2021年6月22日 更新
『ガンプラり歩き旅』その55 ~イデオン編・3 アオシマ アニメスケールシリーズの誕生!~
ガンプラ! あの熱きガンダムブーム。あの時代を生きた男子であれば、誰もが胸高鳴り、玩具屋や文房具屋を探し求め走ったガンプラを、今改めて当時のキットから現代キットまで発売年代順に、メカ単位での紹介をしてきた『ガンプラり歩き旅』。
今回は全8回で、ガンプラブームと共にロボットプラモブームを牽引した、『機動戦士ガンダム』(1979年)の日本サンライズ・富野由悠季監督の次作品『伝説巨神イデオン』(1980年)のアオシマ製プラモデル群から、現代に至るまでのイデオンフィギュアを、追いかけてみたいと思います!
アオシマイデオンプラモデルの新しいステージ。1/810と1/420の、2種の「アニメスケール」のイデオンだ!
私、市川大河が、書評サイトシミルボンで連載している、
『機動戦士ガンダムを読む!』での、再現画像で使用しているガンプラを、
古い物から最新の物まで片っ端から紹介していこうというテーマのこの記事。
今回の番外編で紹介していくのは、シミルボンでもその流れで『伝説巨神イデオン』の作品紹介をするので、その『イデオン』に登場した、主人公ロボットイデオンの様々な立体を中心に、敵役の重機動メカ等も含めてイデオンの立体物歴史を俯瞰していきたいと思います。
今回は、それまで児童層向けのイデオンプラモデル(イデプラ)しか発売してこなかったアオシマが、ガンプラブームを意識し始めて展開を開始した「アニメスケール」シリーズの幕開けとなる、2種のスケールのイデオンをご紹介!
アオシマ イデオン アニメスケール 1/420 1980年11月 1000円
普及版のパッケージアート。迫力のあるイラストでイデオンがそびえ立っている
試験販売期のパッケージアート。セル画を使ってアニメ版を強く意識させた、当時としては珍しいロボットプラモデルの箱絵
いきなり余談から入ってしまうが、アオシマのイデプラの話題になると、避けて通れない事件が近年あり、マニアはそれを「駿河屋の乱」と呼んでいる。
駿河屋とは、プラモデルに限らずオタクグッズを扱うECサイトなのであるが、ことは2011年に突如起きた。
おそらく駿河屋が、どこかのルートで、イデプラの大量のデッドストックを有している、倉庫か問屋の破綻からタダ同然で手に入れてきたのだろう、未曽有の物量のイデプラが、100個で500円とかの破格値で、ある日突然通販されたのだ。
1/420 イデオンの立ち姿。プロポーションは言われているほど悪くはない。今回は2種とも未塗装で素組
その情報は瞬く間にネット上のアニメ系モデラーに知れ渡り、やがてそれは低レベルな転売を大量に生み出し、Amazonマーケティングプレイスなどにも余波が及んだが、この事件を「貴重な当時品のデッドストックが、イデオンに知識も思い入れもないイマドキのマニアにネタ消費されて憤慨」するか「どうせこのまま死蔵されていても、いつか破棄されて処分される運命にあったのだから、どんな形であれ消費されたことを感謝」するか、人それぞれではあるが、今回のイデプラコラムはそんな枕から始まる。
横から見た1/420 イデオン。アオシマロボットプラモデルは、トップヘビーと、横幅が薄いのが共通した作風
まず、今回最初に紹介する、アニメスケール 1/420 イデオンは、イデプラでおそらく初めて、スケールモデルの概念と、アニメ設定やディテールを尊重する設計と、アニメに近い3機合体変形を意識した商品であり、一言で言うなら、ガンプラに影響を受けたイデプラ第1号であると言い切れる。
1/420 イデオンのバックショット。
今回用意した1/420 イデオンは、翌月発売される「光るイデオン(1980年12月発売2400円)」のテスト版の色合いも強く、「光るイデオン」には、このキットに発光装置と新規ランナー2枚が追加され、よりアニメ設定どおりのイデオ・デルタ、イデオ・ノバ、イデオ・バスタへと、3機分離変形できるようになるのであるが、今回は入手の都合でこのキットの紹介で我慢していただきたい。
1/420 イデオンの頭部パーツ。「光るイデオン」流用前提からか、ゴーグルがクリアパーツで出来ている
1/420 イデオンの腹部のイデ・ゲージもクリアパーツ
3機のメカへの分離変形という意味では、先行していた児童向けのイデプラ「合体巨神イデオン」が先に挑戦していたが、それらは成功しているとは言い難いものの、その段階で、今回はさらに高いハードルへの挑戦が観られるようになった。
1/420 イデオンは、まずはこうして、両腕、上半身、下半身に分離出来る
「合体巨神イデオン」が、3種の車両形態からイデオンへの変形合体を再現したとすれば、(後述するが)この1/410 イデオン(からの「光るイデオン」)は、3種の飛行形態からのイデオンへの変形合体を目指して作られたキットであるといえた。
特に両腕などは「光るイデオン」の追加パーツ抜きでも、拳さえ外すことが出来れば、シルエットもディテールもかなり正確なアニメ版イデオ・デルタに変形することができる。
アニメスケール版の1/420 イデオンでも、両腕だけでここまでイデオ・デルタに近づく
また余談だが、そうした飛行メカ3機分離ギミックは、「光るイデオン」の方で補完されたからか、追加パーツのないこのアニメスケール版キットでは、組み立て説明書では一切言及されていない。
拳さえ外せれば、ほぼイデオ・デルタの完成形
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やのしん 2018/3/28 07:42
1/600シリーズのガンガ・ルブ出来が良いのでよく作って遊んでいます。今でも通用するディテールです。ぜひ紹介してください。イデオンリメイクして欲しい。やはりこれ以上では、ちょっと。