番組解説
『魔法の天使クリィミーマミ』、『魔法の妖精ペルシャ』に続く、スタジオぴえろ(ぴえろ)制作による「ぴえろ魔法少女シリーズ」の第3弾。監督・安濃高志の代表作の一つでもある。
本作品は完全なオリジナル企画であり、原作は存在しない。基本的な構成は『マミ』の路線に立ち返り、主人公が魔法の力で変身してスターになるというプロットを踏襲して主役の声優も新人歌手が起用された。
一方、シナリオ面ではこれまで以上に物語の「日常性」が重視され、前2作の後半から重視されるようになった「主人公の内面や周囲の人々の心象風景の描写」を、より深く突き詰めた作風となった。そのため、従来の作品にみられたドラマ性や魔法が持つ劇中での役割が本作ではかなり希薄化している。主人公を取り巻く人間模様に関しても対立する敵やライバルは存在せず、ドラマ性をひたすら排除して主人公とその周囲の人間模様と日常を中心に描いている点に大きな特色があり、キャラクターの表情や動きをデフォルメして感情表現する手法や心情や状況説明をセリフで行うといったこともほとんどない。
また、日常を掘り下げて描けば描くほど、非日常的な存在である魔法の意味は失われ、最終3話(第36話~)では、淡々とした日常の積み重ねによって各キャラクターの成長を描き出し、主人公の舞が精神的に自立していく過程が描かれた。
オープニング「不思議色ハピネス」
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キャラクター
主人公。こてまり学園の小学部に通う11歳の少女。亜麻色のショートカットが特徴的な、活発で元気あふれる少女。
マジックが大好きだが、父親から受け継いでしまった生来の不器用さから手先がついて行かず、腕は未熟そのもの。憧れのエミリー・ハウエルのようなマジシャンになりたいと思う彼女は、鏡の精・トポから魔法を授かることで自分の理想像である「マジカルエミ」に変身できるようになった。
中森家に引っ越してきた高校生・結城将に淡い恋心を抱くようになる。クラスメイトの武蔵からは好意を持たれているが、本人は全く気付いていない。
家族はクッキー屋経営の父・順一、元マジカラット(後述)メンバーの母・陽子、4歳の弟・岬。
鏡の国から来た妖精で、マジカルエミに変身可能なブレスレッド「ハートブレス」を舞に授けた。
本来は光球のような姿だが、ピンク色をしたぬいぐるみのモモンガに憑依して以来、この姿で舞と行動をともにしている。作中では岬によくおもちゃ代わりにされ、毎度酷い目に遭っている。突如ぬいぐるみがしゃべって動き出すことを周りの人間が不思議に思う描写はなかった。
後輩の妖精にはピラミー(声 - 菅谷政子)がおり、ピンク色のオウムのぬいぐるみに憑依した姿で25話で登場。トポはこれまでの働き振りをチェックされ、妖精として失格とされたために舞と引き離されそうになった。
舞の変身した姿で、エミの名は舞の憧れのマジシャン、エミリー・ハウエルにちなむ。謎の天才マジシャンとして突如現れ、失敗寸前だったマジカラットの公演を無事成功させる。そこに偶然居合わせた小金井にスター性を見いだされ芸能界デビュー、マジカラットの花形スターとなる。
変身後はスタイル抜群の女性の姿となり、髪の色もエメラルド色に変化し、黄色い大きなリボンを結んでいる。口調もやや変化し舞のときよりも落ち着いたお姉さんとして振舞っているが、精神は子供のままであるため時に不自然な言動をすることもあった。舞はマジカラットのメンバーに対し、「自分はエミの知り合いで、連絡を取れるのは自分だけ」と説明している。
第20話でエミの年齢は16歳と言及されており、公式サイトのキャラクター紹介でも16歳となっている。
中森 洋輔
舞の母方の祖父。マジカラットの主催者にして、60歳にして今でも現役のマジシャン。
主催者とは名ばかりで実際の権限は全て妻の晴子に握られている。ガラクタ紛いの骨董品収集が趣味。
中森 晴子
舞の母方の祖母で59歳。夫である洋輔と共にマジシャンをしていたが、プロデューサーとしての才が高く、魔術団であったマジカラットをマルチ・スーパー・パフォーマンス集団に変えるべく奔走する。
一度こうと決めたら、何があろうと徹底的にやり抜く強固な意志を持つパワフルな人物で、実際にマジカラットの全ての実権を夫から奪い取っている。
また、舞や岬がマジックに関わることに激昂する順一や、マジカラットの路線変更に猛反対した洋輔に怒鳴り散らしたりして、徹底的にやりこめる。
ヤングマジカラット
松尾明(まつお あきら)
声・小滝進(画像・舞前方)
塩沢進(しおざわ すすむ)
声・亀山助清(画像・将前方)
弘田ユキ子(ひろた ゆきこ)
声・岡本麻耶(画像・舞後方)
洋輔、晴子の下でマジックショーを行うマジカラット構成員。
声・小滝進(画像・舞前方)
塩沢進(しおざわ すすむ)
声・亀山助清(画像・将前方)
弘田ユキ子(ひろた ゆきこ)
声・岡本麻耶(画像・舞後方)
洋輔、晴子の下でマジックショーを行うマジカラット構成員。
松尾 明
ヤングマジカラットの1人。体型は太め。最終回でユキ子らと共に翔の両親の元でマジックの修行をする為に渡米する。
塩沢 進
ヤングマジカラットの1人。メガネを掛けていて細めの体型。本人はその体型を気にしているらしく、自宅でバーベルを使ったトレーニングを行う様子が頻繁に描かれた。
弘田 ユキ子
ヤングマジカラットの1人。そばかすが目立つものの、容姿は悪くない。ジャパンTVの国分寺が惚れているが、彼とは対照的に大のカリントウ好きである。
車の運転が好きだがその腕はよいとは言えず、同乗者にとっては生きた心地がしなくなるほどである(17話)。最終回で渡米。
こてまり学園高等部に通う16歳の高校生で、舞の従兄にあたる。
マジシャンである両親がアメリカに移住したのを機に、舞の祖父母である中森夫妻の家に居候している。舞にとっては兄貴分であり、彼もまた彼女を妹のように扱っている。舞の家庭教師として夏休みの宿題を手伝ったこともある。
マジカラット団員ではないが、舞台照明などの手伝いも行う。はにかみ屋な性格が災いして初対面の人間には大抵無愛想に接してしまう。エミのことが気になっているようだが、作中ではあまり描写されていない。
幼少時より両親からマジックを仕込まれたこともあり腕はなかなかだが半ば強制的にやらされていたこともあり、マジックを毛嫌いしている。ボクシングに情熱を燃やしており、舞に対し「(ボクシングは)舞にとってのマジックのようなもの」と語っている。他校のボクサー・真田 慎吾(さなだ しんご、声 - 大山尚雄)とはライバル関係にあるが、善戦するものの彼に勝つことはなかった。
ジャパンTVのプロデューサー。息子の武蔵に誘われてマジカラット初日公演を見物していたところ、エミの姿を一目見てそのスター性を確信、以降彼女のプロデュースに尽力するようになる。チーズケーキが苦手。
クマのような体型をしているが、少年時代の初恋の思い出の品を大切にしているといったセンチメンタルな一面もある(24話)。
自信に満ちあふれていて、強引に物事を進めがちだが、ちょっとした不注意からよくドジをしており、どこか抜けている。
実は40歳なのだが、体型とひげ面のせいでとてもそうには見えない。
部下にお調子者の国分寺 円(こくぶんじ まどか、声・千葉繁)がおり、彼を怒鳴るのがお約束の一つになっている。。
作曲・編曲:山川恵津子
歌:小幡洋子
オープニングアニメーション
もとやまゆうじ