2019年10月23日 更新
【訃報】漫画家・吾妻ひでおさん(69)死去。「ふたりと5人」「ななこSOS」「失踪日記」など
60年代後半より漫画家として活躍した吾妻ひでおさんが、食道がんのため10月13日に亡くなっていたことが明らかとなりました。69歳でした。
【訃報】漫画家の吾妻ひでおさん死去。
60年代後半より漫画家として活躍した吾妻ひでおさんが、食道がんのため10月13日に亡くなっていたことが明らかとなりました。69歳でした。
第一報はこちらです。
1969年の漫画家デビュー以来、「ふたりと5人」「ななこSOS」「不条理日記」といったナンセンス色、SF色の濃いコメディを得意としていた吾妻さん。2005年には自身のアルコール依存症を題材とした漫画「失踪日記」で第9回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞を受賞するなど、ノンフィクションの分野でも注目を集めていました。このたびの突然の訃報には、漫画関係者のみならずファンからも悲しみの声が多数寄せられています。
後日「お別れの会」が開かれます。
吾妻さんの遺族によれば、既に葬儀・告別式は近親者のみで執り行われており、「後日、お世話になった方々、ファンの方々にも参加していただける形でお別れ会を開く予定です」とのこと。詳細は決定次第発表されるとのことですので、続報を待ちましょう。
吾妻ひでおの各年代のヒット作を振り返る!
「ナンセンス」「不条理」「SF」「オタク」といったサブカルチャー色の強い作風で長年人気を博してきた吾妻さん。その代表作は各年代に散らばっています。ここでは、彼の70年代、80年代、2000年代の代表作を一つずつ軽くご紹介したいと思います。
ふたりと5人
1972年から1976年にかけて週刊少年チャンピオンで連載された「ふたりと5人」。吾妻さんの名前を一躍有名にしたヒット作で、自身の最長連載作品でもあります。後に開花する「SF」といった要素は抑えられ、「お色気」に重点が置かれた作風となっています。
ななこSOS
80年代に光文社「ポップコーン」などで連載されていた「ななこSOS」。超能力高校生「ななこ」やマッドサイエンティストらがドタバタ劇を繰り広げる、SFとギャグの融合した吾妻さんの真骨頂とも言える作品であり、1983年にはフジテレビ系にてテレビアニメが放送されました。
失踪日記
2005年に発表された漫画「失踪日記」。70年代から80年代にかけてナンセンス漫画家として人気を博していた吾妻さんですが、90年代には人気が低迷。そんな彼が再び注目を浴びたのが「失踪日記」です。自身の起こした失踪事件や、アルコール依存症およびその治療などを赤裸々に描いており、前述の第9回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞のみならず、第34回日本漫画家協会賞大賞や第10回手塚治虫文化賞マンガ大賞も受賞しました。2013年には第2弾として「失踪日記2 アル中病棟」が発表されています。このように、生涯にわたり我々に「ナンセンス」を届け続けてくれた吾妻さん。彼の作品は、これからも人々の記憶に残り続けていくことでしょう。ご冥福をお祈り申し上げます。
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