サッカーボールといえばモルテンタンゴだった少年時代、FIFAワールドカップ公式球の歴史を振り返る。
2016年5月30日 更新

サッカーボールといえばモルテンタンゴだった少年時代、FIFAワールドカップ公式球の歴史を振り返る。

サッカーボールといえば「モルテン」のモルテンタンゴシリーズが一般的だった1980年代。見慣れたモルテンタンゴについて、そしてサッカーボールのイメージに影響を与えるFIFA公式球の歴史について振り返ります。

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エトルスコ・ユニコ

エトルスコ・ユニコ

Etrusco Unico(エトルスコ・ユニコ)は、アディダス社製の1990 FIFAワールドカップ イタリア大会に使用された公式球。

FIFAワールドカップ公式球(1994)

クエストラ

クエストラ

クエストラ (Questra) とは、1990年代の中頃、サッカーの主要な国際大会のためアディダスによって作られたサッカーボールの系列。初代クエストラは1994年FIFAワールドカップの大会公式試合球である。

初代クエストラは、先端技術を導入した最初のワールドカップ公式球とされている。復元力の高い白色ポリエチレンフォームの層が使用されており、アディダスはこれによりボール制御のしやすさと反発スピードが得られたとしている。こうした技術の導入は、国際サッカー連盟 (FIFA) が前大会でのゴールの少なさから、多く得点の入るスポーツに慣れ親しんでいるアメリカでの興業面を憂慮し、得点の入りやすいボールの開発をアディダスに依頼したことに起因するとも言われる。

クエストラ系列の初代は「クエストラ」とだけ呼ばれ、1994年FIFAワールドカップ アメリカ大会の公式球として設計された。このボールが好評を博したため、1996年、後継の2種のクエストラが発表された。その1つが1996年アトランタオリンピックでの公式球である「クエストラ・オリンピア」、もう1つが1996年欧州選手権の公式球として作られた「クエストラ・エウロパ」である。

クエストラ系列の最後のものは「クエストラ・アポロ」であり、これは1996年-1997年シーズンに、スペインのリーグとナショナルチームの試合で使用された。クエストラ・アポロは、表面デザインを含めて実質的に初代クエストラと同一で、違いはスペインサッカー連盟のロゴが表面に印刷されている点のみである。

FIFAワールドカップ公式球(1998)

トリコロール

トリコロール

トリコロール(Tricolore)は、アディダス社製のサッカーボールであり、1998年FIFAワールドカップフランス大会に使用された公式球である。

名称はフランスの国旗の通称に由来している。ワールドカップ公式球で最初に多色刷りされたサッカーボールであると同時に1978年から使用された古典的なタンゴデザインの最後のワールドカップ公式球である。

1990年代後半、国際労働機関の調査により児童労働により生産されるサッカーボールの実態が明らかになり、国際的な問題となったことから、国際サッカー連盟は、児童労働を含む労働条件の改善を図るため、サッカーボールのライセンス制度を厳格化した。トリコロールは、こうした措置を踏まえた初のワールドカップ公式球という記念碑的存在となっている。

FIFAワールドカップ公式球(2002)

フィーバーノヴァ

フィーバーノヴァ

フィーバーノヴァ(Fevernova)はアディダス製のサッカーボールで、2002 FIFAワールドカップの大会公式試合球である。

サッカーボールは従来どおりの五角形の革12枚と六角形の革20枚で構成された切頂二十面体のボールである。しかし、デザインは1978 FIFAワールドカップの公式使用球Tangoから伝統的に使用されつづけたものから脱却が図られ、色鮮やかで革新的なデザインとなっている。

そのデザインの最大の特徴は、トライゴンと呼ばれる4つの図形から成るグラフィックである。これは、金色の部分は日本と韓国がワールドカップの為に努力するエネルギーを、炎は両国の経済成長の原動力となった火を、4つの三角形状の模様は両国の均衡した産業の成長をイメージしたものである。また、この形は開発が進められていた新型のサッカーボールチームガイストのパネルの形状の一つがひそかにあらわされたものとも言われている。

また、ボールの正確さも特徴で、ガスを充満させた小さなカプセルをマトリックス状の素材「シンタクティックフォーム」をボール表皮に注入する技術を使用し、弾力と回転力を一層高めている。

FIFAワールドカップ公式球(2006)

チームガイスト

チームガイスト

チームガイスト(+Teamgeist™)はアディダス製のサッカーボールで、2006 FIFAワールドカップの大会公式試合球である。この他にアディダスがエクイップメントを提供しているリーグやクラブでも使われている。正式には「プラス チームガイスト」という。

ガイスト(geist)とはドイツ語で精神を表し、英語ではspiritに対応する。即ち、teamgeistを英訳すると、Team spirit(チームスピリット)に相応し、これは日本語でも外来語として取り入れられているものに相応する。

本大会の組み合わせ抽選会が行われたライプツィヒで全世界に向けて初めて公開された。
実際にはチームガイストに日本から参画したモルテンから提供された技術が使われ、製品もモルテンからアディダスへOEM供給されている。

また、アディダスがユニフォームを提供しているドイツ、アルゼンチン、フランス、スペイン、日本、トリニダード・トバゴのドイツ大会用のユニフォームの左袖には、チームガイストのロゴがプリントされている。

2007年にはこれを改良した「チームガイストII」が発表され、このボールは北京オリンピックの公式試合球として使われる。

FIFAワールドカップ公式球(2010)

ジャブラニ

ジャブラニ

ジャブラニ(JABULANI)はアディダス社のサッカーボールで、2010 FIFAワールドカップ(W杯)・Jリーグにおける公式試合球である。

「JABULANI」とは、ワールドカップ開催国である南アフリカ共和国の公用語のひとつ・ズールー語で「祝う」「祝杯」という意味である。これまでのアディダス社製ボール同様、実質モルテンが設計・生産のアウトソーシングを受けている。

天候に左右されないキックの安定性を得るため、表面皮革パネル数を2006年大会使用球「チームガイスト」の14枚から6枚減らし、トライポッド型のパネル4枚、トライアングル型のパネル4枚を組み合わせた、計8枚としている。またこの皮革には特殊なデザインが施され、これを組み合わせることにより「より完全な球体」へと近づけることができたという。さらに表面上には濡れた際の滑りやすさを抑えるための凹凸が施されている。これにより「無回転シュート」のボール変化は通常より大きくなるとされ、さらにワールドカップが行なわれる南アフリカでは試合会場の多くが標高1000m以上の高地にあることから、気圧によって特にロングキックやミドルシュートにおける伸び・変化はさらに大きくなると指摘されている。また、縫い目が少ないだけでなく不均一であることも、一つの要因とする指摘もある。

表面には11色を使用したデザインが施されている。この「11」という数字には
11番目のワールドカップ公式球
南アフリカの公用語の数
サッカーの1チームあたりのプレイヤー数
が込められている。
前述のワールドカップの他、2010年のJリーグやドイツ・ブンデスリーガ2009-10(シーズン後半のみ)、同年の東アジアサッカー選手権の公式試合球としても使用された。

FIFAワールドカップ公式球(2014)

ブラズーカ

ブラズーカ

ブラズーカ(ブラジルポルトガル語: Brazuca)は2014年にブラジルで開催された2014 FIFAワールドカップの公式球である。ブラズーカは国際サッカー連盟(FIFA)のオフィシャルパートナーであり、1970年以降FIFAワールドカップの歴代公式球を制作してきたアディダスによって制作された。ブラズーカはサッカーファンにより名称が決定された初のFIFAワールドカップ公式球である。

ボールの名称は100万人を超えるブラジル人サッカーファンによる一般投票の結果、2012年9月2日にブラジルのW杯運営委員会とアディダスから発表された。「ブラズーカ」は全投票数の77.8%を獲得して選出された。

FIFAによれば、「非公式用語のブラズーカはブラジル人の間で国の誇りを表す言葉として使用されて」おり、「誇り、好意などすべての感情を象徴するサッカーに対するブラジル人のアプローチを映し出した」言葉であるとしている[1]。ブラズーカは「ブラジル人」という意味のスラングとしても使用されており、在外ブラジル人の間でも使用されているためブラジル国外でも有名な言葉となっている。他の投票候補はボサノヴァ (全投票数の14.6%)やカルナヴァレスカ(Carnavalesca、カーニバルを意味する、全投票数の7.6%)だった。
私たちが一般的にサッカーボールとしてイメージしているものは1970・1974年のFIFAワールドカップ公式球「テルスター」のデザインイメージなんですね。
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