西川のりお    超尖った若手時代。怒りと嫉妬を糧にパワフルに走り続けるお笑い暴走機関車。
2023年11月25日 更新

西川のりお 超尖った若手時代。怒りと嫉妬を糧にパワフルに走り続けるお笑い暴走機関車。

いくら時代が変わろうと「安心してみられる」なんて、西川のりおにとってはホメ言葉でも何でもない。言語同断の暴走! 気骨ある叫び! ! 針が振り切れる危なっかしさ!!!

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西川のりおは、自分の服や舞台衣装に金をかけるが、基本的にケチ。
桂文珍、前田五郎と並んで「吉本3大ケチ」といわれるほど財布のヒモが固い。
芸人仲間で飲食したとき
「お勘定、まかせなさい」
ということは、まずない。
それどころか誘われると必ず
「すまんな」
というので、誰も西川のりおの財布の中をみた者はいない。
新幹線に乗ると降りた客が残していった雑誌をすべて回収し
「儲かったな!」
高額のギャラが入ると
「パッと使うとか怖くてできへん」
とそっくり貯金し、破天荒キャラと真逆の堅実さをみせた。
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政府が発表する「高額納税者公示制度」、通常「長者番付」で、明石家さんま、島田紳助などの順位と納税額を蛍光ペンを持ちながらチェック。
やがて数歳下のさんまや紳助に加え、ダウンタウンやナインティナインもランクに入ってくるようになった。
彼らをテレビで観ると、
「この番組1本出たら、それこそちょっとした自動車買えるくらいもらってるん違うか」
「あのCMは、1億3千万くらい会社に入ってきて、アイツは1億ほどもらうんちゃうか」
「年間契約料とロイヤリティーと・・」
などと思ってしまい、
「家でテレビを観てても、いっこもオモロない!
体に悪いわ!」
バブル絶頂期には不動産などのサイドビジネスに手を出して大損。
そのことを著書「のりおのゼニはこう貯めるんや! 1千万はすぐ手にできる」「オレの銭かえせ!!―バブル崩壊西川のりお大爆発」につづった。
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西川のりおを含め、若い芸人の1番の興味は
「いかにタレ(女性)を口説き、かく(抱く)か」
あるとき楽屋である芸人に
「女口説くんやったらポルノ映画観にいくんが1番早いで。
女かて興奮して即ホテル。
イチコロや」
といわれた西川のりおは早速実行。
目をつけていた女性を誘い出した。
映画館の入り口で
「エッ、こんなん観るの。
イヤや」
という女性に
「今どきはポルノをアベックでみるんが流行ってるんや」
と適当にでまかせをいって中へ。
オッサンばかりで
「アベックなんていないやないの」
という女性を
「おかしいなあ。
そのうち入ってくるんちゃうか」
といって、とにかく座らせた。
映画の1本目は、家出した少女が売り飛ばされる話で、2本目が男に人生を狂わされた女の話。
そんな悲しい女のストーリーを、女性は終始キツい顔で鑑賞。
そして映画が終わると、
「私帰るわ」
(誰や!
ポルノ映画みせたら口説けるいうたん!!)
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ポルノ映画の失敗で
(人から教えられた方法はうまくいかない)
(女口説くのに逃げ道与えたらアカン)
ということを学んだ西川のりおは、新たに女の子をホテルに誘い込むことに成功。
かなりタイプの女の子で部屋に入っても落ち着かず
(ガツガツしたらアカン)
と焦らないよう自分にいい聞かせてトーク。
しかし間が持たず
「汗かいたから、ちょっとシャワー浴びてくるわ」
といって風呂へ。
しかし出ると女の子がおらず
(恥ずかしがって隠れてるんか)
と思い、優しく
「出ておいで」
といった。
しかし返事はなく部屋を探したが女性はいない。
入り口にいくと女性の靴がなく
(逃げられた!)
と気づき、部屋に戻るとテーブルの上に、
「バカな考えを改めて家に帰ることにしました」
という書置きがあった。
(殺生な)
西川のりおは1人でビール飲んだ。
以後、必ず女の子を先に風呂に入れるようにし、次に自分が入るときもドアを少し開け
「何してるん?」
「何やっとるん?」
と話しかけて目と耳で存在を確認した。
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ある日、接待を受けてクラブへ。
27歳くらいの女の子がマッチ箱の裏に電話番号を書いてくれたので
(愛人にできたらエエなあ)
と妄想と股間を膨らませた。
その後、女の子2人、計4人で飲みに行き、電話番号をくれた女の子の隣に座ると
(こりゃひょっとしたらひょっとしてひょっとするぞ)
といよいよ期待が高まった。
実家暮らしの西川のりおは、彼女の部屋に上がるつもりで
「帰り、送ってやろうか)
といって道頓堀でタクシーを拾ったが、
「俺、片町」
というと女の子は
「エッ、私、堺ですよ」
といった。
実家と彼女の家はまったく真逆。
「だからグルっと回って・・・」
「とりあえずお茶でも飲みたいな」
「下駄箱の上で寝かせてくれてもエエから」
と粘ったが、女の子は
「ホンマ、今日は帰って。
また別のとき会うから」
といって西川のりおをタクシーから降ろそうとした。
西川のりおは、車から半分体が出た状態で
「冗談やて」
次に運転手が
「乗るの、乗らないの?」
とキツめにいってきたので
「まあまあ」
となだめて、女の子にいい寄っていたが、運転手にドアを閉められた。
片脚がはさまった状態の西川のりおは、
「痛い!」
と訴えたが、運転手はバンバンと何度も閉め、女の子は無視。
最終的に1人、道に取り残された西川のりおが翌日、マッチ箱をみながら電話にかけると
「この電話番号は現在、使われておりません」
という感情のない声が耳に飛び込んできた。
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西川のりおは、歳は上だが芸の道では後輩になる宮川大助を
「自分より顔がデカい。
新幹線の窓くらいある」
そして嫁、花子との漫才については、
「熱心なコンビ」
と思っていた。
しょっちゅうネタ合わせをする2人は、しょっちゅうケンカもしていた。
大助は、漫才では尻にしかれる夫を演じているが、実は亭主関白で、
「さっきのツッコミ、なんやねん」
「・・・」
「俺はお前のなんやねん」
「亭主です」
「お前は俺のなんやねん」
「妻です」
と花子を責め続ける。
西川のりおが京都花月で漫才をしていると、舞台袖で2人がやり合う声が聞こえてきた。
それは客席まで聞こえていたので、降壇後、
「エエ加減にせい」
と怒り、
「アンタら夫婦やろ。
ケンカなら家でしたらエエやんか」
といったが
「これはキッチリせなアカン問題やから」
と聞く耳を持たなかった。
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次のコンビの漫才が始まっても2人のケンカは続き、
「本日は、ありがとうございました」
というアナウンスが鳴って、幕が下りてもまだモメていた。
守衛に
「もう閉めまっせ」
と花月を追い出されると、大阪、寝屋川の文化住宅から車通勤していた2人は車内でケンカを継続。
しかし大阪に入る手前、京都府八幡市にさしかかると
「お前は何を考えて仕事してるんや」
「お前はを何やってるんや」
と責め続けてきた大助が急に
「ゴメン。
俺も悪かった」
とトーンダウン。
そしてハンドルを切ってラブホテルに車を入れた。
西川のりおは、それを知り、
「ケンカして燃えるタイプか」
と思いつつ、
「なんでホテル入らなアカンねん?」
と質問。
すると大輔は、
「幼稚園の子供がいるんで家ではできんのです」
「子供に聞かれんように広い家に引っ越したらええやないか。
共働きで儲かってんやろ」
「それが残らんのですわ。
ギャラの半分はホテル代に消えるんです」
西川のりおは、ホテル代を稼ぎ出すために漫才をしている夫婦を初めてみた。
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「兄さん、野球しません?」
元々プロ野球選手を目指していたザ・ぼんちの里見まさとにいわれ、西川のりおは
「ええよ。
やりとうないわ」
と断った。
しかし
「そやないんです。
岐阜にスポンサーがいるんですわ。
トルコ風呂の経営者」
といわれると
「なにっ!
トルコ風呂!」
と豹変した。
トルコ風呂とは、風俗店のこと。
正式名称「個室付特殊浴場」といい、本当はやってはいけないサービスを提供してくれる。
しかし本来、トルコ風呂は、トルコを含む中東やアジア諸国に広くみられる伝統的な公衆浴場のことだったので、トルコ人から抗議を受けて「ソープランド」に改称し、石鹸業界からは抗議はなかったようで現在に至っている。
「そのスポンサーが接待で野球やってくれいうんですよ。
終わった後は風呂に招待。
もちろん新幹線代向こう持ち」
「イクイク、イクゥー」
こうして西川のりおを含む芸人一行は、期待をふくらませて岐阜へ。
岐阜駅に着くと雨が降っていたが、西川のりおは
「雨がなんや。
カッパ着てやろ」
と元気いっぱい。
スポンサーの車が迎えに来て、
「まず食事でも」
といわれると
「待遇エエわあ」
とさらに上機嫌になった。
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食事が終わって球場にいくと相手チームは、ホホに傷があったり刺青が袖からはみ出したりしていて
「修羅の群れのようだった」
修羅の群れチームの先攻で試合開始。
2ストライク、ノーボールから3球目、
「カンッ」
と軽い音がしてゴロが転がり、セカンドは余裕をもってファーストに送球し、
「アウト」
するとランナーは
「ナニッ?
セーフ違うんか」
と塁審にクレーム。
「いえ、あの・・・」
「セーフやな」
「はい、セーフです」
次のバッターが入り、ピッチャーの宮川大助がインコースに投げると
「危ないなぁ。
真ん中に放れ、真ん中に!」
宮川大助は、真ん中にスローボール。
それでも打てないのをみて西川のりおは、
(そんな下手なんが野球するな)
と思いつつ、バッターが打ち上げると
「おおっ、スゴイッ!」
とヨイショ。。
勝つためには死の覚悟が必要な接待野球で負けた後、再び食事となり、
「精力つけなアカン」
としっかり食べた後、
「ではお風呂へ」
と、ついに念願の言葉がかかった。

Just a moment... (2551930)

トルコ風呂店に移動したとき、時間は14時。
開店は15時だが、
「早出してくれるん違う?」
と思いながら部屋に入ったが、女性は来ない。
「来るまで先に洗ってよ」
ということになり、男同士で洗い合った。
30分ほどすると修羅の群れの1人がやってきて
「お客さん来るから上がってくれるか」
その後、ボーリング場につれていかれ、
(ああ、そうか。
トルコ接待はボーリングの後か)
思っていると、
「1人、ワンゲーム500円です」
「接待やないの?」
「割引料金になってます」
なにか怪しい雰囲気に恐る恐る、
「あの~トルコ風呂は?」
と聞くと
「さっき入ったやないか」
(マジか!)
西川のりおたちは、帰りの交通費と弁当代をもらって新幹線に乗ったが、欲求不満が収まらず
「犯す」
「まわす」
とわめきながら帰った。
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