「私にも聞かせて…」心霊番組の定番だった、かぐや姫のラストコンサート・恐怖のテープ
2019年10月2日 更新

「私にも聞かせて…」心霊番組の定番だった、かぐや姫のラストコンサート・恐怖のテープ

80~90年代に頻繁に放送されていたオカルト番組。そこで取り上げられる定番ネタの一つが、今回紹介する伝説のフォークグループ・かぐや姫のラストコンサートに紛れ込んだ「私にも聞かせて…」という呻き声でした。

42,432 view

伝説のフォークグループ・かぐや姫

南こうせつがリーダーをつとめた3人組のフォークグループ・かぐや姫。『神田川』『赤ちょうちん』などのヒット曲で知られ、1975年、時代がフォークソングからニューミュージックに移り変わろうとする転換期に解散。
しかし、その後も再結成を幾度となく繰り返し、直近では2013年に、メンバーの一人・山田パンダを除く、南こうせつ・伊勢正三の2人でコンサートを行うなど、断続的ではありますが、活動を続けています。
かぐや姫おんすてーじ

かぐや姫おんすてーじ

その声は、1975年4月12日の解散コンサートの音源に紛れ込んでいた…

かぐや姫の解散コンサートは、今から40年以上前の1975年4月12日に東京神田共立講堂にて開催されました。このコンサートの模様を収録した音源は、後日、同年4月にスタートしたばかりの『南こうせつのオールナイトニッポン』でO.A.されます。

70年代におけるオールナイトニッポンといえば、超がつくほどの人気番組。中でも、若者から絶大な支持を受けていた南こうせつの新番組ということもあって、当時、多くの中高生が眠い目をこすりながら、深夜のラジオに耳を傾けていました。そんな楽しいはずの番組で、突如、例の「奇声」が聴こえてきたものだから、多くのリスナーが真夜過ぎの自室で、恐怖に慄いたのは言うまでもありません。事実、放送翌日からニッポン放送に「あの声はなんだったのですか?」という旨の投書が殺到したといいます。

それでは、実際に問題のテープを聴いていただきましょう。0:34~あたりから「私にも聞かせて…」という呻き声が確認できるはずです(※イヤホン着用推奨)。

私にも聞かせて かぐや姫

おわかりいただけただろうか…。

テープを逆再生すると「私もそこに行きたかった…」と聞こえる?

この奇怪なテープの情報は、かぐや姫のメンバーにも知らされ、彼らは大変気味悪がっていたそうです。突如として、身に覚えのない怪奇譚の当事者になってしまったのだから、無理もありません。

かぐや姫及び事務所サイドの見解としては「コンサート会場には複数のマイクが設置されていたため、たまたま会場にいた観客の声を拾ったのではないか」とのこと。が、他の観客の声は群衆の騒音に紛れているのに、くだんの声だけが鮮明に録音されているのは、明らかに不自然です。

また、この「私にも聞かせて…」のテープを逆回転して再生すると、「私もそこに行きたかった…」や「私を捨てないで…」などと聞こえることも判明。やはり、何らかの怨念が込められているのではないか…と、オカルト支持派の想像をさらに掻き立ててしまうのでした。

私もそこに行きたかった かぐや姫

もう一度お聞きいただこう…。

コンサート当日に亡くなった、かぐや姫ファンの少女の声だった?

科学では解明できない不可思議な現象に恐れを抱き、その現象に何らかの理屈付けをして、少しでも恐怖を和らげるよう努めるのは人間の性。ということで、この「かぐや姫テープ」にも、さまざまなオカルト番組で取り上げられる中で、いつしかある噂話が語られるようになります。

その一つが、この声が吹き込まれることになった経緯にまつわるお話。1975年にオールナイトニッポンでテープが放送されて数日経ったある日のこと。番組に1通の投書が届けられます。そこには「ラジオで流れた声が、私の同級生だった女の子の声に似ている」と記載されていたそうです。ハガキの内容によると、送り主の同級生はかぐや姫の熱心なファンで、4月12日の解散コンサートにも行く予定だったのだとか。ところが、コンサート当日、会場に向かう道すがらで彼女は交通事故に遭ってしまい還らぬ人に。その少女の霊が、あの声を吹き込んだ…というのが話の全貌です。

また、「不治の病で亡くなってしまったかぐや姫ファンの少女が霊になって会場にやってきた」とする説があったり、当時コンサートのPAを担当していたスタッフが密かにその時の録音テープを所有していたら、自宅に少女の幽霊が現れたという後日談が存在したたりと、都市伝説らしく夥しいほどの異説・風説に彩られながら、現在に至るまで語り継がれています。もちろん、解散コンサート当日に会場へ向かう途中に亡くなった少女も、コンサートを楽しみにしていたのに亡くなってしまった少女ももしかしたら、当時いたのかも知れませんが、ソースはどこにもありません。
共立女子学園 共立講堂

共立女子学園 共立講堂

解散コンサートの舞台になった東京神田共立講堂
なお、現在、インターネット上で多数複製されている「私にも聞かせて…」の音源ですが、そのマスターテープは作家の竹内義和氏が所有しているのだとか。物好きにもほどがあるというものです…。
(こじへい)
15 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

一体誰の声・・・?有名歌手のカセットテープやCDに入り込んだ【怪音】特集

一体誰の声・・・?有名歌手のカセットテープやCDに入り込んだ【怪音】特集

カセットテープの時代から妙な、不気味な声や音が入っているとされ、いわくつきのオカルトな楽曲がありました。その“招かれざる怪音”を3つ選んでみました。かぐや姫、のりピーこと酒井法子、オフコースの怪音を並木モッズのイラストと共に振り返ります。
並木モッズ | 8,929 view
【池谷公二郎】三振かホームラン!? 被本塁打のシーズン歴代最多記録を持つ広島のエース

【池谷公二郎】三振かホームラン!? 被本塁打のシーズン歴代最多記録を持つ広島のエース

シーソー投法と呼ばれたダイナミックな投球フォーム。広島ファンならずとも、真似しようとしたプロ野球ファンは多かったのではないでしょうか。ストレート真っ向勝負が多かったことから、奪三振も被本塁打も多かった投手で、広島の躍進に大いに貢献したエースです。そんな池谷公二郎投手の記録を振り返ります。
izaiza347 | 208 view
【カッコーの巣の上で】アカデミー賞主要5部門独占!名演技を見せた俳優たちのその後

【カッコーの巣の上で】アカデミー賞主要5部門独占!名演技を見せた俳優たちのその後

映画『カッコーの巣の上で』といえば、アカデミー賞主要5部門を独占した歴史的作品です。作品としての評価もさることながら、出演した俳優陣も名演技で、今振り返ると、その後活躍する有名俳優が多く出演していることがわかります。今回は、本作に出演していた俳優の中から9名を選出し、彼らのその後を見てみます。
izaiza347 | 429 view
【1975年歌謡曲】日本レコード大賞新人賞の受賞曲は!?受賞者は今!?

【1975年歌謡曲】日本レコード大賞新人賞の受賞曲は!?受賞者は今!?

昔は大晦日の夜といえば、テレビの前で一家団欒。『日本レコード大賞』と『紅白歌合戦』をはしごして視聴した方が多かったことでしょう。特に、日本レコード大賞の「大賞」や「最優秀新人賞」の発表では、ドキドキしながら観ていた方も多いのではないでしょうか。今回は、日本レコード大賞の「新人賞」にフォーカスし、受賞曲と受賞者の今についてご紹介します。
izaiza347 | 308 view
『霜降り明星のゴールデン☆80'S』に南こうせつが出演!かぐや姫による“四畳半三部作”の誕生秘話を語る!!

『霜降り明星のゴールデン☆80'S』に南こうせつが出演!かぐや姫による“四畳半三部作”の誕生秘話を語る!!

BSフジで放送中の音楽バラエティ番組『霜降り明星のゴールデン☆80'S』4月4日22:00~放送分にて、フォークシンガーの南こうせつ(74)が出演することが明らかとなりました。
隣人速報 | 252 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト