『ゴジラ対ヘドラ』(1971年・東宝) シリーズ最大の異色作。 グロテスクな場面も多い。
Godzilla Channel ゴジラ(東宝特撮)チャンネル【公式】「ゴジラ対ヘドラ」予告 根強い人気の公害怪獣ヘドラとの闘いを描いたゴジラシリーズの第11作目。
とにかく敵役ヘドラがめったやたらに強いことだ。ゴジラはヒーローだから、もちろんヘドラに勝っている。
ただし、自分ひとりの力で勝ったのではない。自衛隊と共同戦線を張り、ようやく勝利をものにしているのだ。
しかも、戦いを終えたゴジラは満身創痍、体中に火傷を負い、眼はつぶれ、腕は骨がむきだしになっている。ここまでゴジラを傷つけた敵はヘドラをおいてない。
時代背景として、大きな社会問題であった公害問題を前面に打ち出し、特に当時話題だった「四日市コンビナートの工場煤煙」、「田子の浦港ヘドロ公害」を題材に採った作品。
その田子の浦港の汚染された海から生まれた怪獣ヘドラと、怪獣王ゴジラが対戦する。
サイケデリック文化や若者のモラトリアムなど同時代のさまざまな背景も色濃く盛り込まれ、公害をテーマとしたアニメが挿入されるなど異色作となっている。
日本中を飛び回っただけで死者・発病者数が1000万人に達しており、歴代のゴジラシリーズにおいて最悪の人的被害を出している。
人間が溶け、後には骸骨がゴロゴロしているシーンはみんなのトラウマと言う他ない。
『ゴジラ対ヘドラ』は、人間の皮膚が焼けただれる描写や白骨化する描写などの残虐な演出も多く、劇中で主人公一家の青年・毛内行夫がヘドラに殺されるなど、物語や音楽も全体的に暗く重い。
必殺シリーズの第1作目『必殺仕掛人』第21話 「地獄花」(1973年1月20日) 放送自粛エピソード。しず・神谷兵十郎夫婦の悲劇を描いた。
必殺シリーズの第1作目『必殺仕掛人』第21話 「地獄花」(1973年1月20日)
断わって帰宅した兵十郎は、妻のしず(金井由美)が仕官運動の金を内職や借金で集めているのを知る。百両のため二度だけ、と兵十郎は仕掛けの仕事を引き受けた。
初仕事は商人から賄賂、女を貢がせている悪徳重役永井監物(外山高士)。屋敷に押し入った兵十郎は、女と一緒の監物を斬ったがふとんの中の女は妻のしずであった。
(C)ABC・松竹
70両を得るために、しずは越後屋伝七の勧めで、たった一晩だけの売春を決意した。
70両を得るために、兵十郎は一度は断った仕掛人を引き受けることにした。
彼が初めて行なった殺しを偶然目撃した売女こそ、夫の兵十郎が士官する為の金を作る為に、男に自らの肉体を委ねていた妻のしずだった!
人殺しと売女……。
絶対に知られたくない自分の姿を、当の相手に知られてしまった二人は絶望に陥る。
そして、兵十郎が斬った……と言うよりも、自ら夫の手に掛かって死ぬ事を選ぶしず。
愛する妻を自らの手で斬ってしまった神谷兵十郎は、同時に己の心も斬り捨てたのだと言えよう。それ以後、兵十郎は生きる死人同然となる……!
しず・神谷兵十郎夫婦の悲劇
『必殺仕掛人』第21話 「地獄花」(1973年1月20日)
(C)ABC・松竹
円谷英二の死後久々に登場したゴジラシリーズ第11作。全編がグロテスクなムードに覆われ、当時日本を騒がせていた公害問題を巧みに取り入れた、シリーズの中でも異彩を放つ作品。
汚染された港から生まれた公害怪獣へドラは、海へ流れ出たヘドロや工業地帯のスモッグを吸収しながら成長し、巨大化していく。
その時、何処からともなくゴジラが出現し、地球を汚染し続けるへドラに敢然と立ち向かっていく。怪獣映画では珍しい作家性に満ちた作品に仕上がっている。
TM & ©1971 TOHO CO., LTD.