1人でも多くの人に聴いてもらいたい、実に味わい深い斉藤哲夫の世界。
2020年2月23日 更新

1人でも多くの人に聴いてもらいたい、実に味わい深い斉藤哲夫の世界。

自身最大のヒット曲「いまのキミはピカピカにひかって」は、斉藤哲夫にとって異質と言えるものです。デビュー当時は哲学者と呼ばれたこの天才は、数こそ少ないものの、ヒットこそしなかったものの、実に味わい深い曲を残しています。

3,571 view

斉藤哲夫

斉藤哲夫です。斉藤哲夫といえば、一般的にはやはり何といってもミノルタのCMで使われた「いまのキミはピカピカにひかって」でしょうね。
「いまのキミはピカピカに光って」は、オリコン最高位9位、売り上げは20万枚を突破するヒット曲となりました。
それにしてもこのCMの宮崎美子はカワイイ。彼女がこれで大ブレイクしたのもうなづけますね。
この曲がヒットしたのも宮崎美子のおかげと言えなくもありませんが、曲は曲でやっぱりポップでいい曲です。
いい曲ですが、斉藤哲夫のキャリアの中ではこれはかなり異質な曲なんですよね。実に味わい深い斉藤哲夫の世界をデビューから振り返ってみましょう。

悩み多き者よ

斉藤哲夫のデビュー曲は1970年2月にURCから早川義夫のプロデュースによる「悩み多き者よ」です。

悩み多き者よ

斉藤哲夫
早川義夫というところが、何とも言えないところですが、それは置いといて、如何です?「いまのキミはピカピカに光って」とまったく違うでしょう?あまりの違いに驚いたでしょう?もしかするとこれ以上聴く気が失せたかもしれませんね。
時代?それもあるとは思いますが、「悩み多き者よ」ですものね。暗い。テーマは確かに暗く重いです。しかし良く聞くと結構ポップなメロディだし普遍的なテーマを歌っているんですよね。実に味わい深い曲です。

君は英雄なんかじゃない

ファーストアルバム「君は英雄なんかじゃない 」が発売されたのは1972年6月です。デビュー曲から2年後に当たるわけですが、今の感覚からすると遅いように感じますね。「悩み多き者よ」が2000枚しかプレスされなかったということを考えるとレコード会社もアルバム発売に二の足を踏んだのかもしれません。
君は英雄なんかじゃない

君は英雄なんかじゃない

1. 6/8無題 (素晴らしい人生)
2. 明日になれば
3. 悩み多き者よ
4. 君は英雄なんかじゃない
5. 時は矢の様に
6. 斧をもて石を打つが如く
7. 日の丸
8. とんでもない世の中だ
9. (エンハンスド)CD-EXTRA仕様
君は英雄なんかじゃない といきなり言われても戸惑ってしまうばかりですが、こうした斉藤哲夫の書く歌詞が文学性が高いと評価され、「若き哲学者」や「歌う哲学者」などと呼ばれることになります。哲学者ですか。斉藤哲夫は当時22歳です。

2枚目のシングルとなったのは「されど私の人生」です。

されど私の人生

斉藤哲夫
この「されど私の人生」は、吉田拓郎のバージョンの方が知られているのかもしれませんね。実は斉藤哲夫のオリジナルで、詩も曲も彼が作っています。

この後、レコード会社をCBS・ソニーレコードへと移籍し充実期を迎えることになります。

バイバイグッドバイサラバイ

CBS・ソニーレコード移籍第一弾となるのが代表作と言ってもいい「バイバイグッドバイサラバイ」です。発売は1973年10月です。
バイバイ グッドバイ サラバイ

バイバイ グッドバイ サラバイ

1. 今日と明日をむすぶかけ橋
2. バイバイグッドバイサラバイ
3. もう春です(古いものはすてましょう)
4. ねえ君
5. 今日から昨日へ
6. 頭の中一ぱいに続く長い道
7. ここは六日町あたり
8. 親愛なる紳士淑女の為に
9. 合間をぬって
10. 吉祥寺
当時のフォーク・シンガーには珍しく、ファルセットを多用するのだが、綺麗にまとめず、荒々しくシャウトするように吐き出すので、その「引っ掛かり」が、御本人は気づいていないかもしれないだろうけど、凄く魅力だと思う。ロック的なドライヴ感に満ちているのだ。
このアルバムの1ケ月前に かぐや姫が200万枚の大ヒットとなる「神田川」を発売し、日本中にフォークソングブームが巻き起こります。
商業的にみると斉藤哲夫はこのブームにうまく乗ることは出来ませんでした。しかし、当時斉藤哲夫が作っていた曲はあか抜けているんですよね。
当時の映像が残っていなくて残念ですが、アルバムタイトル曲「バイバイグッドバイサラバイ」は素晴らしすぎます!

バイバイグッドバイサラバイ

斉藤哲夫
アルバムは、岡田徹、白井良明、チト・河内、後藤次利といった素晴らしいミュージシャンがバックを務めています。
40 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

70年代後半のジャズ期にあたるジョニ・ミッチェルをぜひ貴方に!

70年代後半のジャズ期にあたるジョニ・ミッチェルをぜひ貴方に!

天才の名をほしいままにしているジョニ・ミッチェル。にもかかわらず、なぜか日本においては余り聴かれていないように思います。食わず嫌いなそこの貴方に70年代後半の最も独創的な時期と言えるジョニ・ミッチェルをお勧めします。今聴くと、とてもオシャレ!にも感じるんですよ!
obladioblada | 295 view
イギリス生まれのアメリカ。彼らの哀愁のメロディに美しいハーモニーはタイムレスです。

イギリス生まれのアメリカ。彼らの哀愁のメロディに美しいハーモニーはタイムレスです。

イギリスで結成された3人組のアメリカ。彼らの曲は時代に関係なく聴ける曲ばかりです。何かと慌ただしい毎日を送っている方に、このメロディは染みます!
obladioblada | 685 view
生き方に憧れる人多し!の高田渡。音楽的絶頂期を飾る70年代のアルバムがこれです。

生き方に憧れる人多し!の高田渡。音楽的絶頂期を飾る70年代のアルバムがこれです。

近年、高田渡の生き方に憧れている人が多くいますね。その高田渡の音楽的な絶頂期は70年代。個性の強い曲ばかりですが、生き方同様に一度聴くと耳に残って忘れられなくなる優しい曲ばかりなんですよ。
obladioblada | 872 view
よしだたくろう が吉田拓郎になるまでの5年間。この僅か5年間で日本の音楽シーンは塗り替えられてしまいます

よしだたくろう が吉田拓郎になるまでの5年間。この僅か5年間で日本の音楽シーンは塗り替えられてしまいます

よしだたくろう はデビューしてからの5年間で、日本の音楽シーンを見事なほどに塗り替えてしまいます。それまでのフォークシンガーには成し得なかったポピュラリティを獲得し、アイドルのような存在となり、そして、大人社会にフォークは商売になると知らしめたのです。
obladioblada | 11,916 view
知ってましたか?「アメリカ(バンド)」の全盛期を飾ったアルバム・タイトルは、全て頭文字が「H」なんですよ。

知ってましたか?「アメリカ(バンド)」の全盛期を飾ったアルバム・タイトルは、全て頭文字が「H」なんですよ。

「名前のない馬」や「金色の髪の少女」をはじめとして、70年代にヒット曲を連発した「アメリカ」。現在でも元気に2人組で活動していますが、3人組だった70年代の作品は、今聴いても心に沁みる素晴らしいものばかりです。そしてその素晴らしいアルバムのタイトルは全部「H」で始まるんですよ。
obladioblada | 15,479 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト