革新的な音楽と共に幻想的なアルバム・ジャケットが魅力のイエス
2016年8月5日 更新

革新的な音楽と共に幻想的なアルバム・ジャケットが魅力のイエス

革新的な音楽スタイルで一世を風靡したイエス。時代とともにその音楽は変化してきましたが、今なお変わらないのがアルバムジャケット等を担当するロジャー・ディーンのアートワークです。今では音楽よりもアルバム・ジャケットの方が楽しみなくらいです。

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イエスには6人目のメンバーがいる

Yes

Yes

イエスの活動期間は長い。「イエス・ファースト・アルバム - Yes」を1969年に発売以来、現時点での最新アルバムとなる「 “危機”&“こわれもの”完全再現ライヴ〜ライヴ・イン・アリゾナ 2014 」を2015年に発売しています。
その間、メンバーの入れ替えは頻繁に行われてはいますが、これほど長い期間活動できるバントは、音楽界の宝です。

そのイエスが独自のサウンドを確立するのは、1971年に発売された4枚目のアルバム「こわれもの - Fragile」でしょう。
当時のメンバーは、
クリス・スクワイア(ベース)
ジョン・アンダーソン(ボーカル)
ビル・ブルーフォード(ドラムス)
スティーヴ・ハウ(ギター)
リック・ウェイクマン (キーボード) の5人です。

リック・ウェイクマンはこのアルバムから解雇されたトニー・ケイに代わり参加しています。
イエスの長い歴史の中でも最強のラインナップですね。
こわれもの

こわれもの

1971年リリース
このアルバムを発表した瞬間に YES は永遠に語り継がれるバンドになった。ここに集まった5人は圧倒的なテクニックを持ったプレイヤーたちだ。当時のプログレッシブ・ロック・シーンにおいても彼らの登場は衝撃的であった。
 乱暴な言い方を許してもらえば、EL&P が5人になったようなものだ。しかも、そこにはとんでもないギタリスト、スティーブ・ハウがいる。更にグレッグ・レイクとはタイプの異なるクリス・スクワィヤがいる。クリスは普通のベーシストではない。4弦ギターを弾くギタリストだ。彼はベース音を出しているのではなく明らかにメロディを弾いている。
リック・ウェイクマンと同じくこのアルバムからイエスに参加することになったのが、ロジャー・ディーンです。
ロジャー・ディーンは、イエスのアート・ワークを担当しており、そのあまりにも個性的なイラストやデザインはイエスのイメージを決定してしまうほどで、6人目のメンバーとも言われています。

しかし、このアルバムで使用されているイラストは、クリス・スクワイアのコメントによれば、「こわれもの」用に作成されたのではなく、既に出来ていたイラストを使用したとのことです。
なるほど、よく見るとあの印象的なイエスのロゴマークもまだ出来ていないですね。
なので、厳密な意味でイエスとロジャー・ディーンの共同作業は次作「危機」からということになります。
危機

危機

1972年リリース
出典 dendo.net
イエスの代表作とも最高傑作ともいわれている「危機」は、全3曲収録のトータル・コンセプト・アルバムです。

内容は確かに素晴らしいのですが、このアルバムデザインがまた何ともスゴイ!惚れ惚れしてしまう完成度です。ここでイエスのロゴも完成しています。
72年発表の5作目。イエスの代表作の一つというだけでなくプログレッシヴ・ロックを代表する作品。プログレの名盤3選でいうとクリムゾンの『宮殿』と本作は不動の位置付けであり、残りの一枚が人によって変化するわけで実質的な最高位の作品ということになるかと思う。チャート的にも英4位、米3位と大ヒット・アルバムと言っても良いと思う

YES - Close to the Edge - live 1972 HQ full version

アルバム「危機」の完了直後にビル・ブルーフォードが脱退し、アラン・ホワイトが参加します。

1972年7月からアメリカ・ツアーが行なわれ、翌1973年に3枚組のライヴ盤「イエスソングス - Yessongs」が発売されますが、アラン・ホワイトがドラムスを担当しているものの、曲によってはビル・ブルーフォード参加の曲も収録されています。
イエスソングス

イエスソングス

1973年リリース
評論家から『レコードと寸分変わらぬ完璧な演奏力』と評されただけの事はあります。全盛期のライブ演奏とあって完成度も非常に高く熱気も感じられます。特に楽曲『Siberian Khatru』と『Heart Of The Sunrise』の演奏は最高ですね。
イエスの演奏能力をライブで改めて示してみせたといってよいアルバムです。一方、6人目のメンバー、ロジャー・ディーンもこのアルバムでスタイルを確立しています。
ここからのアート・ワークは目も眩むほどに、どんどん完成度が上がっていくことになります。

同じ年にはスタジオ・アルバム「海洋地形学の物語 - Tales from Topographic Oceans」も発売されました。
これはなんとも大作で、LPレコードで2枚組ですが各面に1曲、合計全4曲というしろものです。
この量はプログレッシブ・ファンには嬉しいものとはいえ、通常のロック・ファンには聞くのに忍耐を要すると思われますが、それにも関わらず、全英1位、全米6位を記録する大ヒットとなったのですからいかに素晴らしいかがわかります。
海洋地形学の物語

海洋地形学の物語

1973年リリース
イエスの作品としても最も難易度が高いイメージがあるが、おそらくグループとして最も創作意欲が高く、勢いがあったあの時期でなくては作れなかったであろう、そして作っておいてもらって良かった作品だと思う。ある意味で特に収録時間という意味でイキすぎた作品と言えるが、その突出ぶりから熱心なイエス・ファンに愛されている作品でもあり、またプログレの全盛期を示す最良のサンプルの一つとも言えるかと思う。
「海洋地形学の物語」を聞きにくいと感じたのは一般のロック・ファンだけではなかったようで、リック・ウェイクマンもその一人でした。
アルバムに不満を感じ、ライブでそれらの曲を演奏することに飽き飽きしてしまったリック・ウェイクマンは、1974年5月にイエスを脱退しています。

新たなキーボード奏者にはパトリック・モラーツが参加することになり、新メンバーによる「リレイヤー」を1975年に発表します。
リレイヤー

リレイヤー

1975年リリース
このアルバムは即興演奏そして無調、他のアルバムにない緊張感が味わえる超傑作だとぼくは思っている。YESの全アルバムを俯瞰的に楽しむようになってからはその気持がますます強くなっている。このアルバムはメンバー全員の演奏能力がMAXに達した作品だとも感じる。特にスティーヴ・ハウのギターは過去のどのアルバムよりもハードで素晴らしい。また、このアルバムがYESの『大作主義』の最後の作品となり、以後のアルバムはある意味このアルバムを否定することによってスタートしているとも感じられる。

イエスの難曲中の難曲「サウンド・チェイサー」1975年のライブ

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