴代6位!

1994年5月場所前に怪我をして以降は、故障がちになり、休場が多くなります。怪我をする直前の2年間は12場所中7場所も優勝するほどの強さでしたが、怪我をした後引退までの7年間は、優勝4場所、休場13場所(途中休場含む)。貴乃花との対戦成績も8勝14敗と逆転してしまいます。

しかし、驚くべきは、力士生命を脅かす怪我をしたにもかかわらず、その後41場所も横綱に在位したことです。横綱の通算在位48場所は、2024年4月現在で歴代6位の記録です。しかも、曙の引退は2001年1月場所ですが、引退直前の2000年は全盛期に匹敵するほどの好成績でした。

2000年の成績を見てみましょう。
場所 勝敗 結果
2000年1月 11勝4敗
2000年3月 12勝3敗 準優勝
2000年5月 13勝2敗 準優勝
2000年7月 13勝2敗 優勝
2000年9月 13勝2敗 準優勝
2000年11月 14勝1敗 優勝
特に2000年11月場所は、引退直前の場所にもかかわらず、14勝1敗という圧倒的な強さで優勝。この年は、1993年以来二度目の年間最多勝(76勝14敗)も達成しています。

しかし、翌2001年に怪我の状態が悪化し、膝の状態が限界に。優勝からわずか2ヶ月後、2001年1月場所終了直後に現役引退を表明しました。前場所に優勝を見たばかりの相撲ファンにとっては、ショックが大きかったことでしょう。常に引退と背中合わせで、ギリギリのところで力士を続けてきたことを示唆するようなエピソードです。

引退後は、総合格闘家、プロレスラーとしても活躍したことは言うまでもありません。

往時の活躍に思いを馳せ、曙太郎さんのご冥福をお祈りいたします。

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