NHK大河ドラマの「社会的影響力」:流行語の発生・ドラマゆかりの地への観光の起爆剤としての効果
2016年3月27日 更新

NHK大河ドラマの「社会的影響力」:流行語の発生・ドラマゆかりの地への観光の起爆剤としての効果

NHK大河ドラマは1年という放送期間の長さ、ご当地番組的な要素があるため、関連する舞台への観光が急激に盛り上がるなど、かなりの地域活性化=経済効果があります。1987年の「政宗ブーム」のように大河がヒットすればするほど、大きな大河ドラマバブルが起きました。また大河ドラマの社会的影響力の強さから、数多くの流行語も生まれました。大河ドラマに出演したことで一流スターの仲間入りを果たした俳優も多いです。社会的影響力が大きかった高視聴率の代表的な大河ドラマをピックアップして、ドラマから流行語が生まれ、観光への起爆剤となった流れを振り返ってみましょう。

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春日局(おふく):大原麗子

春日局(おふく):大原麗子

おふく
演:大原麗子(幼年期:安間千紘→尾羽智加子)

本作の主人公。明智光秀の家臣、斎藤利三とその妻・お安の間に生まれた娘。

幼少の頃、父が戦で死亡、祖母の実家である三条西家で身分を隠すため下働きとして奉公した。後、母と共に母の実家である稲葉家で育つ。夫・稲葉正成が浪人している際、将軍家で乳母を捜しているという話をもらい、正成との婚姻関係を維持したまま徳川家に奉公にあがる。

当初、乳母としての勤めは数年程度という予定であったが、家康にその力量を認められたことなどから長期に渡り乳母として江戸に留まることになり、次第に将軍家の世継を育てることに大きな使命感を抱くようになる。

なお劇中では、春日局の名前を拝命した後も役名は最後まで「おふく」のままであった。
(出典:Wikipedia「春日局 (NHK大河ドラマ)」)
それまで「強い女」「烈女」のイメージが強かった春日局を...

それまで「強い女」「烈女」のイメージが強かった春日局を、平和な世を希求し、献身的に家光の母代わりになろうと生きた女性として描く。

主演の大原麗子は5回目の大河ドラマ出演となる。

「お局様」という流行語を生み出した

NHK大河ドラマ『春日局』(1989年)の大ヒットの影...

NHK大河ドラマ『春日局』(1989年)の大ヒットの影響で「お局様」という(皮肉的な)呼び方が古参OLに対して使われるようになった。

「お局様」という流行語を生み出した作品。
おつぼねが悪いイメージを伴い、現代の古参OLに対して使われるようになったのは、1989年に放送された大原麗子出演のNHK大河ドラマ『春日局』がキッカケで、同年は流行語的に使われた。

また、おつぼねさまと丁寧な言い回しも使われるが、意味自体に差異はなく、かえって皮肉や嫌みが込められた感もある。

NHK大河ドラマ『春日局』(1989年)の大ヒットをきっかけに、徳川家光、春日局ゆかりの埼玉県川越市の「喜多院」等への観光人気が高まる

NHK大河ドラマ『春日局』(1989年)をきっかけに、...

NHK大河ドラマ『春日局』(1989年)をきっかけに、徳川家光、春日局ゆかりの埼玉県川越市の「喜多院」等への観光人気が高まる

喜多院(きたいん)は、埼玉県川越市にある天台宗の寺院。山号は星野山(せいやさん)。
良源(慈恵大師、元三大師とも)を祀り川越大師の別名で知られる。建物はほとんどが重要文化財に指定され、寺宝にも貴重な美術工芸品を多く有する。広大な境内は池や掘を廻らせた景勝地となっている。

1月3日の初大師(だるま市)、節分、長月護摩講塔、七五三、菊祭りなど諸行事はもちろん、四季折々の行楽客で賑わう。境内にある五百羅漢の石像も有名である。

慶長4年(1599年)、徳川家の尊崇が厚かった天海僧正が第27世住職として入寺し、寺号を喜多院と改めた。川越藩主となった老中・酒井忠利は喜多院の再興に当たった。

慶長18年(1613年)には徳川秀忠の関東天台法度により関東天台総本山と定められ、500石の寺領を賜った。

寛永15年(1638年)、川越大火で山門と経蔵以外の伽藍を焼失するが、翌年、徳川家光の命で、江戸城紅葉山御殿の一部を移築した。

これが今に残る客殿、書院、庫裏であり、これらを運ぶために新河岸川の舟運が開かれた。川越藩主を経て幕閣で老中にあった堀田正盛は喜多院や仙波東照宮再建の奉行を命ぜられ、天海を助けた。4代将軍・徳川家綱は200石を加増し750石・寺域48,000坪の大寺となり、徳川家に厚く保護され隆盛した。
(出典:Wikipedia「喜多院」)
書院(春日局化粧の間) - 川越大師 喜多院

書院(春日局化粧の間) - 川越大師 喜多院

徳川家康の信任を得ていた天海僧正が第27世住職になると、幕府からの厚い庇護を受け、江戸城から豪華な壁画や墨絵で装飾された「客殿」と呼ばれる家光誕生の間や、3代将軍家光の乳母として知られる春日局が使用していた「書院」と呼ばれる春日局化粧の間などが移築された。

NHK大河ドラマ『赤穂浪士』(1964年) 大石内蔵助:長谷川一夫 平均視聴率31.9%・浪士の討入りが放送された回には視聴率53.0%

NHK大河ドラマ『赤穂浪士』(1964年) 大石内蔵助...

NHK大河ドラマ『赤穂浪士』(1964年) 大石内蔵助:長谷川一夫 平均視聴率31.9%・最高視聴率53.0%

『赤穂浪士』(あこうろうし)は、1964年1月5日 - 12月27日にNHKで放映された2作目の大河ドラマ。

原作は、大衆文学の重鎮である大佛次郎の大作『赤穂浪士』。主役の大石内蔵助に大映の看板俳優で後に国民栄誉賞を受賞する長谷川一夫を担ぎ出し、歌舞伎界や新劇界の大物、歌謡界の人気アイドルまでも起用し、前作『花の生涯』を上回る豪華キャストの競演で話題を集めた。

赤穂四十七士たちの討ち入りを決意するまでの苦悩や葛藤、彼らに関わる人々の思惑などを1年間かけてじっくりと描き出す大河ドラマならではのストーリー展開で、その結果視聴率は優に30%を超え、浪士の討入りが放送された回には視聴率53.0%という大河ドラマ史上最高視聴率記録をも打ち立てた。

この記録は2010年現在まで未だに破られていない。ただし、この当時は大河ドラマはまだ日曜午後8時からの放送ではなかった(当時、日曜午後8時枠はコメディドラマの『若い季節』であった)。全話の平均視聴率は31.9%で歴代4位(2011年現在)。

大河ドラマの名称は、この『赤穂浪士』放送中に、読売新聞が外国の大河小説に倣って、前作『花の生涯』で井伊直弼、今作『赤穂浪士』で大石内蔵助の生涯を描くことから、「大河ドラマ」と呼称したことに由来する。
(出典:Wikipedia「赤穂浪士 (NHK大河ドラマ)」)
大石内蔵助に大映の看板俳優で後に国民栄誉賞を受賞する長...

大石内蔵助に大映の看板俳優で後に国民栄誉賞を受賞する長谷川一夫を起用

NHK大河ドラマ「赤穂浪士」(1964年) 芥川也寸志のテーマ曲「メインテーマ」 - YouTube

芥川也寸志のテーマ曲も話題となった。この曲は芥川が新東宝映画『たけくらべ』(1955年)の主題曲を使い回ししたものだったが、板ムチによるビシッ、ビシッという音が討ち入りの厳しさを感じさせ、視聴者の共感を得て、レコードも発売された。

現在でも「忠臣蔵といえばこの音楽」というイメージが定着している。また「大河のテーマは交響楽」というイメージも定着し、翌年からのNHK交響楽団によるテーマ演奏へとつながった。
(出典:Wikipedia「赤穂浪士 (NHK大河ドラマ)」)

『赤穂浪士』第47話(1964年11月22日)「討入り」 大河ドラマ史上最高視聴率記録の視聴率53.0%

『赤穂浪士』第47話(1964年11月22日)「討入り...

『赤穂浪士』第47話(1964年11月22日)「討入り」 大河ドラマ史上最高視聴率記録の視聴率53.0%

浪士の討入りが放送された回には視聴率53.0%という大...

浪士の討入りが放送された回には視聴率53.0%という大河ドラマ史上最高視聴率記録をも打ち立てた。

この記録は2010年現在まで未だに破られていない。
『赤穂浪士』第47話(1964年11月22日)「討入り...

『赤穂浪士』第47話(1964年11月22日)「討入り」 視聴率53.0%

赤穂浪士の故郷「赤穂」 赤穂四十七士の祭られている場所「大石神社」(上仮屋)・赤穂浪士ファンだったら見逃せない観光スポット「花岳寺」(加里屋)

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