小室哲哉が楽曲提供した意外な歌手を振り返る【93年~95年】
2018年8月14日 更新

小室哲哉が楽曲提供した意外な歌手を振り返る【93年~95年】

1993年のはじめからTRFが本格始動。TKも彼らのプロデュースに注力するようになりますが、そんな中でもアイドルや歌手、果てはプロ野球選手に至るまで、さまざまな有名人への楽曲提供を続けていました。今回はそんなTKファミリーブーム前夜にあたる、93~95年の小室哲哉制作楽曲を紹介していきます。

8,826 view

東京パフォーマンスドール『キスは少年を浪費する』‐1993年11月10日リリース

キスは少年を浪費する

キスは少年を浪費する

作詞:売野雅勇 作曲・編曲:小室哲哉
1994年にダブルミリオンを達成した『恋しさと せつなさと 心強さと』。歌い手である篠原涼子とTKの縁が始まったのは、彼女が所属していた女性アイドルグループ・東京パフォーマンスドールとの仕事がきっかけでした。

TKがパードルに楽曲提供したのは、1992年11月21日リリースの『十代に罪はない』がはじめてで、この『キスは少年を浪費する』では編曲も担当。作詞は中森明菜の『少女A』やカルロス・トシキ&オメガトライブ の『アクアマリンのままでいて』などの作詞を手掛けた売野雅勇が担当しており、どこか退廃的なムード漂う歌詞と、コテコテのユーロビートに乗せたシンセサウンドは異常なほどにミスマッチ。でもそこがまた、パードルの無秩序感を表現しているようで、なんとも味があります。

牧瀬里穂『国境に近い愛の歌』‐1993年9月17日リリース

P.S.RIHO(牧瀬里穂)

P.S.RIHO(牧瀬里穂)

1. 唇の契約書
2. RIHO
3. 恋におちて
4. 国境に近い愛の歌
5. ささげたい、あなたに…
6. 雨
7. キャンセルされたプライバシー
8. 涙のパラシュート
9. クリスマスが来れば
10. いつもそばにいて
11. Miracle Love
宮沢りえ・観月ありさへプロデュースという名の調教を施してきたTKは、1993年、ついにM3最後の一人・牧瀬里穂の楽曲も手掛けることに。とはいえ、りえと観月のように衣装やプロモーションにまで口を出すほど、トータルプロデュース的にどっぷりかかわるようなことはせず、ファーストアルバム 『PS. RIHO』の収録曲『国境に近い愛の歌』『キャンセルされたプライバシー』の作曲・コーラスアレンジを担当するにとどまりました。

裕木奈江『みんな笑った』‐1993年12月12日リリース

旬(裕木奈江)

旬(裕木奈江)

1. みんな笑った
2. 青空挽歌
3. 不思議ね
4. いたずらがすき
5. 勇気がほしい
6. 転校
7. 冬の東京
8. りんごでもいっしょに
9. 夜と朝のすき間に
10. 虹色の世界地図
1993年はTRFのメジャーデビュー年。同年2月にリリースされたファーストシングル『GOING 2 DANCE/OPEN YOUR MIND』を皮切りに、1年でシングル5枚、アルバム2枚を発表するという、スタートからハイペースな活動を見せていました。それに伴い、TKはハードスケジュールに追われていたわけですが、忙しい合間を縫って、アイドル・タレントへの曲作りに着手。ドラマ『北の国から』で純の子を妊娠・中絶する役で脚光を浴びた裕木奈江にも、アルバム収録曲『みんな笑った』を提供しました。

池山隆寛『自由の女神』‐1993年12月15日リリース

TO THE TOP VICTORY ROAD

TO THE TOP VICTORY ROAD

1: TO THE TOP(INSTRUMENTAL)
2: 負けず嫌いなLOVE SONG/ 橋上・飯田・加藤・西村・高津・内藤・小坂
3: 想い出のBall/ 古田敦也
4: 自由の女神/ 池山隆寛
5: 愛を数えよう/ 秦 真司
6: 何も言えなくて・・・夏/ 広沢克己
7: 悪友/ 高野 光
8: いつか輝きが・・・Glory Days/ 広沢・橋上・内藤・高津・古田・飯田・秦・西村・小坂・加藤・高野
9: MEDLEY(INSTRUMENTAL)~TO THE TOP~負けず嫌いなLOVE SONG~想い出のBall~自由の女神~愛を数えよう~何も言えなくて・・・夏~悪友~いつか輝きが・・・Glory Days
最近はほとんどなくなりましたが、昔はオフシーズンになるとプロ野球の人気選手がよくレコード及びCDをリリースしていたものです。たとえば、世界のホームラン王・王貞治は『白いボール』(1965年)、エモヤンこと江本孟紀は『恋する御堂筋』(1979年)、小林繁は『昨日の女』(1980年)、ノムさんこと野村克也は『俺の花だよ月見草』1993年)など枚挙に暇がないですし、落合博満に至っては10枚のレコード、1枚のオリジナルアルバム、さらにはゴールデン☆ベストまで出しています。

そんな歴史と伝統あるプロ野球音楽ビジネスに、およそスポーツなどかかわりのない半生であったであろうTKがついに参与。当時「野村ID野球」で隆盛を極めていたヤクルトスワローズの若手によるアルバム『TO THE TOP VICTORY ROAD』の中に収録された、ブンブン丸こと池山隆寛の楽曲『自由の女神』の作曲・編曲を担当しました。

中森明菜『愛撫』‐1994年3月24日リリース

片想い/愛撫 (中森明菜)

片想い/愛撫 (中森明菜)

愛撫
作詞:松本隆 作曲・編曲:小室哲哉
恋人・マッチの自宅マンションにおける自殺未遂騒動・破局会見以降、情念を秘めた魔性の女として語られるようになった明菜のパブリックイメージをくみ取ったのでしょうか。 松本隆が作詞、TKが作曲と編曲をつとめたこの『愛撫』は、1985年のシングル『ミ・アモーレ』の世界観をより深化させ、年相応の情感を絡ませたような曲になっていました。この時の仕事ぶりが評価され、TKは後に明菜のトータルプロデュース曲『MOONLIGHT SHADOW-月に吠えろ』を手掛けることに。

内田有紀『Only You』‐1995年4月21日リリース

「しんのすけ!朝だぜ!私は内田有紀だぜ!」と、クレヨンしんちゃんでみさえが内田有紀のお面をかぶっていたシーンがあったことからも分かるように、内田有紀といえばデビュー当時ボーイッシュキャラで売っていました。
このボーイッシュ時代全盛だった頃の内田有紀も、TKはフルプロデュース。「ロッテリア」のCMソングで、オリコン初登場2位に輝いた名曲『Only You』を提供します。
Only you(内田有紀)

Only you(内田有紀)

作詞・作曲・編曲:小室哲哉
「Only You Uh-Ow Ow O-♪」と出だしから、心を鷲掴みにされるキャッチーなフレーズとのっけからうるさすぎるTKのハモリ(だがそれがいい)。楽曲中には、内田のラップという名のただの早口も収録されています。
(こじへい)
20 件

思い出を語ろう

     
  • 記事コメント
  • Facebookでコメント
  • コメントはまだありません

    コメントを書く
    ※投稿の受け付けから公開までお時間を頂く場合があります。

あなたにおすすめ

関連する記事こんな記事も人気です♪

tohko、普通の女子大生が小室プロデュースによるデビュー曲のヒットで勘違い!当時の天狗っぷりをTV番組で告白!

tohko、普通の女子大生が小室プロデュースによるデビュー曲のヒットで勘違い!当時の天狗っぷりをTV番組で告白!

1998年に小室哲哉プロデュースで歌手デビューしたtohkoが、テレビ朝日系『あるある議事堂SP』に出演。デビュー曲がヒットし、天狗になっていた90年代当時を赤裸々に語った。現在は家賃9万円、1Kのマンションで自費出版でCDをリリースしている。
90年代を代表するダンス&ボーカルグループTRFのヒット曲まとめ!

90年代を代表するダンス&ボーカルグループTRFのヒット曲まとめ!

90年代にヒットチャートを独占することも多かった小室ファミリー。小室ブームの流行のきっかけにもなったのはTRFの登場ではないでしょうか。TRFのヒット曲を振り返ってみました!
saiko | 915 view
小室哲哉が楽曲提供した意外な歌手を振り返る【90年~92年】

小室哲哉が楽曲提供した意外な歌手を振り返る【90年~92年】

先日、音楽業界からの引退を表明した小室哲哉。TKといえば、90年代に「小室ファミリー」を率いて一時代を築いたことで知られていますが、その活動期間において「えっ、この人も!?」というアイドル・タレントのプロデュース及び楽曲提供も、実は数多く手掛けているのです。そこで今回、1990年~1992年ごろに小室哲哉がプロデュースした意外な歌手を何人かピックアップし、紹介していきたいと思います!
こじへい | 6,572 view
globe・KEIKOが自身のツイッターで久々に元気な姿を公開!TKこと小室哲哉の誕生日での一コマをツイート!

globe・KEIKOが自身のツイッターで久々に元気な姿を公開!TKこと小室哲哉の誕生日での一コマをツイート!

くも膜下出血でリハビリ中のglobeのボーカル・KEIKOが27日、自身のツイッターアカウントに、夫で音楽プロデューサーの小室哲哉とのツーショット写真を掲載した。夜景が見える高層ビルの窓辺に座り、語り合う夫婦2ショットをアップした。
華原朋美のライブツアー『華原朋美 LIVE TOUR 2024-2025~♡LOVE IS BEST♡~』が開催決定!!

華原朋美のライブツアー『華原朋美 LIVE TOUR 2024-2025~♡LOVE IS BEST♡~』が開催決定!!

歌手・華原朋美のライブツアー『華原朋美 LIVE TOUR 2024-2025~♡LOVE IS BEST♡~Presented by WOWOWプラス』の開催が決定しました。11月16日、関内ホール 大ホール(神奈川)よりスタート。
隣人速報 | 108 view

この記事のキーワード

カテゴリ一覧・年代別に探す

あの頃ナウ あなたの「あの頃」を簡単検索!!「生まれた年」「検索したい年齢」を選択するだけ!
リクエスト