蕎麦だけじゃない年越し料理、 地域で伝わる独自の年越し風習。
2021年5月27日 更新

蕎麦だけじゃない年越し料理、 地域で伝わる独自の年越し風習。

父母揃って讃岐(香川)生まれ・育ちの下で生まれ育った私にとって、年越しの食事といえば「ウドン(讃岐うどん)」でした。風習として代々受け継がれてきたわけではなく、単にウドン(乾麺)が家に余りあるほどあったため、お蕎麦を買うよりウドンを食べていました。我が家ではお蕎麦は遠い存在でした…。

1,437 view
あと数日で2017年が終わります。2018年に向けて、大掃除やおせち料理、鏡餅の準備などに追われている方もいらっしゃる時期です。

そして年越し。父母揃って讃岐(香川)生まれ・育ちの下で生まれ育った私にとって、年越しの食事といえば「ウドン(讃岐うどん)」でした。風習として代々受け継がれてきたわけではなく、単にウドン(乾麺)が家に余りあるほどあったため、お蕎麦を買うよりウドンを食べていました。我が家ではお蕎麦は遠い存在でした…。

しかし、2009年。さぬきうどん振興協議会が「年明けに縁起を担いで食べるうどん」なる運動を始めたため、現在、「年越しうどん」が定着しているらしいです。

地域で伝わる独自の年越し風習

 (1960529)

そんな年越しの料理。都内やメディアでは「年越しそば」が定着しておりますが、地域によっては、この香川「年越しうどん」の様に独自風習が伝わっております。

お寿司やブリ、サンマという例も

例えば北海道は年越しにお寿司を。おせちとしてもお寿司を。豪勢なお寿司を。
かたや西。九州では福岡県などで「年取り魚」としてブリを食べる風習があります。
同じく魚を食べる地域として長野県。こちらは「年取り汁」と「年取り膳」。このあたりは海に面していないため、海の食材がごちそうなのです。そういえば、自分が20代の若かりし頃に祭礼のフィールドワーク(現地調査)で伺った奥三河(愛知と長野と静岡の県境地域。山間部)で、あるおばあさんから「正月の御馳走といえば、サンマだったのよ」と聞いたことがあります。どの家にも冷蔵庫・冷凍庫がある現在とは違って、以前は海の食材が山間部に届くこと自体が貴重だったのです。
 (1960527)

「年取り魚」とは?

と、ここで「年取り魚」について。
聞きなれない単語かもしれませんが、コレ、辞書にも出てくる言葉でして、大晦日、年越しの食事につける魚。年越魚、正月魚(しょうがつうお)とも言います(コトバンクより)。世界大百科事典には「大晦日の夜の年越しそばや元日から三が日の朝の雑煮など,新年の行事には特定の食物を食べる習慣がある。大晦日の夕食に添える年取り魚も顕著な例である。東日本ではサケ,西日本ではブリを用いることが多い」とも。なぜブリとサケなのかというと、ブリは出世魚として、サケは「栄える」にひっかけた語呂合わせで共に縁起が良い魚とされたから、のようです。

旧暦を大事にして開催する沖縄県では?

そして、すべての伝統行事を旧暦を大事にして開催する沖縄県。ここではどうかといいますと、大晦日をトゥシヌユルー(年の夜)と言ったりしますが、沖縄的正月料理が並びます。その中には豚肉も。たとえば本部(もとぶ)町の良さを伝えるサイト「いーもとぶ.net」によると、本部町では旧暦1月1日には豚肉料理が主体で、いわゆるおせち料理はありません。
全国それぞれの料理を楽しむ年の瀬・正月。お雑煮も千差万別。お雑煮については、あまりに多種多様・千差万別なので、文化庁では祖父母、父母から伝わるもの、地域に伝わるものなどを広く一般公募をし、北海道から九州まで全国から選ばれた「お雑煮100選」を設けております。日本の食文化(良い意味で)おそるべし。

皆様、よい年越しを~!
11 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

お正月の風景といえば鏡餅、新年や祭礼でお餅を食べる理由と「鏡」が示すモノとは。

お正月の風景といえば鏡餅、新年や祭礼でお餅を食べる理由と「鏡」が示すモノとは。

クリスマスが終わり、世間は一気に「年越し」モードに。 12月31日は「大晦日」。テレビや格闘技などを見たり、家族でお蕎麦を食べたり…それぞれの年越しをされることと思います。蕎麦以外にも、正月のために鏡餅を用意する方も多いかと思いますので、今回は「鏡餅」の由来について。
山崎敬子 | 1,205 view
桃太郎以外の鬼退治伝説はちょっと気の毒な(?)鬼のお話。

桃太郎以外の鬼退治伝説はちょっと気の毒な(?)鬼のお話。

今回は桃太郎以外の鬼退治伝説を紹介させていただきます。どれも鬼が気の毒になってしまうようなお話です。
山崎敬子 | 712 view
岡山?山梨?長崎?全国で伝承されている鬼退治伝説をご紹介。

岡山?山梨?長崎?全国で伝承されている鬼退治伝説をご紹介。

鬼というと「鬼退治」を連想する方も多いように見受けられます。今回はそれに関係するお話です。
山崎敬子 | 747 view
「鬼」という言葉の由来を辿りましょう。

「鬼」という言葉の由来を辿りましょう。

昨今の鬼ブームにあって、みなさんは「鬼」という言葉の由来を考えたことはありますか。前回に引き続き鬼の由来を辿っていきます。
山崎敬子 | 1,242 view
「鬼」という言葉の由来を考えたことはありますか。

「鬼」という言葉の由来を考えたことはありますか。

漫画「鬼滅の刃」が大ヒット。いまはまさに鬼ブームですが、みなさんは「鬼」という言葉の由来を考えたことはありますか。
山崎敬子 | 1,398 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト