【多重未来のカルテット】若い人向けのレトロゲーム【カルテット】入門。
2016年1月28日 更新

【多重未来のカルテット】若い人向けのレトロゲーム【カルテット】入門。

1986年にセガが発表したアーケード用のアクションゲーム、【カルテット】。4人同時プレイ可能、キャラに個性があること、女の子キャラの存在、ビジュアルの美しさなどで話題となりましたが、後の時代には標準となった特徴が多く、時代に埋もれた名作でした。しかし、今でも色褪せないBGMが、30年近くの時を経て「初音ミク」の人気曲として復活しているんです!そんな【カルテット】について、解説します。

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多重未来のカルテット

2009年、セガグループがボーカロイド「初音ミク」とのコラボによって発表した音楽ゲーム「初音ミク-Project DIVA-」。
当初はPSP用のゲームとして発売されましたが、プレイ画面がニコニコ動画などで発表されたことにより、ネットを中心に人気に火がつきました。
好評につき、その後も続編がアーケード、プレイステーションVita、プレイステーション3でも発売されています。

そんな「初音ミク-Project DIVA-」に、セガのレトロゲームから抜擢された一曲が収録されていました。

【Project DIVA Arcade】多重未来のカルテット -Quartet Theme- (HD) - YouTube

若い方はこっちがお馴染みかも。
「多重未来のカルテット」は人気曲のようで、多くの派生動画がアップされています。
さらに、こんな動画も。

【足太ぺんた】多重未来のカルテット~QUARTET THEME~ 踊ってみた - YouTube

実際に踊ってみた、動画。

有名な方みたいですね。

【MMD】足太ぺんたさんの『多重未来のカルテットQUARTET THEME』【レア様】 - YouTube

上記の足太ぺんたさんのダンスを、さらにキャプチャーして作られた動画。

この現実とネットのインタラクティブさに、今を感じます!

実は、レトロゲームのBGMが元ネタなんです!

【カルテット】は、1986年にセガが発表したアーケード用のアクションゲームです。
4人同時プレイが可能、選べるキャラクターの性能にそれぞれ個性がある、女の子キャラが存在する、グラフィックの綺麗さ、林克洋(ファンキーK.H)氏の手がけたBGMの素晴らしさなどで、ファンの間では話題となりました。
発売当時のチラシ

発売当時のチラシ

4人の個性の違うキャラクターが活躍することから「四重奏(カルテット)」、もとい「四銃操」。
【多重未来のカルテット】は、このゲーム【カルテット】のBGMの一曲を編曲したものでした。

とはいえ、初音ミクを今プレイしている若い人にとっては、【カルテット】が稼働していたのは生まれる前の話。
しかもファンには愛されながら、当時はマイナーだったセガのゲームということもあり、時代に埋もれてしまった「隠れた名作」とも言えます。
そこで今回、ゲームとしての【カルテット】の触りについて解説していきます。

【カルテット】を見て、触れたことのある世代の責務として…

ゲームの概要

西暦2086年、地球人は過密な地球を離れ、惑星や宇宙空間に浮かぶコロニーに移住し、銀河系に進出していた。
その一つ小国家「テラ」のスペースコロニー「ゼロ6」がある日宇宙海賊の攻撃を受けた。 名誉と報酬を目的にしたその道のプロ4人が集まる私設救護隊「カルテット」は「テラ」の要請を受け、スペースコロニー「ゼロ6」に向かう。
via カルテット_(アーケードゲーム)-Wikipedia
■ ゲーム内容
 (1561763)

当時のセガのゲームの特徴である、パステル調のポップな画面が特徴的です。
全32ステージ。各ステージのボスを倒してステージの出口の鍵を奪い返し、出口にたどり着くとステージクリアとなります。
ただしエンディングはなく、32面をクリアすると1面に再度ループします。

タイマーとHPを兼ねたエネルギー値が設定されており、0になるとゲームオーバー。
同時プレイの場合、ボスを倒す、扉を開ける、一番最初に脱出する等で、クリア後にもらえるエネルギー値が大きく異なるため、味方の間での駆け引きやアイテム争奪戦が必須となります。
4人の特徴について

4人の特徴について

・マリ(一番左)
カルテットの紅一点。体力的には劣るが、強力なバズーカ砲を操る。
・エドガー(左から2番目)
カルテットのリーダー。ジャンプ力はチーム一。
パワーアップアイテムを取ることで、武器がグレネード→3WAYショット→火炎放射と切り替わるのも特徴。
・ジョー(右から2番目)
カルテットのエース。弾速が一番速いほか、全てにおいて能力が高く使いやすい。
・リー(一番右)
ベテラン戦士。スピートはチーム随一。ワイドショットを操る。
(当時は美少女キャラが珍しかったこともあってか、大抵の人はマリでプレイしてました…)

Quartet (Joe) 1986 Sega Mame Retro Arcade Games - YouTube

プレイ画面。ジョーが使われています。

これを見ると楽々プレイしていますが、実際には次から次へ敵が出てくるうえ、パワーダウンの罠(最強状態でパワーアップアイテムを獲ると最弱状態になる)もあって、かなりの難易度でした。
当時は、国道沿いなどの面積の広いゲームセンターにはアメリカ・アタリ社製の4人同時プレイアクションゲーム「ガントレット」が導入されていることが多く、「カルテット」もたいていガントレットの筐体に入っていました。
(ゲーム内容も、俯瞰型視点でファンタジー風の「ガントレット」を、横スクロールでSF風に置き換えたともいえ、共通点が多かったです)
ただ、小学生には「ガントレット」の筐体は背が高すぎ、かといって大人4人がプレイするには窮屈すぎ、といった感じだったのを覚えています。
■ 家庭用移植版「ダブルターゲット シンシアの眠り」(1987)
セガ・マークⅢ版「ダブルターゲット」パッケージ

セガ・マークⅢ版「ダブルターゲット」パッケージ

けっこうプレミア付いてます。
31 件

思い出を語ろう

     
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  • 2019/6/23 23:34

    SSTのファンでして、先日アルバムblind spotⅡを購入。このアルバム、冒頭曲がQuartedなのですが恥ずかしながらどんなゲームだったか心当たりがなく検索し、こちらへたどり着いた次第です。
    なるほど、画面を見ると当時こんなゲーム見かけたなぁ、と遠いおぼろげな記憶が思い当たり、ご紹介いただいている動画から、時代も同じですしファンタジーゾーンと同じでしょうかね、FM音源の音色にこころ温かくなるものを感じずにはいられませんでしたが、それよりなにより、楽曲がミクを通じて現代若手世代へ繋がれていることに驚愕しました。正直に告白すると、泣きました(苦笑
    自分はSSTの思い出からQuartedへたどり着き、現世代は音ゲーから既にこれを踊ってみてすらいる、と。そしてそれに既に気づき、こうして記事にしたためてくださっている当時を知る世代の存在。
    いろんなアプローチからこの楽曲を楽しんでおられる方々がいて、それをつないでくださる方がいらっしゃり、あー、文化だ、根付いていると感じると嬉しくて嬉しくてならないのです。

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