ルースターズの初代ボーカリストだった大江慎也。脱退後のソロワークがこれだぁ!
2018年10月18日 更新

ルースターズの初代ボーカリストだった大江慎也。脱退後のソロワークがこれだぁ!

今でもカリスマ的な人気を誇るルースターズ。ボーカルだった大江慎也のソロアルバムは大きな期待を持って迎え入れられましたが、多くの人たちの感想は「歌が異常なほどヘタ」というものでした。そして、その歌に中毒を起こしたのです。

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Blood

年が明けて1988年。「大江慎也 with ジョニーサンダース」名義ですが、ソロになって初のシングル「GREAT BIG KISS」が4月に発売されます。
ジョニーサンダースとは、そう、あのニューヨークドールズのジョニーサンダースです。「GREAT BIG KISS」とは、シャングリラスで有名な曲のカバーです。
GREAT BIG KISS

GREAT BIG KISS

1988年4月発売

1. GIVE HIM A GREAT BIG KISS
2. I CAN’T HELP MYSELF~LIKE A VIRGIN
そして、2曲目の最後にちょっとだけ入っている「LIKE A VIRGIN」とは、そう、マドンナの大ヒット曲のあれです。

それから2か月後の6月に4枚目となるアルバム「Blood」が発売されます。
Blood

Blood

1988年6月発売

1. STOP THIS CRYIN’ INSIDE
2. BLOOD AND SOUL
3. LALALA
4. I’M YEA SO BEAUTIFUL
5. 溜息の森
6. THROUGH THE WORLD PASS
7. ROLL IT OVER
8. 時間を元通りにして
9. 知らない風
10. 平和
メジャーからインディに戻った途端にこれか!と目を覆いたくなるようなジャケットに、いきなり聴く気をそがれてしまいますが、このアルバムは素晴らしいです。
外見で人を判断してはいけないという格言の好例といえますね。「GREAT BIG KISS」で味を占めたのか、同じ系統である1曲目の「STOP THIS CRYIN’ INSIDE」から快調に飛ばします。

LA LA LA

大江慎也
バックを務める1984との関係がこなれてきたといった感じです。大江慎也の精神状態は決して万全ではなかった、いえ、悪かったのですが、このアルバムを聴く限り、明るく、穏やかで、透明感があり、とても心地よいものに仕上がっています。相変わらず不安定なボーカルではありますが、だからこその唯一無二なのです。

PECULIAR

アルバムタイトル通り、どこか奇妙な5枚目のアルバム「PECULIAR」。1984とともにデート・オブ・バースが全面的にサポートした本作。アルバムジャケットからも分かるように、再びメジャー(徳間ジャパン)からの発売です。
PECULIAR

PECULIAR

1989年4月発売

1 SAY HELLO!
2 TONIGHT
3 SILENCE
4 PECULIAR
5 GET HAPPY
6 THE COUNTRY SIDE
7 THE AIR
8 I CALL YOUR NAME
9 CRYSTAL SHIP
10 EARLY IN THE PARK
11 SAY HELLO!(英語バージョン)
デート・オブ・バース+メジャーレーベルということで、どうなったかと言いますと、ニューオーダーですね。高級感があります。
やはり、良いスタジオで優秀なスタッフと共に作り上げると、コストはかかるのでしょうが、完成度は高くなります。ただ、気に入るかどうかはリスナーの好みの問題ではありますが。

Get Happy

大江慎也
この後、大江慎也はONESというバンドを結成。1990年5月にアルバム「WILL POWER」を発売した後、音楽業界から姿を消してしまいます。
精神的な病に加え、大腸を全摘出するという大病を乗り越え復帰するまでに15年も要することになります。

今にも崩れ落ちそうな、儚い夢のような、大江慎也が紡いだ歌の数々は、一度はまると抜け出せなくなります。
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