まずは、このセットの解説から。
このセットは、前回のMSハンガー同様に、雑誌付録のガンプラ用アフターパーツである。
セットは二つ、AとBがあり、その違いは、Aにはビーム・ジャベリンとスーパー・ナパーム、Bにはガンダム・ハンマーが付属しており、後は成型色が異なるだけで、メインの武装パーツは共通している。
この付録メインの武装パーツは、二連装キャノン、シールド&ビームサスマタという組み合わせで、これらの装備は、当時『月刊ガンダムエース』で連載されていた漫画『ガンダムビルドファイターズA』に登場する装備であった。
このセットは、前回のMSハンガー同様に、雑誌付録のガンプラ用アフターパーツである。
セットは二つ、AとBがあり、その違いは、Aにはビーム・ジャベリンとスーパー・ナパーム、Bにはガンダム・ハンマーが付属しており、後は成型色が異なるだけで、メインの武装パーツは共通している。
この付録メインの武装パーツは、二連装キャノン、シールド&ビームサスマタという組み合わせで、これらの装備は、当時『月刊ガンダムエース』で連載されていた漫画『ガンダムビルドファイターズA』に登場する装備であった。
ちなみに、ここで付属してくる二連装キャノンとシールドを、あえて接続して左腕に装着した状態は、あきらかに80年代初頭のガンプラブームの中で生み出されたオリジナルガンダム機体・フルアーマーガンダムへのオマージュで構成されている。
もっとも、これらの武装パーツは、アニメ展開もしていた『ガンダムビルドファイターズ』(2013年)の商品展開のレギュレーションに基づいており、他の様々なアタッチメントやバックパック、各武装に装着しての、バラエティ豊かな遊び方が前提として存在し、ビームジャベリン、スーパー・ナパーム、ガンダム・ハンマーなどの、マイナー過ぎるチョイスは、その「イマドキのガンプラ遊びの流れ」に、筆者たちオールドファンを巻き込もうというプレゼンが透けて見える商品構成と言えた。
もっとも、これらの武装パーツは、アニメ展開もしていた『ガンダムビルドファイターズ』(2013年)の商品展開のレギュレーションに基づいており、他の様々なアタッチメントやバックパック、各武装に装着しての、バラエティ豊かな遊び方が前提として存在し、ビームジャベリン、スーパー・ナパーム、ガンダム・ハンマーなどの、マイナー過ぎるチョイスは、その「イマドキのガンプラ遊びの流れ」に、筆者たちオールドファンを巻き込もうというプレゼンが透けて見える商品構成と言えた。
筆者の再現画像では、スーパー・ナパームを抱えたカットは再現せず、ガンダム・ハンマーもHG Ver.G30th付属の物で撮影をしたので、ここからは、唯一の入手目的であったビーム・ジャベリンについて、少し解説を加えたいと思う。
ビーム・ジャベリンは、論理的にはビーム・サーベルのリミッターを解除して、サーベルの柄の部分が延長され、その先端にメガ粒子が三叉状態で展開する武器。
ビーム・サーベルがあくまで剣であったり刀であったりする殺陣の武器とするのであれば、槍の演出や効果を狙った武器として設定された。
『機動戦士ガンダム』第11話『イセリナ恋の後』で、ビーム・サーベルのメンテナンス中にアムロが用法を発見し、実戦で使用したという形で初登場した後、何度かビーム・サーベルの応用兵器として登場し、第21話『激闘は憎しみ深く』では、投擲武器としても使用され、ハモンが乗るギャロップを撃破した。
ビーム・サーベルがあくまで剣であったり刀であったりする殺陣の武器とするのであれば、槍の演出や効果を狙った武器として設定された。
『機動戦士ガンダム』第11話『イセリナ恋の後』で、ビーム・サーベルのメンテナンス中にアムロが用法を発見し、実戦で使用したという形で初登場した後、何度かビーム・サーベルの応用兵器として登場し、第21話『激闘は憎しみ深く』では、投擲武器としても使用され、ハモンが乗るギャロップを撃破した。
しかし、ビーム・ジャベリンは、ガンダムハンマー、Gアーマーと共に、スポンサー玩具メーカーのクローバーによる要請で出されたものであったので、劇場版では、Gアーマー、ガンダムハンマーと共にその存在を最初からなかったことにされたので、劇場版しか観たことがない人には、まったく未知の武器であるとも言えた。
テレビ版で、ハモンのギャロップを破壊するシーンでは、ガンダムがビーム・ライフルを撃つ新作画が挿入された。
これはシミルボンの『機動戦士ガンダムを読む!』でも触れたが、『ガンダム』は、超人気コンテンツでありながら、映像のソフト権利が複雑で、ビデオソフトもDVDも、まずは劇場版がかなり映像ソフトビジネスとしては遅いタイミングで発売されて、さらに数年経ってからようやくテレビシリーズが発売されるという流れが多い。
テレビ版で、ハモンのギャロップを破壊するシーンでは、ガンダムがビーム・ライフルを撃つ新作画が挿入された。
これはシミルボンの『機動戦士ガンダムを読む!』でも触れたが、『ガンダム』は、超人気コンテンツでありながら、映像のソフト権利が複雑で、ビデオソフトもDVDも、まずは劇場版がかなり映像ソフトビジネスとしては遅いタイミングで発売されて、さらに数年経ってからようやくテレビシリーズが発売されるという流れが多い。
そして『ガンダム』は、映画版の出来がすこぶる良く、作画に至っては3作目辺りになると、比較にならないぐらいに劇場版のクオリティが高い(=テレビ版の作画が酷い)ため、ともすると「劇場版三部作だけ観ておけば『ガンダム』に関してはほぼ大丈夫」という誤解を招きやすいことも手伝って、特にテレビシリーズのLDソフトと、レンタル用のビデオソフトが販売される1998年(そう、20周年まで、テレビシリーズは全話ビデオが発売されていなかったのだ)までは、テレビ放映の家庭用ビデオ録画版を持っている人以外は、劇場版を観るしかなかったのだ。
そうなると、メカ的にもストーリー的にも、ブラッシュアップとしてのパラレルになっているテレビ版と劇場版では、自然と劇場版が正史扱いを受けるようになっていき、そうなると必然的に、Gアーマーやビーム・ジャベリンや、ジオンのモビル・スーツ、ギャン等は、まるで最初からなかったかのような扱いが、特にガンプラや関連商品の世界ではまかりとおってしまった。
そうなると、メカ的にもストーリー的にも、ブラッシュアップとしてのパラレルになっているテレビ版と劇場版では、自然と劇場版が正史扱いを受けるようになっていき、そうなると必然的に、Gアーマーやビーム・ジャベリンや、ジオンのモビル・スーツ、ギャン等は、まるで最初からなかったかのような扱いが、特にガンプラや関連商品の世界ではまかりとおってしまった。
劇場版のLDソフトが発売された直後に展開が開始されたHGUCで、そのトップバッターが、ガンキャノンとギャンだったのも、あえて「HGUCは、どんなマイナーなモビル・スーツだろうと、要望があれば商品化します」アピールを狙った感があったものと思われる。
今回紹介するビーム・ジャベリンも、まだ劇場版が上映開始されるタイミングの、1981年4月に発売された、1/144 武器セットでは、ヒート・ホークやハイパー・バズーカ、ザクの三連ミサイルポッド等と共に、拙いながらもラインナップには入っていた。
しかし、その後の劇場版正史扱い至上主義の流れの中では、Gアーマーと共に、ロストテクノロジー、オーパーツ化されたという感覚は否めない。
ただ、Gアーマーに関しては、『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)のGフォートレスからガンダムZZへの変形が、「Gアーマーがガンダムになる」という裏コンセプトを持っていたり、隠れたファンや需要はあったのだが(しかし今度は、2006年になって、劇場化された『機動戦士Ζガンダム A New Translation -星の鼓動は愛-』のラストが、『ガンダムZZ』の始まりに繋がらないという新たなパラレルを生んでしまったのも皮肉な結果だった)、あくまでガンダムマニアのGアーマーへの認識は「玩具会社に登場を強制された、ガンダム世界には似つかわしくない合体玩具メカ」という域を出ず、完成品フィギュアや立体物が、1990年代からぽつぽつ出始めた時も「あえて“あの”玩具デザインをリアルにしてみせる」や、ネタ的要素での商品化が多かった。
今回紹介するビーム・ジャベリンも、まだ劇場版が上映開始されるタイミングの、1981年4月に発売された、1/144 武器セットでは、ヒート・ホークやハイパー・バズーカ、ザクの三連ミサイルポッド等と共に、拙いながらもラインナップには入っていた。
しかし、その後の劇場版正史扱い至上主義の流れの中では、Gアーマーと共に、ロストテクノロジー、オーパーツ化されたという感覚は否めない。
ただ、Gアーマーに関しては、『機動戦士ガンダムZZ』(1986年)のGフォートレスからガンダムZZへの変形が、「Gアーマーがガンダムになる」という裏コンセプトを持っていたり、隠れたファンや需要はあったのだが(しかし今度は、2006年になって、劇場化された『機動戦士Ζガンダム A New Translation -星の鼓動は愛-』のラストが、『ガンダムZZ』の始まりに繋がらないという新たなパラレルを生んでしまったのも皮肉な結果だった)、あくまでガンダムマニアのGアーマーへの認識は「玩具会社に登場を強制された、ガンダム世界には似つかわしくない合体玩具メカ」という域を出ず、完成品フィギュアや立体物が、1990年代からぽつぽつ出始めた時も「あえて“あの”玩具デザインをリアルにしてみせる」や、ネタ的要素での商品化が多かった。
しかし、LDソフト化以降は、ようやくガンダムマニア諸氏も、テレビと映画がそれぞれ独立しつつも、そこに上下の差異はないパラレルであることを受け入れはじめ、2006年にテレビ版DVD-BOXが発売される直前期には、2004年にHGUC 050 で、DVD発売後の2009年にはMG 121で、それぞれGアーマーが発売され、その存在価値の帰結的完全な復権を果たしたのである。
ここまでなぜ、Gアーマーの話題を長々書いたかというと、「テレビ版では描かれていたが、劇場版では存在が抹殺された」メカや小道具という意味では、ギャンや耐熱フィルムと、Gアーマーやビーム・ジャベリン、そしてハイパー・ハンマーなどは少し立ち位置が違うからである。
しかし、ギャンもGアーマーも四半世紀の時を経て復権を果たしたが、ビーム・ジャベリンとハイパー・ハンマーはそれでも鬼子で水子のままであったのだ。
そこで、今回のビーム・ジャベリンの(雑誌の付録とはいえ)正規バンダイの商品化である。
未だ、ハイパー・ハンマーは、1/100でこそ、それこそGアーマーのキットにオマケとして付属してきた(これだけで、これら「クローバーメカ」のガンプラでの扱いがお判りいただけると思う)が、未だ1/144では、1981年の武器セットの物を使うしか選択肢はない。
ここまでなぜ、Gアーマーの話題を長々書いたかというと、「テレビ版では描かれていたが、劇場版では存在が抹殺された」メカや小道具という意味では、ギャンや耐熱フィルムと、Gアーマーやビーム・ジャベリン、そしてハイパー・ハンマーなどは少し立ち位置が違うからである。
しかし、ギャンもGアーマーも四半世紀の時を経て復権を果たしたが、ビーム・ジャベリンとハイパー・ハンマーはそれでも鬼子で水子のままであったのだ。
そこで、今回のビーム・ジャベリンの(雑誌の付録とはいえ)正規バンダイの商品化である。
未だ、ハイパー・ハンマーは、1/100でこそ、それこそGアーマーのキットにオマケとして付属してきた(これだけで、これら「クローバーメカ」のガンプラでの扱いがお判りいただけると思う)が、未だ1/144では、1981年の武器セットの物を使うしか選択肢はない。
一方でビーム・ジャベリンは、やはりこちらも1/100では、2008年に発売された、MGガンダムVer.2.0に付属されていたが、1/144ではどのガンダムにも付属されず、今回のガンダム対応武器セットAで、34年ぶりの正式キット化となったという流れである(なんの因果か、とことん歴史は残酷なのか。この商品のバリエーションであるガンダム対応武器セットBに付属するのは、ハイパー・ハンマーではなく、ガンダム・ハンマーの方であった)。
この商品に含まれているビーム・ジャベリンの方に話題を移せば。
確かにビーム・ジャベリンといえば、先端の球状三又ビームがなければ「ただの棒」でしかないわけで(実際、1981年の武器セット版は、あまりにも短い「ただの棒」だったので、今回はさすがに使えなかった)、しかし、このセット版では、雑誌の付録のコストの問題からか、クリアパーツが使えないので、白の成型色のままのプラパーツで、ビーム部分が形成されている。
傍目には、ちょっと柄の長いチュッパチャプスのようにも見える滑稽さがあるが、少なくとも筆者の使い道の場合は、ビーム部分はクリアパーツであろうと非クリアであろうと、結局は上からフォトショップでピンクを描画してしまうので関係がない。
この商品に含まれているビーム・ジャベリンの方に話題を移せば。
確かにビーム・ジャベリンといえば、先端の球状三又ビームがなければ「ただの棒」でしかないわけで(実際、1981年の武器セット版は、あまりにも短い「ただの棒」だったので、今回はさすがに使えなかった)、しかし、このセット版では、雑誌の付録のコストの問題からか、クリアパーツが使えないので、白の成型色のままのプラパーツで、ビーム部分が形成されている。
傍目には、ちょっと柄の長いチュッパチャプスのようにも見える滑稽さがあるが、少なくとも筆者の使い道の場合は、ビーム部分はクリアパーツであろうと非クリアであろうと、結局は上からフォトショップでピンクを描画してしまうので関係がない。
その上で、柄部分に丁寧に刻み込まれた「ジャベリンならではのディテール」を、丁寧に墨入れしていくだけで、充分「ビーム・ジャベリンとして」のアイデンティティ、存在価値には繋がった。
多少、アニメ劇中設定よりも柄が長すぎる印象もあるが、これはこれで、柄が短すぎた81年武器セット版の反動だと思えば微笑ましいというとほめ過ぎか。
どちらにしても、筆者がやっているような再現画像は、こうした「ちょっとした小道具」があるかないかで、ずいぶんと仕上がりの印象が違ってくるのでありがたい。
この付録セットは、今でもヤフオクでは安価で見かけるので、手持のガンダム(イマドキのHGやRGなら、どれでもこれを握ることは出来る)に、ビーム・ジャベリンを握らせて、イセリナやハモンの悲劇に思いを馳せたい人には、是非お勧めの小道具である。
多少、アニメ劇中設定よりも柄が長すぎる印象もあるが、これはこれで、柄が短すぎた81年武器セット版の反動だと思えば微笑ましいというとほめ過ぎか。
どちらにしても、筆者がやっているような再現画像は、こうした「ちょっとした小道具」があるかないかで、ずいぶんと仕上がりの印象が違ってくるのでありがたい。
この付録セットは、今でもヤフオクでは安価で見かけるので、手持のガンダム(イマドキのHGやRGなら、どれでもこれを握ることは出来る)に、ビーム・ジャベリンを握らせて、イセリナやハモンの悲劇に思いを馳せたい人には、是非お勧めの小道具である。