レッスルマニアとサマースラム、サバイバー・シリーズ、ロイヤルランブルを4大PPV(2002年まではキング・オブ・ザ・リングを入れて5大PPV)と呼ぶが、その中でもっとも伝統があり、重要度も高い(1985年の第1回大会は一晩で400万ドルもの収益を上げ、アメリカン・プロレスの歴史を塗り替えた記念碑的レスリング・イベントと位置付けられている。また、9万3173人という大観衆を集めた1987年の第3回大会は、世界のインドア・スポーツのイベントにおける過去最高の観客動員数を記録している)。名実ともにプロレスの興行としては世界最大の大会である。
via wwe.co.jp
日本語では「祭典」と訳されるように、アメリカンプロレスの世界においては、年に一度の大一番なのです。
アンダーテイカーは1991年の初出場以来、実に21大会において勝利を重ね続けました。いつしか、その勝利は「不敗神話」となります。
アンダーテイカーは1991年の初出場以来、実に21大会において勝利を重ね続けました。いつしか、その勝利は「不敗神話」となります。
WrestleMania VII (1991年) ジミー "スーパーフライ" スヌーカ ピンフォール
WrestleMania VIII (1992年) ジェイク "ザ・スネーク" ロバーツ ピンフォール
WrestleMania IX(1993年) ジャイアント・ゴンザレス 反則
WrestleMania XI(1995年) キングコング・バンディ ピンフォール
WrestleMania XII (1996年) ディーゼル ピンフォール
WrestleMania 13 (1997年) サイコ・シッド ピンフォール
WrestleMania XIV (1998年) ケイン ピンフォール
WrestleMania XV (1999年) ビッグ・ボスマン ピンフォール
WrestleMania X-Seven (2001年) トリプルH ピンフォール
WrestleMania X8 (2002年) リック・フレアー ピンフォール
WrestleMania XIX (2003年) Aトレイン&ビッグ・ショー ピンフォール
WrestleMania XX(2004年) ケイン ピンフォール
WrestleMania 21(2005年) ランディ・オートン ピンフォール
WrestleMania 22 (2006年) マーク・ヘンリー 棺桶閉じ込め
WrestleMania 23 (2007年) バティスタ ピンフォール
WrestleMania XXIV (2008年) エッジ サブミッション
WrestleMania XXV (2009年) ショーン・マイケルズ ピンフォール
WrestleMania XXVI (2010年) ショーン・マイケルズ ピンフォール
WrestleMania XXVII (2011年) トリプルH サブミッション
WrestleMania XXVIII (2012年) トリプルH ピンフォール
WrestleMania 29 (2013年) CMパンク ピンフォール
左から、大会名と年度、対戦相手、決着。
しかし、2014年、ついにその神話が終わる時がやってきます。レッスルマニア、記念すべき30回目の大会のことでした。対戦相手は、ブロック・レスナー。プロレスと総合格闘技の世界を股にかけて活躍するスーパースターです。
これまで難敵・強敵を相手に幾度となくピンチに陥りながらも勝利を手にしてきたテイカーですが、疲弊した彼の身体とレスナーという巨大な敵の存在に流石のファンも「今年はもう駄目かもしれない」という空気が出てきます。ですがそれでも試合が始まれば皆がテイカーの勝利を信じます。これまで皆がそう信じてきたように。
しかし結果はレスナーのバーディクトによる3カウント負けで、ついに墓掘り人にレッスルマニアにおける初めての黒星が付けられます。試合を見返してみると大御所のオーラはあってもいつもの試合運びと比較すれば弱々しいテイカーがそこに居ました。去年までの試合でもここまで一方的なテイカーは見たことがなく、場外へエスケープして肩で息をする様子を見るとここで逆転勝利を収めても本当に納得できる勝利かと我々も疑いたくなります。そう考えるとテイカーは「負ける」という筋書きを、本人の意志か会社の意志かは分かりませんが、自然と受け入れたように見えます。
Undertaker vs Brock Lesnar Wrestlemania 30 - WWE Wrestlemania 2014 Undertaker vs Brock Lesnar
via www.youtube.com
おわりに
プロレスには、スポーツとエンターテインメントの要素が複雑に入り混じっています。その中でもギミックは欠かせない要素といえます。ギミックは時に「八百長」などと揶揄される要因となることもありますが、「実は分かってはいるけれども、あえてその『体(てい)』で見てみる」という楽しみ方もプロレスの魅力の一つではないでしょうか。
ジ・アンダーテイカーはその徹底したギミックで一世を風靡しましたが、それを支えていたのはレスラーとしての確かな技量であったことは間違いありません。現在はスポット参戦が多くなっているアンダーテイカーですが、これからも世界中を震撼させる活躍を期待したいものです。
ジ・アンダーテイカーはその徹底したギミックで一世を風靡しましたが、それを支えていたのはレスラーとしての確かな技量であったことは間違いありません。現在はスポット参戦が多くなっているアンダーテイカーですが、これからも世界中を震撼させる活躍を期待したいものです。