高評価と低評価、2枚のアルバムからみるラモーンズ
2016年7月11日 更新

高評価と低評価、2枚のアルバムからみるラモーンズ

パンクの歴史的名盤と言われるラモーンズのファーストアルバムとラモーンズの問題作とも失敗作とも言われる「エンド・オブ・ザ・センチュリー」。ビートルズとのエピソードを交えながらご紹介します。

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Meet the beatles

Meet the beatles

ビートルズのセカンド・アルバムです。

エンド・オブ・ザ・センチュリー

End of the Century

End of the Century

1980年リリース
今でも賛否分かれる問題作ですが、発表当時は評論家やコアなファンからは酷評の嵐でした。
原因はプロデュースを手掛けたフィル・スペクターにあります。
「ウォール・オブ・サウンド」と称される独自の音作りをするフィル・スペクターによって、それまでのラモーンズからは考えられないサウンドとなっています。
レコーディング当時はメンバーも戸惑いそうとう揉めたようですよ。
しかし、楽曲の出来自体はどの曲も素晴らしく、なるほどオーバープロデュースと感じる曲もありますが、いやいやとても素晴らしい仕上がりとなっています。

Rock and Roll Radio - Ramones

Do you remember lying in bed, with the covers pulled up over your head.
ラモーンズの代表曲のひとつである1曲目の「 リメンバー・ロックンロール・レイディオ?」にフィル・スペクターの特徴がよく出ています。

【エンド・オブ・ザ・センチュリー 収録曲】
1. リメンバー・ロックンロール・レイディオ?
2. アイム・アフェクテッド
3. ダニー・セイズ
4. チャイニーズ・ロック
5. ジャッキー・アンド・ジュディー
6. レッツ・ゴー
7. ベイビー・アイ・ラヴ・ユー
8. アイ・キャント・メイク・イット・オン・タイム
9. ディス・エイント・ハヴァナ
10. ロックンロール・ハイ・スクール
11. オール・ザ・ウェイ
12. ハイ・リスク・インシュランス

そして映画で使われた「ロックンロール・ハイ・スクール」ですが、映画はED STASIUMがプロデュースしています。
聞き比べてみると、フィル・スペクター・バージョンの方は作りこまれていることが分かります。

Rock & Roll High School - The Ramones

THE USE OF ANY COPYRIGHTED MATERIAL IS USED UNDER THE GUIDELINES OF "FAIR USE" IN TITLE 17 § 107 OF THE UNITED STATES CODE. SUCH MATERIAL REMAINS THE COPYRIG...
ベースのDee Dee Ramoneが作った「チャイニーズ・ロック」は、作った当初は他のメンバーからラモーンズにふさわしくないということで没になりJohnny Thunders & The Heartbreakersに提供されていたいわくつきの曲です。

ラモーンズ・バージョンも良いですが、この曲はやはりJohnny Thundersの方がしっくりきます。

Johnny Thunders & The Heartbreakers - Chinese Rocks

Johnny Thunders & The Heartbreakers - Chinese Rocks Videoclip
End of the Century

End of the Century

映画ポスター
「「End of the Century」」というアルバム・タイトルはフィル・スペクターが付けたとされており、その後ラモーンズのドキュメント映画のタイトルにもなっています。
Phillip Spector

Phillip Spector

パンクの創始者ラモーンズと伝説的なプロデューサーであるフィル・スペクター。
いかにもミスマッチなこの組み合わせが生み出したマジックがここにあります。

そういえば、フィル・スペクターはビートルズのプロデュースもしていたんでした。
ラモーンズって本当にビートルズ好きなんですね。だからこそパンクにしてポップスとしても成り立っているのでしょう。

それにしても、プロデューサーが誰であろうとラモーンズ自体はちっとも変っていないところが素晴らしいです。

フィル・スペクターは、現在のところこれが最後のプロデュースとなっています。
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