第3の宇宙刑事は青き若獅子「宇宙刑事シャイダー」
2017年1月31日 更新

第3の宇宙刑事は青き若獅子「宇宙刑事シャイダー」

「『宇宙刑事シャイダー』は1984年(昭和59年)3月2日から1985年(昭和60年)3月8日まで毎週金曜日19時30分から20時にテレビ朝日系で放送された全49話と劇場版2本公開の東映制作特撮テレビ映画。「宇宙刑事シリーズ」の第3弾である。では、その詳細を今一度見てみよう」

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大山小次郎(おおやま こじろう)

大山小次郎(おおやま こじろう)

演・鈴木正幸
 一条寺烈(ギャバン)、伊賀電(シャリバン)とも知己の元UFO専門のルポライター。2作から引き続き登場。今作ではペットショップ「モンキー」のオーナーとなる。やはり今作も様々な事件に巻き込まれてしまう。
 第17話で、古いSF専門雑誌から沢村大が二年前にナスカ平原で消息を絶った宇宙考古学の研究家(と誌上に紹介されていた)と知ってからは、自宅の二階に家賃タダで彼を下宿させている。
 また、彼が偶然知り得たフーマに関係する情報などを大、アニーが知る事もあり、相変わらず自覚無き協力者の一面を持っている。
大帝王クビライ

大帝王クビライ

声・飯塚昭三
 フーマの首領。1万2千年前に戦士シャイダーの活躍で滅亡したムー帝国の元支配者でもあり、100万年も生きていると言われる超生命体。構成員たちからは全知全能の神のごとく崇められている存在で、不思議宮殿の広間の壁面から円形の巨大な顔だけを覗かせている。その体内には不思議獣の卵を多数宿しており、作戦に応じて必要な卵を口から生み出し、左右の目から放つ怪光線を卵に浴びせて不思議獣を誕生させる特殊能力を持つ。
神官ポー

神官ポー

演・吉田淳
 クビライの側近を務める中性的なイメージの神官。作戦立案・不思議獣の誕生の儀式(実際に生み出すのはクビライその人)および不思議時空の発生を司る。
 地球を「宇宙のオパール」と呼び、地球を傷付けることなく美しい状態のままで手に入れることを望んでいる。そのため、地球では武力による制圧よりも人の心の弱味に付け込む形の作戦をとることが多く、前線に出ることはほとんどないが、単体でシャイダーを圧倒するだけの戦闘力を持っている(ただし、シャイダーが別の戦いで体力を消耗した直後を襲う場合が多い)。
 いかなる場においても常に沈着冷静な態度で、言葉遣いも礼儀正しく、大帝王クビライに対してはもちろん、自分の部下たちや敵対するシャイダーに対しても丁寧な敬語を使っている。
 年齢1万2000歳にして眉目秀麗な顔立ちであるが、美しい姿を維持するには500年に一度美少女のエキスを摂取する必要があり、素顔は醜悪な鬼女である。
 実はクビライの孫娘で、本人も知らなかったが、祖父のクビライからエネルギーを供給されていたことが後で明らかになっている。(故に、美女のエキス搾取は、ポーに自分のエネルギー供与している事を悟られない為の、クビライの仕組んだパフォーマンス的側面を持っている事になる)
 設定としては女性であるが、演者の吉田は男性である(第18話では女性研究員に変装したことがある)。
 当番組のイメージを形成する上で欠かせない名キャラクター。
 ポーを演じた吉田淳は、沢村大役の候補でもあった。撮影の休憩時間に円谷氏と役の入れ替え(吉田氏の沢村大、円谷氏の神官ポー)をして楽しんだとの事。
 本作後、「仮面ライダーBLACK」(1987)で、世紀王候補になり損ねた男・剣聖ビルゲニアを熱演。
へスラー指揮官(画像右)

へスラー指揮官(画像右)

演・久保和彦
 戦闘員ミラクラーや不思議獣らを引き連れ、戦闘の指揮を執るフーマの行動隊長。 
 戦闘開始の掛け声は「征伐!」。
 好戦的かつ直情的な性格の男で、当初はポーと対照的に武力による征服にこだわっていたが、番組後期には自ら変装して不思議獣の作戦を推進するなど、策士としての一面も見せるようになった。
 フーマの戦闘指揮官としての地位に誇りと満足を抱いており、それ以上の野心を見せる事は一度もなかった。ただし自分の地位を脅かす恐れのあった弟のヒムリーは斬り殺している。また、身分的にはポーよりも下であったが、ポーにはタメ口で話していた。
 ギャル軍団ほどではないが、地球人に変装した事もある。
ギャル軍団

ギャル軍団

(画像左より)
ギャル1 演・名和慶子
ギャル2 演・加納綾(1~15話)画像は彼女。
       大内弘子(16~35話)
       矢島有美子(36~48話)
ギャル3 演・川島芳美
ギャル4 演・小島憲子
ギャル5 演・直井理奈
 ヘスラー指揮官配下の女戦士軍団。
 全員が変装の名人で、様々な姿でスパイ活動を行なったり、フーマの作戦遂行のために、社会の陰で暗躍している。各メンバーの数字は日本語読み。共通の装備として相手を捕縛するのに使うロープとナイフを持つ。シャイダー、アニーとは幾度となく戦闘を繰り広げており、特にアニーとのそれは激闘とも言える物である。
珍獣
 不思議宮殿にいる正体不明の生物。神官ポーの子飼いと思われ、主に彼女のそばで歌ったり踊ったりしている。幹部たちと共に不思議獣の作戦に参加することもあり、突如として現れては消えたり、変身したりといった捉えどころのない動きで人間たちやシャイダーを翻弄する。
「珍獣ヤーダ」「珍獣ノッソリ」「歌うたいのシンギン」「腹ペコのガーキ」「上半身のモンク」「一つ目のアイーダ」の6体がいる。

メカニック

超次元戦闘母艦バビロス

超次元戦闘母艦バビロス

地球の守りたる要塞。シャイダーとアニーの行動拠点でもある。武器は両翼先端から発射される「バビロスビーム」(画像)。特別な装備をしなくても異次元航行が可能。三形態に変形可能。
バトル・フォーメーション

バトル・フォーメーション

 バビロスが変形した人型形態。
 武装は手の指部分から発射される「バビロスレーザー」、胸部放熱板(赤色部)から発射の「バビロスファイヤー」、放熱板の間から発射する「バビロスミサイル」。
 不思議時空内でも自由に動く事が可能。

 初期話数ではバビロスのプロップ変形後、スーパー戦隊シリーズの巨大ロボの様な着ぐるみで撮影・放送されたが、プロップとの差異が著しかったからか数話で着ぐるみ版は姿を消す。
 間をおいて29話から再登場した時は、劇場版時に撮影したプロップのみのバージョンを使用した。
シューティング・フォーメーション

シューティング・フォーメーション

 バビロスが変形した銃形態。
 バビロスのサイズに合わせたシャイダーのグラフィックが「ビッグ・マグナム!」の声と共に引き金を引く攻撃。不思議宮殿から発進するフーマ戦闘母艦(日本で言う所の「鬼瓦」)を一撃で破壊する威力を有する。

 『シャイダー』と聞いて、このビジュアルを思い出す人も多いだろう。こういうインパクトのあるケレン味は、この頃の東映制作番組を象徴するものである。
(「星雲仮面マシンマン」(1984)のマシンドルフィンのフレームワーク等。)
シャイアン

シャイアン

(画像は玩具)
上部・スカイシャイアン
下部・バトルシャイアン

 スカイシャイアン・分離してアニーが操縦する戦闘機。フーマ戦闘機を一撃で撃墜する「シャイアンビーム」が武器。
 バトルシャイアン・分離してシャイダーが操縦する戦車型マシン。内蔵されたドリルを移動・回転させ地中に侵入、フーマの地下基地を壊滅させた。

第48話「正義・友情・愛」

(実質的な『宇宙刑事シャイダー』最終回)
 ヘスラー、ギャル1及び3、そしてイースター島の〈戦士シャイダーの遺跡〉に封印されていたクビライの甦った胴体をも倒したシャイダーであったが、ポーによって隙を衝かれ、遺跡内に閉じ込められてしまった。
 フーマの猛攻から全銀河を救う鍵は遺跡内の何処にあるのか。
 空気が薄くなって行く中、戦士シャイダーの残したブルホークの原型とも呼べる武器(マシーン)を発見したシャイダーは起動を試みるが反応がない。
 連絡の途絶えたシャイダーの救出に遺跡へと向かったアニー。待ち構えていたフーマと戦闘を繰り広げるが、善戦虚しく遂に捕えられてしまう。同じ頃、各惑星の宇宙刑事達も必死にフーマに抵抗する。しかし戦況は最早、予断を許さない状況となっていった。残る希望はシャイダーのみ!
 遺跡の中、コンバットスーツの酸素量も残り僅かになり、意識朦朧となりかけたシャイダーの耳にアニーの助けを呼ぶ悲痛な声が届いた。気力を振り絞り、立ち上がるシャイダーに応えるかの様にマシーンが起動、それに乗りシャイダーはアニーの待つ不思議宮殿へと向かう。
 アニーを救出したシャイダーとクビライの最後の戦いが始まった。機械の胴体を新たに作り、エネルギー体と化したギャル軍団を吸収、パワーを得て不思議時空で暴れるクビライに苦戦するシャイダーだったが、胴体を破壊し、残る頭部も遺跡に記されていたメッセージによる攻撃で、見事にクビライを倒す。
 残るは神官ポー。だがポーは、祖父であるクビライから自分の若さを保つ為に必要なエネルギーを二度と供給されない事を憂い、珍獣たちと一緒にシャイダー、アニーの前からその姿を消した。シャイダー達の脱出後、大爆発を起こす不思議宮殿。『クビライ死す』の知らせは瞬く間に全銀河に伝わり、残っていたフーマの軍勢は動揺、形勢は一気に逆転しフーマは全滅した。
 平和を取り戻した銀河。コム長官はこれまでのマクー、マドー、そしてフーマとの長き戦いを思い出していた。多くの犠牲を払った戦いにマリーンが呟く。
「もう、戦争はまっぴらです」

 海辺の崖の上。戦いが終わっても帰る故郷の無い寂しげなアニーに、大が優しく語りかける。戦いばかりでじっくりと見る事の出来なかった太陽系第3惑星・地球の美しさ、素晴らしさを案内したいと。新たなる故郷を知る喜びに笑顔を見せるアニー。新しい一歩を踏み出す二人の若者を、美しい夕陽が染め上げる。
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